【経済】【クラウドファンディング】介護従事者のコミュニケーション円滑化&業務効率化を支援! Liaison Design、2月11日募集開始
介護従事者のコミュニケーション円滑化などを支援するシステムを手掛けるLiaison Design株式会社(長崎市江川町)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは2月11日10時開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
「自立支援」中心の介護を増やす
Liaison Designは「自立支援(介護が必要な利用者の自主性を尊重し、自立した生活ができるように支援する介護)」を中心とした介護を増やしていくため、介護従事者間のコミュニケーションの円滑化と業務効率化を支援するシステム「iTherapy(アイセラピー)」を開発しています。
本店所在地の長崎県から、今後の成長が期待できる「長崎県ネクストリーディング企業」と認定され、全面的な支援を受けており、地元企業との連携を軸として、すでに全国27カ所の事業所に導入されているといいます(2023年1月時点)。
(出典:FUNDINNO)
一般的に「介護」というと、寝たきりで何もできない人を世話するイメージを持つ人が多いものの、それは実際の介護現場の一部であり、多くの場合、介護サービス利用者に適切なサービスを提供できれば、利用者の身体機能の現状維持や改善が見込めると同社は考えています。
同社は、利用者一人一人に合った適切な介護サービスを提供し、自立支援を促すために「iTherapy」を開発しています。
「iTherapy」は、介護従事者ができるだけ簡単に使えるよう、利用フローはシンプルになっており、具体的には、利用者の様子を介護従事者が動画で撮影してシステムにアップロードし、利用者の状態や必要な支援を140項目の「iTherapyコード」と結び付けるというものです。
それによって、現場で把握できる利用者の情報を複数の介護従事者間で直感的かつスムーズに共有できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
さらに「iTherapy」で取得したデータをもとに、利用者の情報を集約した介護計画書や報告書をAI(人工知能)によってワンタッチで作成することも可能で、これにより、書類作成などに割いていた時間を約64.5%削減(同社調べ)でき、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化によって、介護従事者の労働環境を改善できるそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社代表の川副巧成氏は約26年間、理学療法士として介護サービスの現場に携わっており、同社は「iTherapy」を通じて、介護従事者が本来のやるべき介護に集中できる環境を作り、介護の社会価値を高めていきたいと考えています。
同社は介護施設を持っているため、現場の課題や介護従事者のニーズを把握できており、「iTherapy」の開発にもそれらの経験が生きているそうです。
(出典:FUNDINNO)
「iTherapy」導入に際しては、「IT導入補助金(2023年度から適用予定の、中小企業や小規模事業者が課題に合ったITツールを導入する経費の一部を補助する制度)」の活用を準備中で、さらに、導入後は、介護報酬の一つである「生活機能向上連携加算(共同してアセスメント、利用者の身体の状況などの評価及び個別機能訓練計画の作成を行うことで加算される介護報酬)」を効率良く算定できるメリットもあるといいます。
「今後も、国による自立支援介護の強化によって、自立支援に対する介護報酬がより加算される方向に進むと考えています」(同社)
Liaison Designが「解決したい課題」
同社は「解決したい課題」として、以下の2つを挙げています。
(1)「お世話中心」の介護から、「自立支援中心」の介護への転換
「寝たきりで何もできない人の身の回りのお世話をする」介護では、利用者自身も介護従事者に任せきりになる例が多く、結果的に、けがや寝たきりなど機能低下に陥る恐れがあるため、同社は「できないこと」に焦点を当てた、お世話中心の介護を変え、「今できていること」「訓練すればできるようになること」に着目した、自立支援中心の介護サービスを増やしていきたい考えです。
2022年10月現在、「要介護5(ほぼ寝たきりであることが多く、日常生活全般において全面的な介助が必要である状態)」の認定者は介護認定者全体の約9%(厚生労働省)。初期段階で、これらの人の状態を適切に分析すれば、一人一人に最適と思われる介護サービスを提供でき、多くの人は身体機能の維持や改善が期待できると同社は考えています。
(出典:FUNDINNO)
(2)介護のスキルや経験が属人化、現場での情報共有に課題
自立支援介護を行うためには、介護サービスの現場が抱える課題も同時に解決していく必要があると同社は考えています。
介護の現場では、ベテランの介護従事者のスキルや経験が属人化し、若手人材に伝わりづらいなどの課題があるほか、たとえ、利用者に機能改善の経過が見られたとしても、その情報が介護に関わる全員に共有されにくいため、サービスに携わる介護従事者自身が、やりがいを感じにくくなっている現状もあるといいます。
