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【市況】ヘッジ対応の動きが強まる可能性から内需系にシフトしやすい/オープニングコメント


 21日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。20日の米国市場はNYダウが92ドル高だった。サプライズとなった日銀の決定を受け、寄り付きは下落。プラス圏で推移する場面でも長期金利の上昇や主要中央銀行による金融引き締めが景気後退につながるとの懸念が相場の重石となり、上値が抑制された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比195円安の26325円。円相場は1ドル131円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。前日の急落に対する自律反発の動きは意識されるものの、日銀の大規模緩和修正の影響から主要国の長期金利が上昇するなか、世界的な金融引き締めへの動きによって、戻り待ちの売り圧力が強まりそうである。日経225先物はナイトセッションで26300円~26400円辺りでの推移だったこともあり、売り一巡後も不安定な相場展開になりそうだ。日経平均は3月安値をボトムに緩やかながらも下値を切り上げてきた。ボリンジャーバンドの-3σを大きく下回り、売られ過ぎが意識されるものの、26500円辺りでの上値の重さが意識されてくるようだと、節目の26000円や10月安値の25621円辺りへのトレンドが警戒されてくる。

 また、日銀の大規模緩和修正はこれから本格化してくるとの見方にも向かわせてくると考えられ、日米金利差を狙ったポジションなどのヘッジ対応の動きが強まる可能性があるため、値ごろ感からの買いは入りづらいところだ。海外勢はクリスマス休暇入りのなか、短期筋によるショートを仕掛けてくる動きなども警戒されそうである。

 そのほか、昨日の急落によって中小型株などの下げも目立っていた。トレンドは崩れていないため、押し目買いの好機となる可能性はあるものの、IPOなどで還流していた資金流入は縮小することになりそうだ。また、リバウンドの局面においては、利食いの動きも入りやすいところだろう。もっとも、中小型株については物色対象が絞られてくるものの、流動性の大きい銘柄などに集中しやすくなりそうだ。そのほか、NT倍率が大きく低下していることから、TOPIX型優位の流れに向かいやすく、円高の流れもあって、内需系にシフトしやすいだろう。
《NH》

 提供:フィスコ

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