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【市況】今週の【早わかり株式市況】3週ぶり下落、金融不安が高まり投資家心理悪化

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント

 1.日経平均は3週ぶり下落、一時2万7000円台割り込む
 2.米SVB破綻、世界的にリスク回避ムード強まる
 3.米2月CPIは事前予想と一致、利上げ警戒感が後退
 4.クレディ・スイス経営不安で再びリスクオフ
 5.米銀支援策が明らかに、金融不安和らぎ急反発

■週間 市場概況

 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比810円(2.9%)安の2万7333円と、3週ぶりに下落した。

 今週は、世界的な金融不安の高まりから相場が大きく崩れた。米SVBの破綻が米国だけにとどまらず、欧州のクレディ・スイスの経営不安にまで飛び火する格好となってしまった。日経平均は週末に値を戻したものの、結局前週末比で800円余りの下落となった。

 週明け13日(月)の東京株式市場は、前週末の米シリコンバレーバンク(SVB)破綻による世界的な投資家心理の悪化を受け、リスクオフ一色の展開となった。銀行株が広範囲に売られたほか、為替の円高進行で自動車株など輸出セクターの一角に売りがかさみ、日経平均は一時500円を超える下げをみせた。14日(火)もリスクオフの地合いが継続、日経平均は終値で600円超安に売り込まれた。米銀行の相次ぐ経営破綻を背景に金融システムに影響が及ぶことへの不安が高まり、投資家の見切り売りが出た。15日(水)は一転、朝方買い先行でスタートしたが、その後買いが続かなかった。前日の米国株市場では注目された2月の消費者物価指数(CPI)が事前予想とほぼ一致し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する警戒感が後退。これが東京市場でも追い風となったが、戻り待ちの売りが厚かった。16日(木)は再びリスク回避ムードが強まった。日経平均は一時2万7000円台を割り込んだ。前日の欧米の取引時間帯でスイスの金融大手クレディ・スイス<CS>の経営不安が取り沙汰され、東京市場でも警戒感が高まった。ただ、クレディ・スイスがスイス中銀から資金調達する方針を示したことが場中に伝わると、引けにかけて買い戻しが入った。17日(金)の東京市場はようやく下げ止まり、急反発。SVB破綻を機に資金繰り懸念が広がっていた他の米銀行への支援策が明らかとなり、ひとまず金融不安が和らいだ。

■来週のポイント
 来週は、金融不安が相場に与える影響の見極めが第一になりそうだ。金融当局の支援が迅速で手厚いことから、下落は一過性のものという認識が主流である。また、21日~22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回の金融不安を踏まえてどういった内容となるか、市場の関心は高い。

 重要イベントとしては、国内では24日朝に発表される2月全国消費者物価指数が注目される。海外では、前述したFOMCのほか23日に発表される米国10-12月期経常収支と2月新築住宅販売件数に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月13日~3月17日)

【↓】   3月13日(月)―― 続落、米金融機関の破綻受け2万8000円割れ
 日経平均 27832.96( -311.01)  売買高14億7769万株 売買代金 3兆1285億円

【↓】   3月14日(火)―― 3日続落、相次ぐ米銀破綻でリスク回避の売り継続
 日経平均 27222.04( -610.92)  売買高19億0967万株 売買代金 3兆9041億円

【↑】   3月15日(水)―― 4日ぶり小反発、朝高も後半は戻り売りに押される
 日経平均 27229.48( +7.44)  売買高13億4537万株 売買代金 2兆9621億円

【↓】   3月16日(木)―― 反落、欧米株波乱を受けリスク回避の売り優勢
 日経平均 27010.61( -218.87)  売買高16億5488万株 売買代金 3兆5488億円

【↑】   3月17日(金)―― 急反発、米金融不安後退を好感し買い優勢
 日経平均 27333.79( +323.18)  売買高16億4105万株 売買代金 3兆6788億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、31業種が値下がり
 (2)米金融不安背景に第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が値下がり率上位
 (3)輸出株はトヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械が大きく売られた
 (4)大成建 <1801> など建設、三井不 <8801> など不動産、日本郵政 <6178> などサービスといった内需株も安い
 (5)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄、三井物 <8031> など商社といった資源株も大幅安
 (6)全セクター中、第一三共 <4568> など医薬品と東武 <9001> など陸運のみが上昇

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(1) 人工知能
  2(30) 銀行 ── 米銀行の相次ぐ破綻で視線集中
  3(4) パワー半導体
  4(3) 半導体
  5(24) 化粧品 ── 脱マスクとインバウンド需要が追い風
  ※カッコは前週の順位


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