【経済】【クラウドファンディング】AI&ブロックチェーン駆使のプラットフォームで相続をDX! SAMURAI Security、1月12日募集開始
デジタルプラットフォーム「サラス」を通じて「相続DX」に取り組むSAMURAI Security株式会社(東京都渋谷区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは1月12日19時30分開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
高齢社会におけるエンディング産業の支えに
SAMURAI Securityは、ブロックチェーン技術を軸に社会課題の解決を目指すベンチャー企業です。創業以来、誰もが安心・安全に、ブロックチェーンを使って暗号資産を利用できるようになることを目指し、独自の暗号技術によるデジタル貸し金庫を開発、デジタル暗号技術に関する特許も出願しています。
また、富山第一銀行とのブロックチェーントークンを使った地域創生の取り組みで内閣府表彰を受賞(令和元年)、NECソリューションイノベータとの協業を推進するなど、「新しい『お金・価値』」を流通させるプロジェクトを展開しています。
同社が現在、取り組んでいるのが「相続DX」で、年間約50兆円の巨大市場(野村資本市場研究所)である相続市場のDX化を目指し、「AI」と「ブロックチェーン」技術を駆使したデジタルプラットフォーム「サラス」を開発しています。
(出典:FUNDINNO)
「サラス」では、相続対策に不可欠な財産目録は、スマホで預金通帳や有価証券の写真を撮るだけで自動生成。相続に関する多様な手続きについて、いつ・なにを・どのように進めるべきかをAIが提案する機能により、利用者は相続対策の事前準備や学習の必要がなく、スマホ一つで終活を開始し、相続対策を進めることができるといいます。
(出典:FUNDINNO)
さらに、独自のブロックチェーン技術により、法的効力のある電子実印を発行、資産を継承するための家族信託契約の締結や遺言書の作成までをスマホで完結できるため、資産管理から資産移転までをスマホだけで進めることができるそうです。
2022年3月より、これらの機能を統合したオンライン相続支援サービス「サラス」、同年9月より、「サラス」のシステムを自社の相続対策サービスとして顧客に提供できる法人専用サービス「サラスPRO」の提供を開始しています。
「サラスPRO」は相続・終活関連事業者50社以上へのヒアリングから洗い出した相続案件の業務課題をベースに、人的作業をITやAIで代行することで営業効率や業務コストを削減する法人向けパッケージで、現在は主に士業・保険・不動産業などのエンディング産業事業者への導入に注力しています。
口コミやメディア掲載などの影響で導入企業が増加し、開始約3カ月で15社が導入、ユーザー数は800人を超え、登録された総資産額は約31億円を突破しています(2022年12月現在)。
(出典:FUNDINNO)
「将来的には、『サラス』を資産形成や資産管理・相続税の納付や不動産移転等の一連の手続きを完結するデジタル相続プラットフォームに成長させることで、超高齢社会におけるエンディング産業の社会インフラになることを目指しています」(同社)
前回(第1回調達)からの進捗
同社は2022年8月、「サラス」を普及させる施策として、「サラス」連携のNFCカード「Its-Ca(イツカ)」の導入を開始しています。
「Its-Ca」は、NFC(近距離無線通信)対応のスマートフォンにかざすだけで「サラス」への登録が完了し、AIによる終活診断やオンライン資産管理などが利用できるようになるNFCカード。登録財産へのアクセスは、ブロックチェーン技術による独自の生体認証で保護するため、IDやパスワードの管理が発生しない操作性とセキュリティーを両立しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
万が一、相続が発生した際も、相続人(家族)が自身のスマートフォンに利用者の「Its-Ca」をかざすことで、相続資産や遺言書にアクセスして相続手続きを進められるため、生前の終活から、万が一のときの相続実務までを支援できるそうです(事前に家族を「Its-Ca」に登録する)。
「『Its-Ca』は、アナログの特長である『カードが手元に残る』メリットとデジタルの強みを融合することで相続をDXする次世代ツールとして、利用者・法人双方から高い評価を頂いていると自負しています」(同社)
法人向けは士業や寺社などのエンディング産業事業者を対象に、「Its-Ca」がセットになった「サラスPRO」を提供しており、導入した事業者は顧客や見込み客にカードを配布することで、「サラス」を通じた新しい相続対策サービスを提供し、相続案件の営業効率や相続実務の作業効率アップが可能になったといいます。
「サラスPRO」は「サラス」のシステムをそのままレンタルして利用できる「標準プラン」とOEM形式の「専用プラン」があり、それぞれのニーズによって使い分けることができます。