同社は介護従事者だけでなく医師や理学療法士など、1人の利用者に関わるすべての人を1つのチームと捉えて情報共有を最適化し、これまでブラックボックスになりがちだった「利用者の状態」を可視化することで、介護従事者のスキルアップややりがいの向上につながるのではないかと考えています。
「今後の日本はさらに高齢化が進み、介護サービスの利用者も増えていくことが予想されます。介護業界の人手不足も懸念される中で、自立支援介護を増やすことができれば、業界が抱えるさまざまな課題解決に結び付くのではないかと考えています」(同社)
利用者のできること、できないことを視覚情報で把握
同社によると、「iTherapy」の仕組みは簡単で、まず、介護サービス利用者の日常生活の様子を動画で撮影、システム上にアップロードします。取得した利用者の状態に対して必要な介護内容を、同社が独自に作成した140項目の「iTherapyコード」にひも付けることで、一人一人に最適と思われる介護サービスを判断しているそうです。
(出典:FUNDINNO)
「iTherapy」を導入することで、その利用者のできることとできないことを視覚情報によって正しく把握し、日常生活のどの部分までを介護従事者が支援すべきか判断しやすくなるといいます。
その利用者に必要なリハビリ内容を日常生活の中に取り入れることも容易になり、身体機能の維持や改善につなげることができるほか、医師や理学療法士なども、利用者に最適と思われる診断やアドバイスをしやすくなるというメリットもあるそうです。
また、「iTherapy」はPDFなどのデータを送付できるチャット・掲示板機能も搭載しており、介護施設内のスタッフ間や他施設とのコミュニケーションなどにも活用できます。
さらに、利用者を撮影した動画と「iTherapyコード」に基づき、関連情報を集約した介護計画書や報告書をAIによってワンタッチで作成することも可能です。
動画のアップロードと「iTherapyコード」の登録完了後、ボタンを押すだけで書類を出力できるため、周辺業務を大幅に削減できるといい、同社のグループ企業が運営する介護施設で「iTherapy」を活用したところ、書類作成業務にかかる時間を約64.5%短縮できたとしています。
現在は、動画と「iTherapyコード」のひも付けや、その後のアドバイスなどを手動で行っていますが、いずれは、この工程もAIに任せることができるよう開発を進めています。
全国約30万カ所の事業所と約234万人の介護従事者がターゲット
「iTherapy」は1ライセンスあたり月額1320円(税込み)で販売しており、職員数に応じた契約もできますが、介護事業所は少人数で運営しているところも多いため、事業所でのパッケージ契約にも対応しています。
例えば、事業所で30人分のライセンス契約を行う場合、月額3万9600円(同)、年額47万5200円(同)の利用料となる試算です。
また、2023年度から適用される予定の「IT導入補助金」を活用することによる「iTherapy」の導入も準備中で、さらに、「iTherapy」は介護報酬の一つである「生活機能向上連携加算」を利用できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
2023年度中に、長崎県内の対象事業所の約3%に相当する約80事業所への導入を目指したい考えです。
同社が狙う国内の市場規模は、全国約30万カ所の事業所と約234万人の介護従事者で、「iTherapy」の販売戦略としては、まずは同社所在地である長崎県を中心に九州地方へと拡大、その後、東京・大阪などの大都市圏から全国への展開を想定しています。
長崎県を中心とした九州での展開では、長崎県庁の支援を受けながら、地元企業や金融機関との連携をもとに販路を広げていく計画で、医薬品や介護用品の卸売を行う東七株式会社との協業を進めており、同社が強みとする医療法人系列の介護施設などの介護従事者に向けた販売を強化する予定です。
全国展開については、同社代表のネットワークや、介護事業を立ち上げた起業家が集う「特定非営利活動法人全国在宅リハビリテーションを考える会」とのつながりをもとに販路拡大を行うとしています。
また、多くの介護事業所はIT化が遅れているため、販売にあたっては導入コンサルティングも必要だといいます。
「iTherapy」導入サポートだけでなく、自立支援介護を行うためのアドバイスまで含めて対応できる理学療法士などの専門職を「iTherapist(アイセラピスト)」として育成し、介護現場で柔軟なサポートが行えるよう、体制を整えていく計画です。
同社は、グループ内に介護施設を保有し、現場の課題感やニーズをリアルに把握できる強みを生かし、システムのUI/UXは現場の介護従事者が使いやすいよう、できるだけシンプルな手順にこだわって開発しているといいます。
忙しい介護現場でも継続的に利用してもらえるよう、1つの機能に対して、手順を3ステップ以内で終えられるようにし、直感的に使用できるインターフェースを追求したそうです。
今後の成長に向けて
(1)システムの機能拡充を行い、BtoC向けの新市場を開拓
同社は1年後をめどに「iTherapy」の機能をスケールアップさせていきたい考えです。
