【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万8500円での底固めから、権利行使価格の2万8375円~2万8625円のレンジを想定
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28520 +100 (+0.35%)
TOPIX先物 2022.5 +7.5 (+0.37%)
シカゴ日経平均先物 28490 +70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目された米大手銀行の決算発表は、2023年1-3月期売上高と1株利益が市場予想を上回ったJPモルガン・チェース<JPM>が7.5%を超える大幅高となったほか、シティグループ<C>の決算も予想を上回り、銀行株に買いが向かった。ただし、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が、一段の金融引き締めが必要との考えを示したことが重荷となった。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする考えを示すなど、利上げ継続による景気悪化の懸念が強まり、軟調な相場展開だった。S&P500業種別指数は銀行、運輸、各種金融が上昇した一方で、不動産、ヘルスケア機器・サービス、公益事業が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比70円高の2万8490円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円高の2万8460円で始まり、2万8390円~2万8490円辺りでこう着。米国市場の開始直後には2万8580円まで買われる場面が見られた。買い一巡後は軟化し2万8320円まで売られたものの、終盤にかけてリバウンドが強まり、2万8520円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、2万8500円を挟んだこう着感の強い相場展開になりそうだ。米国市場はFRBのウォラー理事の発言をきっかけに利上げ継続による景気悪化への懸念が強まった。足もとで予想を下回る経済指標の発表が相次ぐなか、次回FOMCでの利上げ停止への期待感もあったため、ロングポジションを圧縮する動きにつながったようだ。ただし、0.25%の追加利上げがコンセンサスだったこともあり、売り圧力が強まる流れにはならないだろう。
VIX指数は17.07に低下し、シリコンバレーバンク破綻による信用不安が強まった3月半ばの30.81から、昨年1月以来の水準まで低下してきた。米利上げ観測や景気後退懸念などが燻るなかで低下傾向を続けていることもあり、リスク回避姿勢には向かわない。日経225先物は先週の上昇で3月高値を突破し、節目の2万8500円回復したこともあって、目先的な達成感からショートが強まる局面では、その後のリバウンドを狙った押し目狙いのロング対応になりそうだ。投資家の関心が集まっていた米大手銀行の決算が予想を上回ったことから、センチメントは改善に向かうとみておきたい。
日経225先物は14日取引終了後のナイトセッションで、一時2万8580円まで買われ、昨年8月17日に付けた2万8570円を突破してきた。2万8500円処での底固めから、今後は2021年11月高値の2万8770円が意識されてこよう。先週のリバウンドでボリンジャーバンドの+2σが位置する2万8640円に接近してきた。本日のところはオプション権利行使価格の2万8500円を中心とした上下の権利行使価格である2万8375円~2万8625円のレンジを想定する。2万8500円を上回って推移するようだと、2万8500円~2万8750円のレンジに切り上がり、21年11月高値が意識されてきそうだ。
なお、先週のNT倍率は先物中心限月で14.10倍だった。一時14.12倍まで上昇し、上値抵抗線として意識されていた200日線を上回る場面も見られた。手口面では海外勢によるNTロングの動きが観測されていた。本日は先週、指数をけん引したファーストリテイリング <9983> [東証P]のインパクトが限られるほか、米大手銀行の決算を受けたメガバンクの上昇が期待されることにより、いったんはNTロングの巻き戻しが優勢になりそうだ。
株探ニュース