同社は、終活・相続における最大の問題は「何をすればいいかわからないこと」だと考えています。
保有資産や親族構成、自身の意向によって「やるべきこと」が異なるため、対策をテンプレート化しにくく、時には法律や税の知識も必要で自己完結が難しいといいますが、安心・手軽に終活・相続対策を進められるよう、同社はオンラインサービス「AIコンシェルジュ」機能に注力しています。
同サービスは終活や相続対策の提案からスタートしていますが、終活を「死の備え」ではなく、50代からの人生を後悔なく生きるための活動として、ポジティブに取り組んでもらうために、「サラス」のターゲット層である50~70代に需要がありそうな、旅行や資産形成、健康や美容なども提案する「ライフコンサルティングAI」へと成長させたい考えです。
同社によると、2022年3月期の売上高は、既存サービスである、大手メーカーとの協業によるブロックチェーンのシステム開発(コンサル費)などにより、約5200万円となっています。
家族認定カード「Its-Ca」がセットになった新サービス「サラスPRO」を2022年9月より導入し、順調に加入社数が増加しているため、2023年3月期より、「サラス」の売り上げを計上する計画です。なお、「サラスPRO」を通じて「サラス」の新規ユーザーが増加しており、2023年3月期は1600人以上のユーザー登録を見込んでいます。
(出典:FUNDINNO)
ユーザーの増加に比例して、「サラス」に入力された総資産金額も増加、2022年12月現在、31億円を突破しています。
終活・相続ビジネスの前に立ちはだかる壁
同社は、終活・相続ビジネスの前には、4つの大きな問題が存在していると考えています。
同社のアンケート調査では、約90%が「終活」という言葉を知っている一方で、「終活に取り組んでいる」人は約25%であることが判明。1つ目の問題として、誰もが死を通じて相続を経験するにもかかわらず、終活は「縁起でもない話」と敬遠され、結果的に、終活や相続対策を始めることが難しくなっている現状があるといいます。
2つ目として、終活に取り組む約4人に1人が「何をすべきかわからない」という情報・知識の問題があるとしています。
相続は、保有する資産の構成、親族・お墓の有無や信仰などによって必要な対策が異なるため、自己完結が難しく、また、税・不動産・葬儀等によって、頼るべき専門家も異なりますが、専門家のドアをノックするハードルは高く、自己完結も難しいため、何をすべきかわからないまま放置されるケースが少なくないそうです。
実際に相続対策に取り組み始めたとしても、「作業の煩雑さ・面倒くささ」という3つ目の問題があり、相続経験者の約34.6%が「相続対象の資産や証券等の収集と整理」で、約32.3%が「書類の作成や押印作業」で苦労をしており、面倒な作業、とりわけ、アナログ作業のストレスが相続対策を困難なものにしていると同社は考えています。
4つ目の問題は「デジタル資産問題」だといいます。
現在、私たちの資産は急速にデジタル化が進んでおり、ネットバンク・投資アプリのほか、電子マネーの普及、有価証券や保険証書の電子化など、約4人に3人がデジタル資産を保有する時代に突入しています(同社調査)。
デジタル資産は口座情報や残高、契約の有無を本人しか知らないケースが多く、家族が資産にアクセスできないことが少なくないため、相続対策を怠ることで、資産逸失のリスクが発生するという課題があるそうです。
「『遺産整理』の困難さは、デジタル化された資産環境と、手作業や対面によるアナログな問題解決方法の乖離によるところが大きく、今後ますます、その傾向が強くなると考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
さらに、エンディング産業にとっては、以下のような問題もあるといいます。
相続案件は取り扱う金額が大きく、事業者としては、利益が大きな案件として注力したいところではあるものの、エンディング産業は営業も顧客対応もアナログ(対面)中心で、商圏・コストの制約が大きく、業務効率上問題があるため、同産業においてもDX化が求められ始めていると同社は見ています。
相続DX実現に向けた3つの取り組み
同社は相続DXの実現に向けて、3つの取り組みを行っています。
1つ目は最も注力している「データ活用」で、「サラス」はデジタルの強みを生かして、国内最大の相続データベースの構築を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
「サラス」には、ユーザーの終活における課題、親族の状況、保有資産の構成や資産金額、お墓や葬儀の希望、残りの人生でやりたいことなどのデータが日々、登録されており、2022年12月現在、約31億円の資産データがあります。
2023年からは旅行や資産形成、余暇の過ごし方などの「お金の使途」、また、どんな記事やコンテンツに興味を持っているなどの興味関心データも登録される予定で、これらの膨大な相続関連データと、同社が開発したAIに連動することで、相続リスクの発見、趣味嗜好に合わせたお金の使い方や最適な相談相手、節税や不動産対策の手法など「お金と時間の最適化」のための提案が可能になるといいます。
