【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―アク抜け感高まると2万7000円突破からリバランス強まる可能性も
日電産 <日足> 「株探」多機能チャートより
「アク抜け感高まると2万7000円突破からリバランス強まる可能性も」
今週の日経225先物は、日米ともに本格化する決算発表に投資家の関心が集まるなか、主要企業の決算内容が指数に影響を与える可能性がある。特に、日本では日本電産 <6594> [東証P]や信越化学工業 <4063> [東証P]など、米国ではマイクロソフト<MSFT>やテスラ<TSLA>、ボーイング<BA>などの決算発表が予定されている。日米ともに原材料・エネルギー価格の高騰による企業業績への影響が警戒されており、不透明感が高まるなかでの決算となるため、指数へのインパクトは強まりやすい。
ただし、決算については足もとでは上方修正期待などの強気な見方は限られており、株価水準にも割高感はない。そのため、通期計画が据え置かれた段階で市場はポジティブな見方に向かいやすく、悪材料出尽くしとして見直す流れが期待される。また、日銀イベントを無難に通過したことで、決算に対する反応は強めになる可能性もある。
20日の米国市場は反発した。12月の中古住宅販売件数が季節調整済みで年換算402万戸に減少し、前月比での減少は11カ月連続となり、利上げ観測が後退した。また、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅を再度縮小し、0.25%の利上げを支持すると表明したことがセンチメントを改善させた。この流れのなか、シカゴ日経平均先物は大阪比385円高の2万6915円だった。
週初はこれにサヤ寄せする形で買い優勢の展開が見込まれる。ナイトセッションでは、18日の金融政策決定会合後の急伸時に付けた2万6920円に接近。19日の反落などである程度ショートも積み上がっていると考えられ、戻り高値を明確に突破してくると、リバランスの動きが強まる可能性はありそうだ。そうなると、節目の2万7000円や、75日移動平均線が位置する2万7100円水準を捉えてくる展開が意識されてくる。為替市場では、円相場が1ドル=129円台半ばで推移していることもロングに向かわせやすい。
日経225先物は75日線を捉えてくると、昨年12月の日銀による金融政策修正を嫌気した急落分も埋めてくる展開が期待されてくる。そうなると、よりリバランスを強めてくることが考えられる。そのため、個別の決算反応を見極めつつ、アク抜け感が強まる局面では、ややロング対応のトレードになりそうだ。
ただし、次回の米FOMC(1月31日~2月1日)を控えて、27日発表の12月の個人消費支出(PCEデフレーター)や1月のミシガン大学消費者態度指数(確報値)などの経済指標のほか、利上げペースに関する各種報道などの影響を受けやすい点には注意が必要だ。また、日経225先物は75日線を捉えたとしても、同水準では達成感が高まりやすく、米国市場の動向次第では一気にショートに傾く展開も想定しておく必要があろう。そのため、日経225先物はオプション権利行使価格の2万6500円~2万7500円のレンジを想定する。
なお、VIX指数は19.85に低下した。足もとでは切り下がる25日線に上値を抑えられていることから、リスク選好に向かわせやすい。先週末のNT倍率は先物中心限月で13.77倍だった。18日に一時13.88倍まで上昇した後はNTロングの巻き戻しが優勢となったものの、5日線水準で下げ渋る動きだった。上値を抑えられている25日線は13.87倍に切り下がっていることもあり、週初のリバランスで同線を捉えてくるようだと、NTロングに振れやすく、75日線が位置する14.09倍辺りを目指す動きが強まる展開も想定しておきたい。
1月第2週(1月10日- 13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週ぶりに買い越しており、買い越し越し額は516億円(1月第1週は5668億円の売り越し)だった。なお、現物は1705億円の買い越し(同640億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は1188億円の売り越し(同5028億円の売り越し)と5週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で584億円の売り越しで、2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1402億円の売り越しとなり、4週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは23日に日銀金融政策決定会合議事要旨、米国12月コンファレンス・ボード景気先行指数、24日に米国1月製造業購買担当者景気指数(PMI)、25日に11月景気動向指数改定値、1月月例経済報告、26日に日銀金融政策決定会合の主な意見、米国10-12月期GDP、米国12月耐久財受注、米国12月新築住宅販売件数、27日に米国12月個人消費支出、米国1月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67
03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03
04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02
05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12
06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38
07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16
08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05
09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76
10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58
11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52
12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27
01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/03 01月20日 26340 26540 26240 26530 +190
23/03 01月19日 26720 26760 26330 26340 -390
23/03 01月18日 26130 26920 26100 26730 +590
23/03 01月17日 25790 26170 25780 26140 +370
23/03 01月16日 26080 26080 25670 25770 -310
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/03 01月20日 1913.0 1927.0 1905.5 1925.5 +13.0
23/03 01月19日 1930.0 1932.5 1912.5 1912.5 -18.5
23/03 01月18日 1902.5 1943.5 1900.5 1931.0 +27.0
23/03 01月17日 1884.0 1904.0 1883.5 1904.0 +21.5
23/03 01月16日 1901.5 1902.0 1877.0 1882.5 -19.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
01月20日(3月限) 26915 +385
01月19日(3月限) 26320 -20
01月18日(3月限) 26470 -260
01月17日(3月限) 26250 +110
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
01月13日 5930億円 +368億円 3462億円 -42億円
01月06日 5561億円 +572億円 3504億円 -406億円
12月30日 4989億円 +391億円 3911億円 +177億円
12月23日 4597億円 +1347億円 3733億円 -1017億円
12月16日 3250億円 -72億円 4750億円 -344億円
12月09日 3322億円 +1529億円 5095億円 -324億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
01月18日 2億1321万株 +327万株 1億2817万株 +548万株
01月17日 2億0994万株 -225万株 1億2269万株 +47万株
01月16日 2億1219万株 -242万株 1億2222万株 +40万株
01月13日 2億1461万株 -2557万株 1億2181万株 -292万株
01月12日 2億4018万株 +1414万株 1億2474万株 -166万株
01月11日 2億2604万株 +759万株 1億2641万株 -116万株
01月10日 2億1844万株 +510万株 1億2757万株 +176万株
01月06日 2億1333万株 -126万株 1億2580万株 -308万株
01月05日 2億1459万株 +1734万株 1億2889万株 -422万株
01月04日 1億9725万株 +911万株 1億3311万株 -675万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
株探ニュース