具体的には、AI活用による動画のコードひも付けの自動化や、利用者の状況に合わせて最適なアドバイスをレコメンドするなどの機能を追加し、3年後には、アップロードされた動画の解析や音声分析などを行い、利用者の状況を動画から分析して、介護計画の自動作成システムまで構築したいといいます。
「『iTherapy』によって、一人一人に最適と思われる介護サービスが分かれば、個人宅でも家族が自立支援介護を行うことができ、BtoC向けの新たな市場の開拓にもつながると考えています」(同社)
(2)介護人材の教育分野や海外市場への展開も
介護事業所で「iTherapy」による情報共有がうまく進めば、現場の様子を直感的に理解でき、ベテランの介護従事者が経験則で判断していたものを、より分かりやすく、若手の従事者へと伝えることができるといいます。
介護施設での教育・研修における使用のほか、外国人の介護従事者への教育や専門学校での授業などでも活用できるといい、現在、東京都の介護関係の専門学校で、2023年度のカリキュラムで「iTherapy」を導入してもらえるよう調整中です。
また、国内基盤が整えば、いずれは海外展開も行いたいといいます。2020年の世界のヘルスケア介護市場は約1112億米ドルで、2027年までに11.2%以上の成長率で拡大すると予想されているそうです(REPORTOCEAN)。
(3)将来的なEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2029年に14万以上の契約ライセンス数を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・エクサウィザーズ <4259> [東証G]
・サイエンスアーツ <4412> [東証G]
・BCC <7376> [東証G]
・CYBERDYNE <7779> [東証G]
・ケアネット <2150> [東証G]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
Liaison Design株式会社
長崎市江川町113番地
資本金:1,000,000円(2023年1月10日現在)
発行済株式総数:100株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2021年5月31日
決算日:3月31日
※2023年1月30日を効力発生日として、1株を25株とする株式分割に伴う発行済株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は2,500株となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 川副巧成
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 380株
■募集株式の払込金額
1株あたり 100,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額950万円を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 600万円
人材育成費 100万円
サーバー等維持費 41万円
手数料 209万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額2,850万円(目標募集額950万円と上限募集額3,800万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 1,800万円
人材育成費 300万円
サーバー等維持費 123万円
手数料 627万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(1株)
200,000円コース(2株)
300,000円コース(3株)
400,000円コース(4株)
500,000円コース(5株)
1,000,000円コース(10株)
1,500,000円コース(15株)
2,000,000円コース(20株)
2,500,000円コース(25株)
3,000,000円コース(30株)
3,500,000円コース(35株)
4,000,000円コース(40株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(5株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,000,000円コース(40株)を上限とする。
■申込期間
2023年2月11日~2月17日
■目標募集額
9,500,000円(上限募集額 38,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は30,000,000円とする。
■払込期日
2023年3月13日
■連絡先
Liaison Design株式会社
電話番号:095-832-5500
メールアドレス:info@liaisondesign.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼【長崎県も応援!】現役理学療法士が開発。AIを活用した140項目のコードで介護現場のDX化を促進する介護従事者支援システム「iTherapy」