2つ目は「認証の仕組み」です。
「サラス」はIDやパスワードを使わず、顔認証(生体認証)と本人確認書類を組み合わせた複合認証の技術を採用していますが、複合認証は、同社が得意とするブロックチェーン技術を用いており、不正が極めて難しい「本人認証」を実現しているといいます。
また、法律事務所監修の下、実印と印鑑証明の組み合わせに相当する堅牢さを持つ独自の電子実印を開発したことで、「サラス」を活用して、スマホ上で家族信託契約を結べるようになっているそうです。
さらに現在、本人確認書類のマイナンバーを利用して、行政サービスと連携できるAPIも開発中で、将来的には、相続税の申告や不動産登記など相続に関する行政手続きを「サラス」で行えるようにする準備も進めています。
(出典:FUNDINNO)
2022年には、内閣府規制改革推進会議が主催するワーキンググループに参加、自筆証書遺言の電子化に向けたブロックチェーン技術の利用などの協議も始まっているといいます。
さらに、顔認証の技術を応用した画像認識によって、銀行の通帳、不動産登記簿、保険証書などを写真撮影するだけで、半自動的に財産目録が作成できるなどの認証技術により、従来の「面倒・大変・煩雑」な手続きを大幅に解消できるようになったそうです。
3つ目は「サラス」と連携するNFCカードデバイス「Its-Ca」です。
同社は「Its-Ca」を、市場シェア獲得におけるキーツールと位置付けており、「サラス」利用者に「Its-Ca」を郵送配布した際、財産データの登録金額が大幅に上昇していることから、カードがあることで「サラス」の利用が促進されることがわかったといいます。
また、法人サービス「サラスPRO」を利用する法人にとって、「Its-Ca」は費用対効果の高い営業ツールになるため、「サラスPRO」経由での「Its-Ca」の配布・販売も含めて市場シェアの獲得を目指したい考えです。
「3つの取り組みを融合することで、終活・相続市場の問題の解決を目指します。具体的には、心情の問題と情報の問題はAIによって、手続きの問題・環境の問題は『認証の仕組み』と『Its-Ca』によって解決することができると考えています」(同社)
"マッチング型広告モデル"にはない強み
同社は主なターゲットを「一定の資産があり、将来的に相続問題が想定される層」としており、具体的には、金融資産1000万円以上で、相続に対して潜在的な問題を抱えている層(国内約1465万世帯)と、生前贈与や寄付を積極的に行っている資産家(同約4000万人)を広義のターゲットと想定しています(金融広報中央委員会のデータを基に同社が試算)。
まずは、相続を検討している見込み客を持つ、士業・保険・不動産・介護関係の事業者に「サラスPRO」を導入、「Its-Ca」の配布を通じて、利用者の拡大とデータの獲得を目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
近年、さまざまな終活DXサービスが登場していますが、同社によると、それらは人と人(相続対策をしたい人と専門家など)をマッチングするサービスが多い印象があるといいます。
マッチングサービスは、専門家が増えれば増えるほど、利用者とのマッチング機会が減少するため、最終的には、広告による上位表示(優先表示)が求められる広告ビジネスに近づき、資本力がある競合の脅威にさらされやすいと同社は考えています。
一方で、「サラス」は「データ活用」「認証の仕組み」、さらに「Its-Ca」という技術に裏打ちされたビジネス構造を有しているため、法人(専門家)同士が競争して、利用者を取り合う構造にはならないとしています。
「マッチング型の広告モデルとは異なり、システムをレンタル利用することで自社サービスを拡張できる特徴があるため、模倣困難なビジネスを展開できると考えています」(同社)
「サラスPRO」は2022年12月現在、15社で導入が完了。導入先は士業を中心とした中小規模のエンディング事業者で、費用対効果を実感しやすい「標準プラン」の導入を優先しており、今後も協業企業との連携を深めることで、さらなる法人市場の獲得を目指しています。
今後の成長に向けて
(1)直販から、代理店網構築とフランチャイズ展開へ
同社は「サラス」ユーザーを増やすために、まずは「サラスPRO」の導入に注力していきたい考えです。
「サラスPRO」の市場は国内エンディング産業事業者約40万社(経済産業発表の概況データを基に同社が試算)。圧倒的なシェア1位の実現に向けて、2023年度は直販を中心に、その後は販売代理店網の構築と、新たに終活サービスを始めたい事業者への「サラス」フランチャイズによって、「サラスPRO」をシステマティックに販売できる体制を構築していく計画です。
(2)終活・相続のデジタルプラットフォームを目指す
相続は金融資産だけでなく、不動産などの実物資産、遺言書や証券などの紙書類も扱いますが、同社は、相続に関連するすべての書類をデジタル化して登記・登録、保管と移転が可能なプラットフォームを目指すといいます。
