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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「荒れ模様の幕開けとなった2023年相場」

株式評論家 富田隆弥

本年もよろしくお願いいたします。

◆さて、2023年が始まった。東京の三が日は穏やかな好天に恵まれたが、マーケットは荒れ模様でのスタートとなった。東京株式市場が始まる前日の1月3日に為替市場(ドル円)では129.51円まで円高が進み、日経225先物は一時2万5570円の安値を付けた。そして、4日の大発会で日経平均株価は一時432円安の2万5661円まで売られ、昨年10月3日の安値2万5621円に迫った。

◆同じく4日、原油(WTI)は72.84ドルと大幅に続落し、年初の2日間で9.2%下落した。バルチック海運指数(1176ポイント)は2日間で22.3%急落。商品市場全体の値動きを示すCRB指数(264.17ポイント)も2日間で4.8%下落した。

◆これらは新年早々の薄商いのところを投機筋の売買で大きく振れたものと言える。とはいえ、CRB指数は9月安値の264.30ポイントや12月安値の265.89ポイントを割り込み、チャートは二段下げ突入の構えを見せる。これは全体マーケットの焦点が「景気の鈍化(リセッション)」に移ったことを示唆しているように思える。

◆為替市場(ドル円)は52週移動平均線(5日時点131.84円)に差し掛かり、週足の一目均衡表の雲上限(同129.65円)に迫ったことで、その後は134円に戻している。だが、チャートはすでに円高方向へ陰転しており、135円近辺に控える25日移動平均線や200日移動平均線、12月15日に付けた138.18円をクリアするまで円高の流れは変わらない。日本の主要企業の下期想定レートは「138円」前後に集中しており、それを上回る円高は喜べない。

◆4日までのNYダウナスダックは、新年をもみ合いでスタートしたと言える。日経平均株価も5日は103円高の2万5820円と反発して落ち着きを見せた。だが、為替や商品市場の動きを踏まえるとまだ安心はできず、日本株に対してはもう少し「様子見も一策」と思われる。

(1月5日 記、次回更新は1月14日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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