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:950万円、上限募集額:3800万円 |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置A) |
・ | みなし時価総額:2億5000万円 |
・ | 類似上場企業:エクサウィザーズ、サイエンスアーツ、BCC、CYBERDYNE、ケアネット |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
「自立支援」中心の介護を増やす
Liaison Designは「自立支援(介護が必要な利用者の自主性を尊重し、自立した生活ができるように支援する介護)」を中心とした介護を増やしていくため、介護従事者間のコミュニケーションの円滑化と業務効率化を支援するシステム「iTherapy(アイセラピー)」を開発しています。
本店所在地の長崎県から、今後の成長が期待できる「長崎県ネクストリーディング企業」と認定され、全面的な支援を受けており、地元企業との連携を軸として、すでに全国27カ所の事業所に導入されているといいます(2023年1月時点)。
(出典:FUNDINNO)
一般的に「介護」というと、寝たきりで何もできない人を世話するイメージを持つ人が多いものの、それは実際の介護現場の一部であり、多くの場合、介護サービス利用者に適切なサービスを提供できれば、利用者の身体機能の現状維持や改善が見込めると同社は考えています。
同社は、利用者一人一人に合った適切な介護サービスを提供し、自立支援を促すために「iTherapy」を開発しています。
「iTherapy」は、介護従事者ができるだけ簡単に使えるよう、利用フローはシンプルになっており、具体的には、利用者の様子を介護従事者が動画で撮影してシステムにアップロードし、利用者の状態や必要な支援を140項目の「iTherapyコード」と結び付けるというものです。
それによって、現場で把握できる利用者の情報を複数の介護従事者間で直感的かつスムーズに共有できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
さらに「iTherapy」で取得したデータをもとに、利用者の情報を集約した介護計画書や報告書をAI(人工知能)によってワンタッチで作成することも可能で、これにより、書類作成などに割いていた時間を約64.5%削減(同社調べ)でき、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化によって、介護従事者の労働環境を改善できるそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社代表の川副巧成氏は約26年間、理学療法士として介護サービスの現場に携わっており、同社は「iTherapy」を通じて、介護従事者が本来のやるべき介護に集中できる環境を作り、介護の社会価値を高めていきたいと考えています。
同社は介護施設を持っているため、現場の課題や介護従事者のニーズを把握できており、「iTherapy」の開発にもそれらの経験が生きているそうです。
(出典:FUNDINNO)
「iTherapy」導入に際しては、「IT導入補助金(2023年度から適用予定の、中小企業や小規模事業者が課題に合ったITツールを導入する経費の一部を補助する制度)」の活用を準備中で、さらに、導入後は、介護報酬の一つである「生活機能向上連携加算(共同してアセスメント、利用者の身体の状況などの評価及び個別機能訓練計画の作成を行うことで加算される介護報酬)」を効率良く算定できるメリットもあるといいます。
「今後も、国による自立支援介護の強化によって、自立支援に対する介護報酬がより加算される方向に進むと考えています」(同社)
Liaison Designが「解決したい課題」
同社は「解決したい課題」として、以下の2つを挙げています。
(1)「お世話中心」の介護から、「自立支援中心」の介護への転換
「寝たきりで何もできない人の身の回りのお世話をする」介護では、利用者自身も介護従事者に任せきりになる例が多く、結果的に、けがや寝たきりなど機能低下に陥る恐れがあるため、同社は「できないこと」に焦点を当てた、お世話中心の介護を変え、「今できていること」「訓練すればできるようになること」に着目した、自立支援中心の介護サービスを増やしていきたい考えです。
2022年10月現在、「要介護5(ほぼ寝たきりであることが多く、日常生活全般において全面的な介助が必要である状態)」の認定者は介護認定者全体の約9%(厚生労働省)。初期段階で、これらの人の状態を適切に分析すれば、一人一人に最適と思われる介護サービスを提供でき、多くの人は身体機能の維持や改善が期待できると同社は考えています。
(出典:FUNDINNO)
(2)介護のスキルや経験が属人化、現場での情報共有に課題
自立支援介護を行うためには、介護サービスの現場が抱える課題も同時に解決していく必要があると同社は考えています。
介護の現場では、ベテランの介護従事者のスキルや経験が属人化し、若手人材に伝わりづらいなどの課題があるほか、たとえ、利用者に機能改善の経過が見られたとしても、その情報が介護に関わる全員に共有されにくいため、サービスに携わる介護従事者自身が、やりがいを感じにくくなっている現状もあるといいます。