現在、マイナンバーカードとの連携を開始しており、行政への登録や手続きをオンラインで行うことや、自筆証書遺言の電子化にも取り組んでいます。
(出典:FUNDINNO)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2027年に「サラス」の累計利用者数62万人突破を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ケアネット <2150> [東証G]
・ジェイフロンティア <2934> [東証G]
・ヘッドウォータース <4011> [東証G]
・カラダノート <4014> [東証G]
・ココペリ <4167> [東証G]
・サスメド <4263> [東証G]
株主構成
同社は、FUNDINNO第1回目募集における株主、以下の事業会社やエンジェル投資家などから出資を受けています。
・株式会社Deportare Partners
・株式会社ホットリンク
・株式会社ニューキャンバス
・有限会社リバティーハウス
株主優待
【基準日】
毎年2月末日
【優待内容】
株主にもれなく、株主用「Its-Ca」を進呈。さらに保有株式数に応じて、以下の優待がある。
・10~29株保有の株主
「サラス」有料プランを10%オフで利用できるクーポンを配布
・30株以上保有の株主
「サラス」有料プランを30%オフで利用できるクーポンを配布
※サブスクリプションプランの株主は1年間割引
※基準日時点で、過去に当該有料プラン割引の株主優待を利用している人は対象外
【申し込み方法】
「Its-Ca」は、新たに株主になった人に1度、優待の基準日以降に同社より送付。クーポンの利用については、サービス利用時、備考欄などに「株主優待クーポン」を利用する旨を入力する。
【注意事項】
※優待基準日を基準として、1人、1年に1回限り。
※株主以外は使用できない。
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
SAMURAI Security株式会社
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目3番8号
資本金:53,450,000円(2022年12月8日現在)
発行済株式総数:38,774株(同)
発行可能株式総数:200,000株
設立日:2018年4月6日
決算日:3月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 浦田英博
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 4,900株
■募集株式の払込金額
1株あたり 20,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額2,450万円を以下の目的に充てる予定。
開発費 929万円
プロモーション費用 516万円
人員採用費 600万円
手数料 404万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額7,350万円(目標募集額2,450万円と上限募集額9,800万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
開発費 2,710万円
プロモーション費用 2,092万円
人員採用費 1,335万円
手数料 1,212万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(5株)
200,000円コース(10株)
300,000円コース(15株)
400,000円コース(20株)
500,000円コース(25株)
1,000,000円コース(50株)
2,000,000円コース(100株)
3,000,000円コース(150株)
5,000,000円コース(250株)
10,000,000円コース(500株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(25株)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(500株)を上限とする。
■申込期間
2023年1月12日~1月18日
■目標募集額
24,500,000円(上限募集額 98,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は78,000,000円とする。
■払込期日
2023年2月10日
■連絡先
SAMURAI Security株式会社
電話番号:050-3637-4029
メールアドレス:info@samurai-sec.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼【第2回】年間約50兆円の相続市場をDX! "ブロックチェーン×AI"で相続手続きをスマホで完結へ。国内最大の相続DB構築に挑む「サラス」
