【経済】【クラファン】日本の陶磁器を世界へ発信! 職人と顧客をつなぐプラットフォーム運営 ゆうらホールディングス、2月18日募集開始
陶磁器職人と国内外の顧客をつなぐプラットフォームを運営するゆうらホールディングス株式会社(東京都千代田区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは2月18日10時開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
「生活にアートの心地よさを提供する」
ゆうらホールディングスは、日本の伝統的工芸品である陶磁器を作る職人と国内外の顧客をダイレクトにつなぐプラットフォーム「匠ワンストップ」を運営するベンチャー企業です。
ワンストップ流通により、職人から顧客への流通期間の短縮やコストの削減が可能になり、職人の利益率を上げることに成功、また、同社が顧客と直接関わり、製品購入後の評価や要望などのマーケティング要素を職人にフィードバックすることで、作品作りにも生かされているといいます。
同社は日本各地の職人と連携し、販路開拓やブランディングを担いながら、D2C(消費者直接取引)で世界中の陶芸ファンに製品を届けています。
(出典:FUNDINNO)
活動拠点として、神田(東京都千代田区)のほか、有明(東京都江東区)や神戸市にもショールーム(販売店)を構え、法人営業やECサイト運営などを行い、これまでに約140社と取引を実施。2021年度は累計約5000個の製品を販売し、売上高約1億円を記録しています。
(出典:FUNDINNO)
ECサイトについては、職人と顧客をダイレクトにつなぎ、D2Cの形で陶磁器をセミオーダー方式で安価に注文できる仕組みを構築。また現在、ショールームを3D化したバーチャルショールームの開発も進めており、2023年内に公開する計画です。
「テクノロジーを活用することで、日本の伝統的工芸品を人々の生活により身近にするための流通プラットフォームを構築して、市場の活性化に貢献したいと考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
今年1月、フランスで開催された欧州最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」にオンラインで参加し、世界販売の加速に向けた新たな取引先を発掘。このようなつながりを活用し、2025年にルクセンブルクでショールーム開設を予定しており、欧州各地に製品を流通させる起点としたい考えです。
「弊社の目標は『お客さまと一緒にお客さまの生活にアートの心地よさを提供する』です。日本には歴史ある伝統工芸が数多く存在します。弊社は生活の中で大きな比重を持つ『食』や『住』の空間に、今以上に日本の職人の技を融合させていきたいと考えています」(同社)
前回からの進捗
(1)2021年度の売上高約1億円を達成、過去最高益を記録
2021年度(2022年6月期)の売上高は約1億円で計画値の約100%を達成、創業以来、最高の売上高となった一方、渡航制限により、海外での営業活動を控えてその分、国内販売に注力したため、海外売上は計画を下回る結果でした。
売上高が伸びた理由としては、2022年3月に全国放送のテレビ番組で神田のショールームが紹介され、全国的に認知度が高まり、ECサイトのアクセス数が急増。また、都内の百貨店で展示販売会を実施するなどして製品のPRを行い、新しい法人の販売先を獲得できたことなども要因だといいます。
一方、2022年度上半期の進捗は売上計画を下回っており、理由としては、現在進行中のバーチャルショールームの開発にリソースを割いたことなどで、マーケティングや営業活動に注力できなかったとしています。
下半期は百貨店やセレクトショップでの出店など、自社での初期投資や人員を極力用いない形で店舗展開に注力するとともに、法人顧客への卸売や贈答品の販売など法人営業にリソースを割くことで挽回したい考えです。
(2)事業規模拡大で契約職人数や商品数が増加
神田のショールームに続き、2022年6月末に有明ガーデン、同年10月に神戸市と2カ所の拠点をオープン。各店舗周辺の住民に陶磁器の魅力を直接伝えることで、新たなファンや取引先を獲得したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
また、ショールームの規模を拡大するとともに、取り扱う商品の数も増加。提携する職人も前回募集時(2021年11月)の46人から69人まで増え、萬古焼、有田焼、美濃焼などの商品数も増加しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