同社は介護従事者だけでなく医師や理学療法士など、1人の利用者に関わるすべての人を1つのチームと捉えて情報共有を最適化し、これまでブラックボックスになりがちだった「利用者の状態」を可視化することで、介護従事者のスキルアップややりがいの向上につながるのではないかと考えています。
「今後の日本はさらに高齢化が進み、介護サービスの利用者も増えていくことが予想されます。介護業界の人手不足も懸念される中で、自立支援介護を増やすことができれば、業界が抱えるさまざまな課題解決に結び付くのではないかと考えています」(同社)
利用者のできること、できないことを視覚情報で把握
同社によると、「iTherapy」の仕組みは簡単で、まず、介護サービス利用者の日常生活の様子を動画で撮影、システム上にアップロードします。取得した利用者の状態に対して必要な介護内容を、同社が独自に作成した140項目の「iTherapyコード」にひも付けることで、一人一人に最適と思われる介護サービスを判断しているそうです。
(出典:FUNDINNO)
「iTherapy」を導入することで、その利用者のできることとできないことを視覚情報によって正しく把握し、日常生活のどの部分までを介護従事者が支援すべきか判断しやすくなるといいます。
その利用者に必要なリハビリ内容を日常生活の中に取り入れることも容易になり、身体機能の維持や改善につなげることができるほか、医師や理学療法士なども、利用者に最適と思われる診断やアドバイスをしやすくなるというメリットもあるそうです。
また、「iTherapy」はPDFなどのデータを送付できるチャット・掲示板機能も搭載しており、介護施設内のスタッフ間や他施設とのコミュニケーションなどにも活用できます。
さらに、利用者を撮影した動画と「iTherapyコード」に基づき、関連情報を集約した介護計画書や報告書をAIによってワンタッチで作成することも可能です。
動画のアップロードと「iTherapyコード」の登録完了後、ボタンを押すだけで書類を出力できるため、周辺業務を大幅に削減できるといい、同社のグループ企業が運営する介護施設で「iTherapy」を活用したところ、書類作成業務にかかる時間を約64.5%短縮できたとしています。
現在は、動画と「iTherapyコード」のひも付けや、その後のアドバイスなどを手動で行っていますが、いずれは、この工程もAIに任せることができるよう開発を進めています。
全国約30万カ所の事業所と約234万人の介護従事者がターゲット
「iTherapy」は1ライセンスあたり月額1320円(税込み)で販売しており、職員数に応じた契約もできますが、介護事業所は少人数で運営しているところも多いため、事業所でのパッケージ契約にも対応しています。
例えば、事業所で30人分のライセンス契約を行う場合、月額3万9600円(同)、年額47万5200円(同)の利用料となる試算です。
また、2023年度から適用される予定の「IT導入補助金」を活用することによる「iTherapy」の導入も準備中で、さらに、「iTherapy」は介護報酬の一つである「生活機能向上連携加算」を利用できるといいます。
(出典:FUNDINNO)
2023年度中に、長崎県内の対象事業所の約3%に相当する約80事業所への導入を目指したい考えです。
同社が狙う国内の市場規模は、全国約30万カ所の事業所と約234万人の介護従事者で、「iTherapy」の販売戦略としては、まずは同社所在地である長崎県を中心に九州地方へと拡大、その後、東京・大阪などの大都市圏から全国への展開を想定しています。
長崎県を中心とした九州での展開では、長崎県庁の支援を受けながら、地元企業や金融機関との連携をもとに販路を広げていく計画で、医薬品や介護用品の卸売を行う東七株式会社との協業を進めており、同社が強みとする医療法人系列の介護施設などの介護従事者に向けた販売を強化する予定です。
全国展開については、同社代表のネットワークや、介護事業を立ち上げた起業家が集う「特定非営利活動法人全国在宅リハビリテーションを考える会」とのつながりをもとに販路拡大を行うとしています。
また、多くの介護事業所はIT化が遅れているため、販売にあたっては導入コンサルティングも必要だといいます。
「iTherapy」導入サポートだけでなく、自立支援介護を行うためのアドバイスまで含めて対応できる理学療法士などの専門職を「iTherapist(アイセラピスト)」として育成し、介護現場で柔軟なサポートが行えるよう、体制を整えていく計画です。
同社は、グループ内に介護施設を保有し、現場の課題感やニーズをリアルに把握できる強みを生かし、システムのUI/UXは現場の介護従事者が使いやすいよう、できるだけシンプルな手順にこだわって開発しているといいます。
忙しい介護現場でも継続的に利用してもらえるよう、1つの機能に対して、手順を3ステップ以内で終えられるようにし、直感的に使用できるインターフェースを追求したそうです。
今後の成長に向けて
(1)システムの機能拡充を行い、BtoC向けの新市場を開拓
同社は1年後をめどに「iTherapy」の機能をスケールアップさせていきたい考えです。