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:2450万円、上限募集額:9800万円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B) |
・ | 株主優待あり:株主用「Its-Ca」を進呈。保有株式数に応じて、「サラス」有料プランを割引価格で利用できるクーポンを配布 |
・ | みなし時価総額:7億7548万円 |
・ | 類似上場企業:ケアネット、ジェイフロンティア、ヘッドウォータース、カラダノート、ココペリ、サスメド |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
高齢社会におけるエンディング産業の支えに
SAMURAI Securityは、ブロックチェーン技術を軸に社会課題の解決を目指すベンチャー企業です。創業以来、誰もが安心・安全に、ブロックチェーンを使って暗号資産を利用できるようになることを目指し、独自の暗号技術によるデジタル貸し金庫を開発、デジタル暗号技術に関する特許も出願しています。
また、富山第一銀行とのブロックチェーントークンを使った地域創生の取り組みで内閣府表彰を受賞(令和元年)、NECソリューションイノベータとの協業を推進するなど、「新しい『お金・価値』」を流通させるプロジェクトを展開しています。
同社が現在、取り組んでいるのが「相続DX」で、年間約50兆円の巨大市場(野村資本市場研究所)である相続市場のDX化を目指し、「AI」と「ブロックチェーン」技術を駆使したデジタルプラットフォーム「サラス」を開発しています。
(出典:FUNDINNO)
「サラス」では、相続対策に不可欠な財産目録は、スマホで預金通帳や有価証券の写真を撮るだけで自動生成。相続に関する多様な手続きについて、いつ・なにを・どのように進めるべきかをAIが提案する機能により、利用者は相続対策の事前準備や学習の必要がなく、スマホ一つで終活を開始し、相続対策を進めることができるといいます。
(出典:FUNDINNO)
さらに、独自のブロックチェーン技術により、法的効力のある電子実印を発行、資産を継承するための家族信託契約の締結や遺言書の作成までをスマホで完結できるため、資産管理から資産移転までをスマホだけで進めることができるそうです。
2022年3月より、これらの機能を統合したオンライン相続支援サービス「サラス」、同年9月より、「サラス」のシステムを自社の相続対策サービスとして顧客に提供できる法人専用サービス「サラスPRO」の提供を開始しています。
「サラスPRO」は相続・終活関連事業者50社以上へのヒアリングから洗い出した相続案件の業務課題をベースに、人的作業をITやAIで代行することで営業効率や業務コストを削減する法人向けパッケージで、現在は主に士業・保険・不動産業などのエンディング産業事業者への導入に注力しています。
口コミやメディア掲載などの影響で導入企業が増加し、開始約3カ月で15社が導入、ユーザー数は800人を超え、登録された総資産額は約31億円を突破しています(2022年12月現在)。
(出典:FUNDINNO)
「将来的には、『サラス』を資産形成や資産管理・相続税の納付や不動産移転等の一連の手続きを完結するデジタル相続プラットフォームに成長させることで、超高齢社会におけるエンディング産業の社会インフラになることを目指しています」(同社)
前回(第1回調達)からの進捗
同社は2022年8月、「サラス」を普及させる施策として、「サラス」連携のNFCカード「Its-Ca(イツカ)」の導入を開始しています。
「Its-Ca」は、NFC(近距離無線通信)対応のスマートフォンにかざすだけで「サラス」への登録が完了し、AIによる終活診断やオンライン資産管理などが利用できるようになるNFCカード。登録財産へのアクセスは、ブロックチェーン技術による独自の生体認証で保護するため、IDやパスワードの管理が発生しない操作性とセキュリティーを両立しているといいます。
(出典:FUNDINNO)
万が一、相続が発生した際も、相続人(家族)が自身のスマートフォンに利用者の「Its-Ca」をかざすことで、相続資産や遺言書にアクセスして相続手続きを進められるため、生前の終活から、万が一のときの相続実務までを支援できるそうです(事前に家族を「Its-Ca」に登録する)。
「『Its-Ca』は、アナログの特長である『カードが手元に残る』メリットとデジタルの強みを融合することで相続をDXする次世代ツールとして、利用者・法人双方から高い評価を頂いていると自負しています」(同社)
法人向けは士業や寺社などのエンディング産業事業者を対象に、「Its-Ca」がセットになった「サラスPRO」を提供しており、導入した事業者は顧客や見込み客にカードを配布することで、「サラス」を通じた新しい相続対策サービスを提供し、相続案件の営業効率や相続実務の作業効率アップが可能になったといいます。
「サラスPRO」は「サラス」のシステムをそのままレンタルして利用できる「標準プラン」とOEM形式の「専用プラン」があり、それぞれのニーズによって使い分けることができます。