同社はECサイトの多言語化や製品画像の3D化、バーチャルショールームの開発を進めるなど、自社ECサイトを強化してきており、今後も、オフライン(現地ショールーム)とオンライン(越境EC)それぞれの強み・弱みを補完し合いながら海外展開を進めていく計画です。
(3)国内外のテーブルウェア展示会に出展、認知度を拡大
2023年をめどに、欧州における拠点の設置を計画していましたが、2022年は渡航制限などで海外出張が行えず、プロジェクトのスケジュールを見直したことに伴い、売上計画の値を修正しています。
一方、2023年1月19日~23日にフランスで開催された欧州最大級のインテリア&デザインの展示会「メゾン・エ・オブジェ」へのオンライン参加や、さまざまなテーブルウェアが一堂に会する日本最大級の器の祭典「テーブルウェア・フェスティバル」に出展したことで、現地の卸業者やデザイナーとつながりができ、海外展開や海外の流行をつかむためのきっかけを得ることができたといいます。
なお、今年から海外の拠点探しを再開し、2025年に欧州における拠点を設立する計画です。
「流通多重構造」がもたらす弊害
経済産業省「生産動態統計年報(資源・窯業・建材統計編)」(2021年)によると、台所・食卓用品を扱う陶磁器産業の国内生産額は1990年代をピークに縮小を続け、2020年は約211億円まで落ち込んでおり、同社は理由について、日本人の生活様式の変化や、長引く不況による内需不振、安価な外国製品の流入などが人々の生活に変化をもたらしたことと捉えています。
一方で現在、職人が作る陶磁器の多くは製造後に産地の卸問屋へ納品され、そこから都市圏など販売圏の卸問屋へ行き、その後、販売店に並んでようやく顧客の目に触れるため、職人と顧客双方のニーズも届きにくくなる上、仲介が入るほど製品の値段も変動し、相場も安定しないといいます。
(出典:FUNDINNO)
職人が自身で、製品を販売する流通網を構築するといっても、職人技が重要視される伝統工芸の世界では、それらすべての工程を1人で行うのは困難であり、これでは伝統的な技術が正当に評価されず、利益も減り、伝統を残すというモチベーションも下がりかねないと同社は考えています。
「日本の古き良き伝統的工芸品を未来に残すためにも、この市場を変革させる必要があると強く感じています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「匠ワンストップ」で「販売」「企画」の機会を提供
同社は、伝統的工芸品の流通を活性化させるD2C型の「匠ワンストップ」事業を2016年から開始。市場のニーズやトレンドに適した陶磁器の販売を支援することで、職人の確かな技術を届け、顧客と職人、同社でwin-winの関係を築き、伝統工芸の市場を活性化させたいと考えています。
「匠ワンストップ」は職人に「販売」「企画」を行う機会を提供するもので、主にオフラインとオンラインの2軸の事業を展開中です。
(出典:FUNDINNO)
オフライン事業では、これまでのような流通多重構造を作らず、プラットフォーム上で職人と顧客を直接つなぎ、製品について細かい調整を行って、製品の流通や納品までを同社がワンストップで担います。
ワンストップ流通により、流通期間の短縮やコスト削減が可能になり、職人の利益率は従来より約30%上がっているといいます。
また、同社が顧客と直接関わることで、製品購入後の評価や要望などのマーケティング要素を職人にフィードバックすることで、作品作りにも生かされているそうです。
オンライン事業では、越境ECサイトを活用した通販サービスを展開しています。
世界中の人に日本の陶磁器を楽しんでもらえるよう、個人向けの自社ECサイトでの販売や、海外の法人向けのオンライン商談ルームなどを運営。ECサイトは実際に現物を手に取って確認できないため、形や質感をイメージしやすいよう、製品画像を3D化して表示するなどの工夫もしています。
現在、サイトを訪れる顧客に陶磁器の魅力をより感じてもらおうと、陶磁器のショールームを一棟3D化したバーチャルショールームも構築中です。
(出典:FUNDINNO)
ショールームを活用し、高い粗利率を実現
手作りの陶磁器は一つ一つが異なった質感、デザインであるため、従来のECサイトのような平坦な画像では製品の魅力を十分に伝えられないといい、同社は2023年6月公開をめどにバーチャルショールームを開発しています。
これはリアルなショールームをオンライン上で忠実に再現したもので、1階はリアルタイムに職人と交流できるイベントスペース、2階はジャンル分けされた各部屋に製品が数多く陳列されたショールームとなる予定です。
製品画像には、360度眺めることが可能な3Dビューシステムを用いるなど、現物に触れられなくてもイメージしやすいよう工夫をこらしているそうです。
