【特集】日本ヒューム Research Memo(2):日本におけるヒューム管の歴史とともに始まった総合コンクリートメーカー
日ヒュム <日足> 「株探」多機能チャートより
■会社概要
1. 会社概要
日本ヒューム<5262>は総合コンクリートメーカーである。日本におけるヒューム管の歴史とともに始まり、日本に合った標準仕様を生み出し全国普及につなげ、コンクリートパイル(杭)、下水道管路の耐震化工法や管渠更生工事工法の開発、コンクリート二次製品の設計・製造・施工といった全方位のワンストップサービスを提供している。また、建設市場の人手不足を補うプレキャスト製品、社会インフラの老朽化に対応する製品・施工方法の開発、ICTを活用した取り組み(i-Construction)等の技術開発も推進している。
国内事業所は、本社(東京都港区)と北海道支社、関東・東北支社、東海支社、関西支社、九州支社があり、沖縄を含む全国の地域をカバーしている。各支社には営業所と工場を有する。海外事業所は、香港、インドネシアの2ヶ所にある。
同社グループは、同社と連結子会社8社、非連結子会社(持分法非適用関連会社)1社及び関連会社(持分法適用関連会社)6社で構成されている(2022年3月)。持分法適用関連会社には、NJS<2325>※と旭コンクリート工業<5268>が含まれている。
※NJSは1951年9月に、同社の子会社として設立された。目的は上下水道・工業用水・その他利水工事の計画調査測量設計の請負及びこれに関する工事監理である。現在は同社の持分法適用関連会社となっている(所有比率:35.9%(2022年3月31日現在)。
ヒューム管とは、遠心力成形による鉄筋コンクリート管を指す。一般的に下水道や上水道、農業用水や工業用水、地中に電線等のケーブルを通すための管などの分野で広く利用されている。ヒューム管を発明したのはオーストラリアのヒューム兄弟である。灌漑に汚水や鉄管内に汚物が溜まらないよう、その対策としてコンクリート管の利用にヒントを得たと言われている。日本では1924年に初めて製造設備を輸入し、1925年から同社により本格的に国内で生産が開始されたと言う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《SI》
提供:フィスコ