【市況】前場に注目すべき3つのポイント~米大手銀行の決算評価からメガバンクなどへの資金流入が意識されてくる~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
17日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:米大手銀行の決算評価からメガバンクなどへの資金流入が意識されてくる
■アルプスアル、23/3下方修正 営業利益330億円←500億円
■前場の注目材料:脱炭素「多様な道筋で」石炭火力廃止年限、日本が難色
■米大手銀行の決算評価からメガバンクなどへの資金流入が意識されてくる
17日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。14日の米国市場はNYダウが143ドル安だった。JPモルガン・チェースは第1四半期決算で純金利収入が予想を上回ったほか、預金残高も予想外に増加したことが明らかになり大幅に上昇。シティグループの決算も金利関連のトレーディング収入や金利収入増で予想外の増益を計上し買われるなど、大手銀行の決算が評価された。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が一段の金融引き締めが必要との考えを示すと、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利上げ観測が重荷となり、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円高の28490円。円相場は1ドル133円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、底堅い相場展開が見込まれる。日経225先物は先週の上昇で3月高値を突破し、節目の28500円を回復した。米国市場の下落の影響もあり、いったんは達成感から利益確定の流れに向かいやすいだろう。また、先週はファーストリテ<9983>の大幅な上昇によって日経平均をけん引したこともあり、今週も同様のインパクトを見せてくる展開は期待しづらいところであろう。
とはいえ、米大手銀行の決算評価からメガバンクなどへの資金流入が意識されてくる展開が期待されそうだ。メガバンクはシリコンバレー銀行破綻による信用不安から急落し、その後は緩やかなリバウンドを見せているものの、依然としてボトム圏での推移であり、戻りの鈍さが目立っている。メガバンクなど銀行株はリバウンドを強めてくるようだと、センチメント改善につながることになりそうだ。
日経平均は先週の上昇で一時28500円を回復し、3月9日に付けた28734.79円が射程に入ってきた。先週の大幅上昇の反動も意識されやすいなかで、本日は利食いからこう着感が強まりそうだが、ボリンジャーバンドの+2σまで上昇したため、いったんは調整が意識されやすい水準である。4月4日の戻り高値28287円辺りが支持線として機能する可能性もあるため、基本的には押し目狙いのスタンスとなろう。日経225先物が28500円辺りでの底堅さがみられるようだと、+2σを上放れる可能性もあるため、まずは寄り付き後の底堅さを見極めたい。
■アルプスアル、23/3下方修正 営業利益330億円←500億円
アルプスアル<4381>は2023年3月期業績予想の修正を発表。売上高は9050億円から9330億円に引き上げたが、営業利益を500億円から330億円に下方修正した。自動車生産回復および、為替円安の影響により売上高は予想を上回る見通し。利益面ではモジュール・システム事業の一部不採算事業撤退による減損損失39億円、コンポーネント事業の事業用固定資産の減損14億円、および欧州生産拠点再編費用10億円を第4四半期において特別損失に計上する見込みである。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(28493.47、+336.50)
・シカゴ日経先物は上昇(28490、大阪比+70)
・1ドル=133.90-00円
・VIX指数は低下(17.07、-0.73)
・米原油先物は上昇(82.52、+0.36)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・脱炭素「多様な道筋で」石炭火力廃止年限、日本が難色
・首相演説直前に爆発、和歌山、筒投げた24歳男逮捕
・ロシア、招集令状電子化、改正法発効、着信後の出国禁止
・欧州、木星探査機打ち上げ成功、日本も参加
・中国、国際秩序に挑戦、EU外相「インド太平洋関与」
☆前場のイベントスケジュール
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《ST》
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