具体的には、AI活用による動画のコードひも付けの自動化や、利用者の状況に合わせて最適なアドバイスをレコメンドするなどの機能を追加し、3年後には、アップロードされた動画の解析や音声分析などを行い、利用者の状況を動画から分析して、介護計画の自動作成システムまで構築したいといいます。
「『iTherapy』によって、一人一人に最適と思われる介護サービスが分かれば、個人宅でも家族が自立支援介護を行うことができ、BtoC向けの新たな市場の開拓にもつながると考えています」(同社)
(2)介護人材の教育分野や海外市場への展開も
介護事業所で「iTherapy」による情報共有がうまく進めば、現場の様子を直感的に理解でき、ベテランの介護従事者が経験則で判断していたものを、より分かりやすく、若手の従事者へと伝えることができるといいます。
介護施設での教育・研修における使用のほか、外国人の介護従事者への教育や専門学校での授業などでも活用できるといい、現在、東京都の介護関係の専門学校で、2023年度のカリキュラムで「iTherapy」を導入してもらえるよう調整中です。
また、国内基盤が整えば、いずれは海外展開も行いたいといいます。2020年の世界のヘルスケア介護市場は約1112億米ドルで、2027年までに11.2%以上の成長率で拡大すると予想されているそうです(REPORTOCEAN)。
(3)将来的なEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2029年に14万以上の契約ライセンス数を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・エクサウィザーズ <4259> [東証G]
・サイエンスアーツ <4412> [東証G]
・BCC <7376> [東証G]
・CYBERDYNE <7779> [東証G]
・ケアネット <2150> [東証G]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
Liaison Design株式会社
長崎市江川町113番地
資本金:1,000,000円(2023年1月10日現在)
発行済株式総数:100株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2021年5月31日
決算日:3月31日
※2023年1月30日を効力発生日として、1株を25株とする株式分割に伴う発行済株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は2,500株となる。
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 川副巧成
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 380株
■募集株式の払込金額
1株あたり 100,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額950万円を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 600万円
人材育成費 100万円
サーバー等維持費 41万円
手数料 209万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額2,850万円(目標募集額950万円と上限募集額3,800万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 1,800万円
人材育成費 300万円
サーバー等維持費 123万円
手数料 627万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(1株)
200,000円コース(2株)
300,000円コース(3株)
400,000円コース(4株)
500,000円コース(5株)
1,000,000円コース(10株)
1,500,000円コース(15株)
2,000,000円コース(20株)
2,500,000円コース(25株)
3,000,000円コース(30株)
3,500,000円コース(35株)
4,000,000円コース(40株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(5株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,000,000円コース(40株)を上限とする。
■申込期間
2023年2月11日~2月17日
■目標募集額
9,500,000円(上限募集額 38,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は30,000,000円とする。
■払込期日
2023年3月13日
■連絡先
Liaison Design株式会社
電話番号:095-832-5500
メールアドレス:info@liaisondesign.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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