同社の流通ルートで販売する製品は、粗利率が平均約58%と他社よりも高い利率を保持しており、職人が一つ一つ手作りした製品を適正な価格で販売するにはショールームの活用が有効だといいます。
陶器や陶磁器は手作り製品であるため、希少な製品は高値で取引が行われるといい、同社でも単価の高い製品をショールームで扱う機会があり、そのような場合は、高価な製品を好むコレクターとのネットワークを活用しているそうです。
神田の店舗のほか、昨年オープンした有明、神戸の2店舗を合わせると、昨年は1日約50人が来店し、1カ月で約600個の陶磁器が購入されています。
「今後は多拠点での活動を行い、ビジネスの幅を広げて、日本の魅力ある陶器・陶磁器の流通量を国内外へと増やすことで、生産量を増やし、市場を活性化していきたいと考えています」(同社)
日本の陶磁器文化や職人を守るには販売先の確保が欠かせないため、同社は販売網拡充の施策として、国内外の展示会にも積極的に参加しています。また、陶芸の職人や若い工芸品クリエイターを支援する活動も行っており、職人向けの作品展示イベントなども開催しています。
今後の成長に向けて
(1)日本の伝統文化を盛り上げる施策を実施
2023年3月、有明の店舗で新しい企画を計画しています。子ども向けの、転写シートを用いた陶磁器への絵付体験で、これからの時代を担う子どもたちに、日本の伝統工芸に触れてもらう機会を創出したい意図によるものです。
将来的には「伝統工芸品と食」をコラボさせた専門飲食店の運営も検討しており、そこでは、同社が取り扱っている陶磁器を日本の和食や和菓子などで彩り、器の使い方や楽しみ方も一緒に提案することで購買行動を後押しする狙いです。
(出典:FUNDINNO)
また、日本には陶磁器のほか、漆器や切り子など数百年前から継承されてきた伝統工芸品が多く存在するため、将来的には、日本各地のさまざまな伝統的工芸品を取り扱えるようにしたいといいます。
(2)欧州に現地ショールーム開設、日本の魅力を世界に売り込む
同社は陶磁器の日本輸出入者標準コードを2017年に取得しており、この資格と知見を生かし、2025年をめどに欧州に現地法人を設立して、海外ショールームを開設したい考えです。
欧州では1700年代中盤から陶磁器文化が普及し、現在、フランスから日本に輸出される日用使いの陶磁器の年間総出荷額は4億円超の規模になっているそうです(日本貿易振興機構)。
「この陶磁器の文化が成熟した地において、日本の陶磁器の文化を発信し、有名美術展などへの出展と絡めて現地での知名度向上を計画しています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2028年に国内年間販売数14万個以上を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、エンジェル投資家やFUNDINNO第1回目の投資家などから出資を受けています。
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ジェネレーションパス <3195> [東証G]
・ベガコーポレーション <3542> [東証G]
・ロコンド <3558> [東証G]
・BASE <4477> [東証G]
・Waqoo <4937> [東証G]
・クラシコム <7110> [東証G]
株主優待
【基準日】
毎年11月末日
【優待内容】
(出典:FUNDINNO)
優待(1)
同社直営ショールーム、または同社公式ECサイトで商品を購入した人に特典として、「ゆうらオリジナル陶器セット」を贈呈(※1人1度まで)
優待(2)
【1~16株保有】
商品10%OFFクーポン
【17~79株保有】
商品15%OFFクーポン
【80株以上保有】
商品20%OFFクーポン
【申し込み方法】
同社が運営するオンライショップ(https://you-la.jp/)、またはショールームで購入時に、株主優待を利用する旨を口頭や備考欄などで知らせる。
【注意事項】
※割引クーポンは優待基準日を基準に、1年間に何度でも利用可
※当優待は2023年11月末以降に利用可能な株主優待の内容
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
ゆうらホールディングス株式会社
東京都千代田区神田錦町三丁目21番地
資本金:22,892,500円(2023年1月6日現在)
発行済株式総数:34,370株(同)
発行可能株式総数:300,000株
設立日:2016年7月21日
決算日:6月30日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 佐々木歩美
代表取締役 髙木督
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 4,000株