同社は、終活・相続における最大の問題は「何をすればいいかわからないこと」だと考えています。
保有資産や親族構成、自身の意向によって「やるべきこと」が異なるため、対策をテンプレート化しにくく、時には法律や税の知識も必要で自己完結が難しいといいますが、安心・手軽に終活・相続対策を進められるよう、同社はオンラインサービス「AIコンシェルジュ」機能に注力しています。
同サービスは終活や相続対策の提案からスタートしていますが、終活を「死の備え」ではなく、50代からの人生を後悔なく生きるための活動として、ポジティブに取り組んでもらうために、「サラス」のターゲット層である50~70代に需要がありそうな、旅行や資産形成、健康や美容なども提案する「ライフコンサルティングAI」へと成長させたい考えです。
同社によると、2022年3月期の売上高は、既存サービスである、大手メーカーとの協業によるブロックチェーンのシステム開発(コンサル費)などにより、約5200万円となっています。
家族認定カード「Its-Ca」がセットになった新サービス「サラスPRO」を2022年9月より導入し、順調に加入社数が増加しているため、2023年3月期より、「サラス」の売り上げを計上する計画です。なお、「サラスPRO」を通じて「サラス」の新規ユーザーが増加しており、2023年3月期は1600人以上のユーザー登録を見込んでいます。
(出典:FUNDINNO)
ユーザーの増加に比例して、「サラス」に入力された総資産金額も増加、2022年12月現在、31億円を突破しています。
終活・相続ビジネスの前に立ちはだかる壁
同社は、終活・相続ビジネスの前には、4つの大きな問題が存在していると考えています。
同社のアンケート調査では、約90%が「終活」という言葉を知っている一方で、「終活に取り組んでいる」人は約25%であることが判明。1つ目の問題として、誰もが死を通じて相続を経験するにもかかわらず、終活は「縁起でもない話」と敬遠され、結果的に、終活や相続対策を始めることが難しくなっている現状があるといいます。
2つ目として、終活に取り組む約4人に1人が「何をすべきかわからない」という情報・知識の問題があるとしています。
相続は、保有する資産の構成、親族・お墓の有無や信仰などによって必要な対策が異なるため、自己完結が難しく、また、税・不動産・葬儀等によって、頼るべき専門家も異なりますが、専門家のドアをノックするハードルは高く、自己完結も難しいため、何をすべきかわからないまま放置されるケースが少なくないそうです。
実際に相続対策に取り組み始めたとしても、「作業の煩雑さ・面倒くささ」という3つ目の問題があり、相続経験者の約34.6%が「相続対象の資産や証券等の収集と整理」で、約32.3%が「書類の作成や押印作業」で苦労をしており、面倒な作業、とりわけ、アナログ作業のストレスが相続対策を困難なものにしていると同社は考えています。
4つ目の問題は「デジタル資産問題」だといいます。
現在、私たちの資産は急速にデジタル化が進んでおり、ネットバンク・投資アプリのほか、電子マネーの普及、有価証券や保険証書の電子化など、約4人に3人がデジタル資産を保有する時代に突入しています(同社調査)。
デジタル資産は口座情報や残高、契約の有無を本人しか知らないケースが多く、家族が資産にアクセスできないことが少なくないため、相続対策を怠ることで、資産逸失のリスクが発生するという課題があるそうです。
「『遺産整理』の困難さは、デジタル化された資産環境と、手作業や対面によるアナログな問題解決方法の乖離によるところが大きく、今後ますます、その傾向が強くなると考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
さらに、エンディング産業にとっては、以下のような問題もあるといいます。
相続案件は取り扱う金額が大きく、事業者としては、利益が大きな案件として注力したいところではあるものの、エンディング産業は営業も顧客対応もアナログ(対面)中心で、商圏・コストの制約が大きく、業務効率上問題があるため、同産業においてもDX化が求められ始めていると同社は見ています。
相続DX実現に向けた3つの取り組み
同社は相続DXの実現に向けて、3つの取り組みを行っています。
1つ目は最も注力している「データ活用」で、「サラス」はデジタルの強みを生かして、国内最大の相続データベースの構築を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
「サラス」には、ユーザーの終活における課題、親族の状況、保有資産の構成や資産金額、お墓や葬儀の希望、残りの人生でやりたいことなどのデータが日々、登録されており、2022年12月現在、約31億円の資産データがあります。
2023年からは旅行や資産形成、余暇の過ごし方などの「お金の使途」、また、どんな記事やコンテンツに興味を持っているなどの興味関心データも登録される予定で、これらの膨大な相続関連データと、同社が開発したAIに連動することで、相続リスクの発見、趣味嗜好に合わせたお金の使い方や最適な相談相手、節税や不動産対策の手法など「お金と時間の最適化」のための提案が可能になるといいます。
