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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 短期過熱感からの調整は想定内、2万8000円処での押し目狙いのロングスタンスは継続


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28090 -170 (-0.60%)
TOPIX先物 2006.5 -13.5 (-0.66%)
シカゴ日経平均先物 28090 -170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 4日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。2月の米雇用動態調査(JOLT)は、求人件数が1000万件を下回り、2021年5月以来、約2年ぶりの低水準となったことが嫌気された。JOLTの発表を受けて米長期金利が低下し、ハイテク株の一角が買われる場面も見られたが、米景気の後退懸念が強まるなか、景気敏感株を中心に売りが広がった。NYダウは前日までの4営業日続伸で1200ドルあまり上昇し、上値抵抗線として意識されていた75日移動平均線を突破していたこともあり、利益確定の売りが出やすかった。S&P500業種別指数は電気通信サービス、公益事業、小売が上昇した一方で、資本財、銀行、エネルギーが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比170円安の2万8090円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比変わらずの2万8260円で始まり、その後は緩やかなリバウンド基調を継続し、2万8330円まで買われた。しかし、米国市場の取引開始後に軟化し下落に転じると、ショート優勢の流れのなかで2万8000円まで売られた。売り一巡後は2万8040円~2万8110円辺りのレンジで推移し、2万8090円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。ナイトセッションでは軟化する局面で2万8000円を割り込まず、同水準に位置するボリンジャーバンド+1σが支持線として機能しており、2万8000円近辺での押し目狙いのロングスタンスは継続と考えられる。米国市場は、直近の強いリバウンドにより利食いも出やすい水準だった。日経225先物は前日まで8営業日続伸と短期過熱が警戒されやすく、調整は想定内といったところだろう。

 VIX指数は一時20.03まで切り上がる場面も見られたが、その後は落ち着いた動きで19.00と小幅な上昇だった。足もとで弱めの経済指標が続いたことで、米景気の先行き不透明感は強まっているものの、リスク回避の流れからポジションを圧縮する動きではない。

 ただ、米国では5日に3月のADP雇用統計やISM非製造業景況指数の発表を控え、様子見姿勢が強まるとみられるため、日経225先物は狭いレンジでのこう着が想定される。ボリンジャーバンド+1σを支持線としたオプション権利行使価格の2万8000円~2万8375円のレンジを想定する。積極的なロングは期待しづらい一方で、徐々に上値を切り上げてきている状況のなか、ショートカバーは入りやすい需給状況である。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。一時13.94倍まで低下した後は、同水準に位置する25日線を支持線にNTショートの巻き戻しが入った格好だろう。足もとでNT倍率は低下傾向にあるほか、米中対立への警戒から半導体関連株は手掛けづらいため、NTロングへの転換は見極めが必要であろうが、25日線が支持線として機能する局面では、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。

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