■募集株式の払込金額
1株あたり 6,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額700万円を以下の目的に充てる予定
バーチャルショールーム開発費 300万円
店舗開店資金 285万円
手数料 115万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額1,699万円(目標募集額700万円と上限募集額2,400万円との差額)を以下の目的に充てる予定
バーチャルショールーム開発費 500万円
ECサイト開発費 100万円
人件費 603万円
新商品開発 215万円
手数料 280万円
■投資金額のコース及び株数
96,000円コース(16株)
192,000円コース(32株)
288,000円コース(48株)
384,000円コース(64株)
480,000円コース(80株)
960,000円コース(160株)
1,920,000円コース(320株)
3,840,000円コース(640株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、480,000円コース(80株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、3,840,000円コース(640株)を上限とする。
■申込期間
2023年2月18日~2月28日
■目標募集額
7,008,000円(上限募集額 24,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は19,200,000円とする。
■払込期日
2023年3月24日
■連絡先
ゆうらホールディングス株式会社
電話番号:03-5577-2101
メールアドレス:info@you-la.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼【第2回】<2021年度売上高・約1億円>伝統的工芸品の職人と消費者をスマートに繋ぐD2Cビジネスモデルで世界中に日本の匠技を届ける
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:700万8000円、上限募集額:2400万円 |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 3回目(前回は2128万5000円調達) |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B) |
・ | 株主優待あり:直営ショールーム、または公式ECサイトで商品を購入した人に「ゆうらオリジナル陶器セット」贈呈など |
・ | みなし時価総額:2億622万円 |
・ | 類似上場企業:ジェネレーションパス <3195> [東証G]、ベガコーポレーション <3542> [東証G]、ロコンド <3558> [東証G]、BASE <4477> [東証G]、Waqoo <4937> [東証G]、クラシコム <7110> [東証G] |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
「生活にアートの心地よさを提供する」
ゆうらホールディングスは、日本の伝統的工芸品である陶磁器を作る職人と国内外の顧客をダイレクトにつなぐプラットフォーム「匠ワンストップ」を運営するベンチャー企業です。
ワンストップ流通により、職人から顧客への流通期間の短縮やコストの削減が可能になり、職人の利益率を上げることに成功、また、同社が顧客と直接関わり、製品購入後の評価や要望などのマーケティング要素を職人にフィードバックすることで、作品作りにも生かされているといいます。
同社は日本各地の職人と連携し、販路開拓やブランディングを担いながら、D2C(消費者直接取引)で世界中の陶芸ファンに製品を届けています。
(出典:FUNDINNO)
活動拠点として、神田(東京都千代田区)のほか、有明(東京都江東区)や神戸市にもショールーム(販売店)を構え、法人営業やECサイト運営などを行い、これまでに約140社と取引を実施。2021年度は累計約5000個の製品を販売し、売上高約1億円を記録しています。
(出典:FUNDINNO)
ECサイトについては、職人と顧客をダイレクトにつなぎ、D2Cの形で陶磁器をセミオーダー方式で安価に注文できる仕組みを構築。また現在、ショールームを3D化したバーチャルショールームの開発も進めており、2023年内に公開する計画です。
「テクノロジーを活用することで、日本の伝統的工芸品を人々の生活により身近にするための流通プラットフォームを構築して、市場の活性化に貢献したいと考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