2つ目は「認証の仕組み」です。
「サラス」はIDやパスワードを使わず、顔認証(生体認証)と本人確認書類を組み合わせた複合認証の技術を採用していますが、複合認証は、同社が得意とするブロックチェーン技術を用いており、不正が極めて難しい「本人認証」を実現しているといいます。
また、法律事務所監修の下、実印と印鑑証明の組み合わせに相当する堅牢さを持つ独自の電子実印を開発したことで、「サラス」を活用して、スマホ上で家族信託契約を結べるようになっているそうです。
さらに現在、本人確認書類のマイナンバーを利用して、行政サービスと連携できるAPIも開発中で、将来的には、相続税の申告や不動産登記など相続に関する行政手続きを「サラス」で行えるようにする準備も進めています。
(出典:FUNDINNO)
2022年には、内閣府規制改革推進会議が主催するワーキンググループに参加、自筆証書遺言の電子化に向けたブロックチェーン技術の利用などの協議も始まっているといいます。
さらに、顔認証の技術を応用した画像認識によって、銀行の通帳、不動産登記簿、保険証書などを写真撮影するだけで、半自動的に財産目録が作成できるなどの認証技術により、従来の「面倒・大変・煩雑」な手続きを大幅に解消できるようになったそうです。
3つ目は「サラス」と連携するNFCカードデバイス「Its-Ca」です。
同社は「Its-Ca」を、市場シェア獲得におけるキーツールと位置付けており、「サラス」利用者に「Its-Ca」を郵送配布した際、財産データの登録金額が大幅に上昇していることから、カードがあることで「サラス」の利用が促進されることがわかったといいます。
また、法人サービス「サラスPRO」を利用する法人にとって、「Its-Ca」は費用対効果の高い営業ツールになるため、「サラスPRO」経由での「Its-Ca」の配布・販売も含めて市場シェアの獲得を目指したい考えです。
「3つの取り組みを融合することで、終活・相続市場の問題の解決を目指します。具体的には、心情の問題と情報の問題はAIによって、手続きの問題・環境の問題は『認証の仕組み』と『Its-Ca』によって解決することができると考えています」(同社)
"マッチング型広告モデル"にはない強み
同社は主なターゲットを「一定の資産があり、将来的に相続問題が想定される層」としており、具体的には、金融資産1000万円以上で、相続に対して潜在的な問題を抱えている層(国内約1465万世帯)と、生前贈与や寄付を積極的に行っている資産家(同約4000万人)を広義のターゲットと想定しています(金融広報中央委員会のデータを基に同社が試算)。
まずは、相続を検討している見込み客を持つ、士業・保険・不動産・介護関係の事業者に「サラスPRO」を導入、「Its-Ca」の配布を通じて、利用者の拡大とデータの獲得を目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
近年、さまざまな終活DXサービスが登場していますが、同社によると、それらは人と人(相続対策をしたい人と専門家など)をマッチングするサービスが多い印象があるといいます。
マッチングサービスは、専門家が増えれば増えるほど、利用者とのマッチング機会が減少するため、最終的には、広告による上位表示(優先表示)が求められる広告ビジネスに近づき、資本力がある競合の脅威にさらされやすいと同社は考えています。
一方で、「サラス」は「データ活用」「認証の仕組み」、さらに「Its-Ca」という技術に裏打ちされたビジネス構造を有しているため、法人(専門家)同士が競争して、利用者を取り合う構造にはならないとしています。
「マッチング型の広告モデルとは異なり、システムをレンタル利用することで自社サービスを拡張できる特徴があるため、模倣困難なビジネスを展開できると考えています」(同社)
「サラスPRO」は2022年12月現在、15社で導入が完了。導入先は士業を中心とした中小規模のエンディング事業者で、費用対効果を実感しやすい「標準プラン」の導入を優先しており、今後も協業企業との連携を深めることで、さらなる法人市場の獲得を目指しています。
今後の成長に向けて
(1)直販から、代理店網構築とフランチャイズ展開へ
同社は「サラス」ユーザーを増やすために、まずは「サラスPRO」の導入に注力していきたい考えです。
「サラスPRO」の市場は国内エンディング産業事業者約40万社(経済産業発表の概況データを基に同社が試算)。圧倒的なシェア1位の実現に向けて、2023年度は直販を中心に、その後は販売代理店網の構築と、新たに終活サービスを始めたい事業者への「サラス」フランチャイズによって、「サラスPRO」をシステマティックに販売できる体制を構築していく計画です。
(2)終活・相続のデジタルプラットフォームを目指す
相続は金融資産だけでなく、不動産などの実物資産、遺言書や証券などの紙書類も扱いますが、同社は、相続に関連するすべての書類をデジタル化して登記・登録、保管と移転が可能なプラットフォームを目指すといいます。
