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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 押し目狙いのロング対応、リスク選好のなかで断続的なショートポジション圧縮の動き


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28650 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 2043.0 +2.0 (+0.09%)
シカゴ日経平均先物 28655 +5
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 17日の米国市場は、NYダウナスダックが下落した一方で S&P500は上昇。ゴールドマン・サックス・グループ<GS>は、1-3月期決算で売上高にあたる純営業収益が市場予想を下回ったことが嫌気され8営業日ぶりに反落。ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>も1-3月期決算が最終赤字となったことで売られ、指数の重荷となった。米アトランタ連銀のボスティック総裁は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げはあと1回想定しているとし、その後はしばらく据え置くことを支持すると発言したが、市場の関心が決算に向かうなかで、それほど材料視されなかった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置、資本財が上昇した半面、自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、メディアが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比5円高の2万8655円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の2万8670円で始まり、その後は2万8680円~2万6730円のレンジで推移し、米国市場の取引開始直後には2万8760円まで買われた。しかし、買い一巡後に軟化し2万8580円と下落に転じると、2万8600円~2万8650円辺りで保ち合い、日中比変わらずの2万8650円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや利食い優勢の展開になりそうだ。前日まで8営業日続伸とリバウンド基調を継続するなか、過熱感が警戒されやすい。米国では主要企業の決算でセンチメントが大きく変わるため、決算を見極めたいとするムードも強まりそうである。週足のボリンジャーバンドでは、これまで上値抵抗線として機能していた+2σ(現在値:2万8600円水準)を上回ってきたこともあり、テクニカル面でも利食いは入りやすいと考えられる。

 もっとも、日足のボリンジャーバンドの+1σは2万8860円まで上昇しており、下値も切り上がりを見せていることから、オプション権利行使価格の2万8500円~2万8875円辺りのレンジを想定する。ロングが強まり、ショートカバーが集中する形での上昇といった流れになっていないこともあり、高値ピークは意識しづらいところだ。積極的な上値追いの流れではなく、一方で下値を徐々に切り上げていることから、押し目待ちの買い意欲は強いだろう。

 ゴールドマン・サックスは決算が嫌気されたものの、売り一巡後は押し目買いが優勢となり、1.7%程度の下げにとどまっている。足もとでリバウンドを継続していたことで、いったんは利食いの入りやすいタイミングだった。JPモルガン・チェース<JPM>が順調なリバウンドを続けるなか、東京市場でも金融セクターの買い戻しは引き続き意識されそうだ。また、半導体関連ではエヌビディア<NVDA>が買われ、SOX指数は小幅に上昇した。前日に「設備投資計画を引き下げる」と伝えられ台湾市場で売られた台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が小幅に上昇したこともあり、指数の重荷となった東京エレクトロン <8035> [東証P]など値がさハイテク株などに買い戻しも入りそうである。そのため、押し目狙いのロング対応を継続しておきたいところだ。

 VIX指数は16.83に低下した。主力企業の決算発表を控え、積極的なロングの勢いが強まる展開は期待しづらいが、リスク選好のなかで断続的なショートポジションを圧縮する動きとなりそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に低下した。支持線として意識される25日移動平均線まで低下したことで、いったんは利食いに伴うNTショートの巻き戻しが入りやすいと考えられる。

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