今年1月、フランスで開催された欧州最大級の展示会「メゾン・エ・オブジェ」にオンラインで参加し、世界販売の加速に向けた新たな取引先を発掘。このようなつながりを活用し、2025年にルクセンブルクでショールーム開設を予定しており、欧州各地に製品を流通させる起点としたい考えです。
「弊社の目標は『お客さまと一緒にお客さまの生活にアートの心地よさを提供する』です。日本には歴史ある伝統工芸が数多く存在します。弊社は生活の中で大きな比重を持つ『食』や『住』の空間に、今以上に日本の職人の技を融合させていきたいと考えています」(同社)
前回からの進捗
(1)2021年度の売上高約1億円を達成、過去最高益を記録
2021年度(2022年6月期)の売上高は約1億円で計画値の約100%を達成、創業以来、最高の売上高となった一方、渡航制限により、海外での営業活動を控えてその分、国内販売に注力したため、海外売上は計画を下回る結果でした。
売上高が伸びた理由としては、2022年3月に全国放送のテレビ番組で神田のショールームが紹介され、全国的に認知度が高まり、ECサイトのアクセス数が急増。また、都内の百貨店で展示販売会を実施するなどして製品のPRを行い、新しい法人の販売先を獲得できたことなども要因だといいます。
一方、2022年度上半期の進捗は売上計画を下回っており、理由としては、現在進行中のバーチャルショールームの開発にリソースを割いたことなどで、マーケティングや営業活動に注力できなかったとしています。
下半期は百貨店やセレクトショップでの出店など、自社での初期投資や人員を極力用いない形で店舗展開に注力するとともに、法人顧客への卸売や贈答品の販売など法人営業にリソースを割くことで挽回したい考えです。
(2)事業規模拡大で契約職人数や商品数が増加
神田のショールームに続き、2022年6月末に有明ガーデン、同年10月に神戸市と2カ所の拠点をオープン。各店舗周辺の住民に陶磁器の魅力を直接伝えることで、新たなファンや取引先を獲得したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
また、ショールームの規模を拡大するとともに、取り扱う商品の数も増加。提携する職人も前回募集時(2021年11月)の46人から69人まで増え、萬古焼、有田焼、美濃焼などの商品数も増加しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
同社はECサイトの多言語化や製品画像の3D化、バーチャルショールームの開発を進めるなど、自社ECサイトを強化してきており、今後も、オフライン(現地ショールーム)とオンライン(越境EC)それぞれの強み・弱みを補完し合いながら海外展開を進めていく計画です。
(3)国内外のテーブルウェア展示会に出展、認知度を拡大
2023年をめどに、欧州における拠点の設置を計画していましたが、2022年は渡航制限などで海外出張が行えず、プロジェクトのスケジュールを見直したことに伴い、売上計画の値を修正しています。
一方、2023年1月19日~23日にフランスで開催された欧州最大級のインテリア&デザインの展示会「メゾン・エ・オブジェ」へのオンライン参加や、さまざまなテーブルウェアが一堂に会する日本最大級の器の祭典「テーブルウェア・フェスティバル」に出展したことで、現地の卸業者やデザイナーとつながりができ、海外展開や海外の流行をつかむためのきっかけを得ることができたといいます。
なお、今年から海外の拠点探しを再開し、2025年に欧州における拠点を設立する計画です。
「流通多重構造」がもたらす弊害
経済産業省「生産動態統計年報(資源・窯業・建材統計編)」(2021年)によると、台所・食卓用品を扱う陶磁器産業の国内生産額は1990年代をピークに縮小を続け、2020年は約211億円まで落ち込んでおり、同社は理由について、日本人の生活様式の変化や、長引く不況による内需不振、安価な外国製品の流入などが人々の生活に変化をもたらしたことと捉えています。
一方で現在、職人が作る陶磁器の多くは製造後に産地の卸問屋へ納品され、そこから都市圏など販売圏の卸問屋へ行き、その後、販売店に並んでようやく顧客の目に触れるため、職人と顧客双方のニーズも届きにくくなる上、仲介が入るほど製品の値段も変動し、相場も安定しないといいます。
(出典:FUNDINNO)
職人が自身で、製品を販売する流通網を構築するといっても、職人技が重要視される伝統工芸の世界では、それらすべての工程を1人で行うのは困難であり、これでは伝統的な技術が正当に評価されず、利益も減り、伝統を残すというモチベーションも下がりかねないと同社は考えています。