現在、マイナンバーカードとの連携を開始しており、行政への登録や手続きをオンラインで行うことや、自筆証書遺言の電子化にも取り組んでいます。
(出典:FUNDINNO)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2027年に「サラス」の累計利用者数62万人突破を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ケアネット <2150> [東証G]
・ジェイフロンティア <2934> [東証G]
・ヘッドウォータース <4011> [東証G]
・カラダノート <4014> [東証G]
・ココペリ <4167> [東証G]
・サスメド <4263> [東証G]
株主構成
同社は、FUNDINNO第1回目募集における株主、以下の事業会社やエンジェル投資家などから出資を受けています。
・株式会社Deportare Partners
・株式会社ホットリンク
・株式会社ニューキャンバス
・有限会社リバティーハウス
株主優待
【基準日】
毎年2月末日
【優待内容】
株主にもれなく、株主用「Its-Ca」を進呈。さらに保有株式数に応じて、以下の優待がある。
・10~29株保有の株主
「サラス」有料プランを10%オフで利用できるクーポンを配布
・30株以上保有の株主
「サラス」有料プランを30%オフで利用できるクーポンを配布
※サブスクリプションプランの株主は1年間割引
※基準日時点で、過去に当該有料プラン割引の株主優待を利用している人は対象外
【申し込み方法】
「Its-Ca」は、新たに株主になった人に1度、優待の基準日以降に同社より送付。クーポンの利用については、サービス利用時、備考欄などに「株主優待クーポン」を利用する旨を入力する。
【注意事項】
※優待基準日を基準として、1人、1年に1回限り。
※株主以外は使用できない。
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
SAMURAI Security株式会社
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目3番8号
資本金:53,450,000円(2022年12月8日現在)
発行済株式総数:38,774株(同)
発行可能株式総数:200,000株
設立日:2018年4月6日
決算日:3月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 浦田英博
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 4,900株
■募集株式の払込金額
1株あたり 20,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額2,450万円を以下の目的に充てる予定。
開発費 929万円
プロモーション費用 516万円
人員採用費 600万円
手数料 404万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額7,350万円(目標募集額2,450万円と上限募集額9,800万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
開発費 2,710万円
プロモーション費用 2,092万円
人員採用費 1,335万円
手数料 1,212万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(5株)
200,000円コース(10株)
300,000円コース(15株)
400,000円コース(20株)
500,000円コース(25株)
1,000,000円コース(50株)
2,000,000円コース(100株)
3,000,000円コース(150株)
5,000,000円コース(250株)
10,000,000円コース(500株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(25株)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(500株)を上限とする。
■申込期間
2023年1月12日~1月18日
■目標募集額
24,500,000円(上限募集額 98,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は78,000,000円とする。
■払込期日
2023年2月10日
■連絡先
SAMURAI Security株式会社
電話番号:050-3637-4029
メールアドレス:info@samurai-sec.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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