「日本の古き良き伝統的工芸品を未来に残すためにも、この市場を変革させる必要があると強く感じています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「匠ワンストップ」で「販売」「企画」の機会を提供
同社は、伝統的工芸品の流通を活性化させるD2C型の「匠ワンストップ」事業を2016年から開始。市場のニーズやトレンドに適した陶磁器の販売を支援することで、職人の確かな技術を届け、顧客と職人、同社でwin-winの関係を築き、伝統工芸の市場を活性化させたいと考えています。
「匠ワンストップ」は職人に「販売」「企画」を行う機会を提供するもので、主にオフラインとオンラインの2軸の事業を展開中です。
(出典:FUNDINNO)
オフライン事業では、これまでのような流通多重構造を作らず、プラットフォーム上で職人と顧客を直接つなぎ、製品について細かい調整を行って、製品の流通や納品までを同社がワンストップで担います。
ワンストップ流通により、流通期間の短縮やコスト削減が可能になり、職人の利益率は従来より約30%上がっているといいます。
また、同社が顧客と直接関わることで、製品購入後の評価や要望などのマーケティング要素を職人にフィードバックすることで、作品作りにも生かされているそうです。
オンライン事業では、越境ECサイトを活用した通販サービスを展開しています。
世界中の人に日本の陶磁器を楽しんでもらえるよう、個人向けの自社ECサイトでの販売や、海外の法人向けのオンライン商談ルームなどを運営。ECサイトは実際に現物を手に取って確認できないため、形や質感をイメージしやすいよう、製品画像を3D化して表示するなどの工夫もしています。
現在、サイトを訪れる顧客に陶磁器の魅力をより感じてもらおうと、陶磁器のショールームを一棟3D化したバーチャルショールームも構築中です。
(出典:FUNDINNO)
ショールームを活用し、高い粗利率を実現
手作りの陶磁器は一つ一つが異なった質感、デザインであるため、従来のECサイトのような平坦な画像では製品の魅力を十分に伝えられないといい、同社は2023年6月公開をめどにバーチャルショールームを開発しています。
これはリアルなショールームをオンライン上で忠実に再現したもので、1階はリアルタイムに職人と交流できるイベントスペース、2階はジャンル分けされた各部屋に製品が数多く陳列されたショールームとなる予定です。
製品画像には、360度眺めることが可能な3Dビューシステムを用いるなど、現物に触れられなくてもイメージしやすいよう工夫をこらしているそうです。
同社の流通ルートで販売する製品は、粗利率が平均約58%と他社よりも高い利率を保持しており、職人が一つ一つ手作りした製品を適正な価格で販売するにはショールームの活用が有効だといいます。
陶器や陶磁器は手作り製品であるため、希少な製品は高値で取引が行われるといい、同社でも単価の高い製品をショールームで扱う機会があり、そのような場合は、高価な製品を好むコレクターとのネットワークを活用しているそうです。
神田の店舗のほか、昨年オープンした有明、神戸の2店舗を合わせると、昨年は1日約50人が来店し、1カ月で約600個の陶磁器が購入されています。
「今後は多拠点での活動を行い、ビジネスの幅を広げて、日本の魅力ある陶器・陶磁器の流通量を国内外へと増やすことで、生産量を増やし、市場を活性化していきたいと考えています」(同社)
日本の陶磁器文化や職人を守るには販売先の確保が欠かせないため、同社は販売網拡充の施策として、国内外の展示会にも積極的に参加しています。また、陶芸の職人や若い工芸品クリエイターを支援する活動も行っており、職人向けの作品展示イベントなども開催しています。
今後の成長に向けて
(1)日本の伝統文化を盛り上げる施策を実施
2023年3月、有明の店舗で新しい企画を計画しています。子ども向けの、転写シートを用いた陶磁器への絵付体験で、これからの時代を担う子どもたちに、日本の伝統工芸に触れてもらう機会を創出したい意図によるものです。
将来的には「伝統工芸品と食」をコラボさせた専門飲食店の運営も検討しており、そこでは、同社が取り扱っている陶磁器を日本の和食や和菓子などで彩り、器の使い方や楽しみ方も一緒に提案することで購買行動を後押しする狙いです。
(出典:FUNDINNO)
また、日本には陶磁器のほか、漆器や切り子など数百年前から継承されてきた伝統工芸品が多く存在するため、将来的には、日本各地のさまざまな伝統的工芸品を取り扱えるようにしたいといいます。
(2)欧州に現地ショールーム開設、日本の魅力を世界に売り込む
同社は陶磁器の日本輸出入者標準コードを2017年に取得しており、この資格と知見を生かし、2025年をめどに欧州に現地法人を設立して、海外ショールームを開設したい考えです。
欧州では1700年代中盤から陶磁器文化が普及し、現在、フランスから日本に輸出される日用使いの陶磁器の年間総出荷額は4億円超の規模になっているそうです(日本貿易振興機構)。
「この陶磁器の文化が成熟した地において、日本の陶磁器の文化を発信し、有名美術展などへの出展と絡めて現地での知名度向上を計画しています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2028年に国内年間販売数14万個以上を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、エンジェル投資家やFUNDINNO第1回目の投資家などから出資を受けています。
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ジェネレーションパス <3195> [東証G]
・ベガコーポレーション <3542> [東証G]
・ロコンド <3558> [東証G]
・BASE <4477> [東証G]
・Waqoo <4937> [東証G]
・クラシコム <7110> [東証G]
株主優待
【基準日】
毎年11月末日
【優待内容】
(出典:FUNDINNO)
優待(1)
同社直営ショールーム、または同社公式ECサイトで商品を購入した人に特典として、「ゆうらオリジナル陶器セット」を贈呈(※1人1度まで)
優待(2)
【1~16株保有】
商品10%OFFクーポン
【17~79株保有】
商品15%OFFクーポン
【80株以上保有】
商品20%OFFクーポン
【申し込み方法】
同社が運営するオンライショップ(https://you-la.jp/)、またはショールームで購入時に、株主優待を利用する旨を口頭や備考欄などで知らせる。
【注意事項】
※割引クーポンは優待基準日を基準に、1年間に何度でも利用可
※当優待は2023年11月末以降に利用可能な株主優待の内容
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
ゆうらホールディングス株式会社
東京都千代田区神田錦町三丁目21番地
資本金:22,892,500円(2023年1月6日現在)
発行済株式総数:34,370株(同)
発行可能株式総数:300,000株
設立日:2016年7月21日
決算日:6月30日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 佐々木歩美
代表取締役 髙木督
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 4,000株
■募集株式の払込金額
1株あたり 6,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額700万円を以下の目的に充てる予定
バーチャルショールーム開発費 300万円
店舗開店資金 285万円
手数料 115万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額1,699万円(目標募集額700万円と上限募集額2,400万円との差額)を以下の目的に充てる予定
バーチャルショールーム開発費 500万円
ECサイト開発費 100万円
人件費 603万円
新商品開発 215万円
手数料 280万円
■投資金額のコース及び株数
96,000円コース(16株)
192,000円コース(32株)
288,000円コース(48株)
384,000円コース(64株)
480,000円コース(80株)
960,000円コース(160株)
1,920,000円コース(320株)
3,840,000円コース(640株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、480,000円コース(80株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、3,840,000円コース(640株)を上限とする。
■申込期間
2023年2月18日~2月28日
■目標募集額
7,008,000円(上限募集額 24,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は19,200,000円とする。
■払込期日
2023年3月24日
■連絡先
ゆうらホールディングス株式会社
電話番号:03-5577-2101
メールアドレス:info@you-la.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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