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【市況】米国株式市場見通し:PCEコアデフレータに注目


年末相場入りに伴い売り買いが交錯しそうだ。FRBが長期にわたり金融引き締め政策を維持するとの思惑が引き続き売り材料になり、上値を抑制するだろう。FRBの過度な利上げにより、来年景気後退入りするとの懸念も強まりつつあり、投資家心理の悪化がさらなる売り圧力になりそうだ。週後半は、クリスマス祭日を控えた調整が強まる可能性があるだろう。

また、住宅関連や最新の12月消費者信頼感指数、FRBが重要インフレ指標として注視している11月個人消費支出(PCE)コアデフレータなどの結果に注目だ。PCEコアデフレータのエコノミストの平均予想は前年比で+4.6%と、10月の+5.0%から鈍化が予想されている。予想通りとなると、昨年10月来で最低の伸びになる。ただ、FRBの目標を依然2倍以上上回っているため、FRBの追加利上げは正当化されることになるだろう。もし、予想を下回る結果となると、市場の利上げ観測の後退で下値を支える可能性もありそうだ。

ピーク金利に関しては、FRBのメンバーと市場の見通しに解離が見られる。FRBのスタッフ予測では、19人のうち17人がピーク金利を5%超と見ていることが明らかになった。中間予想は5.1%と、前回9月時点の4.6%から0.5%ptと大幅に引き上げられたほか、2人のメンバーは5.6%を予想している。一方で、短期金融市場はピーク金利を4.84%と依然として5%割れを予想している。景気後退リスクの上昇で、FRBの利上げ継続軌道が「間違い」との見方を市場は強めつつあるようだ。

なお、23日の債券市場はクリスマス祭日を控えた短縮取引となる一方、株式市場は通常取引となる。

経済指標では、12月NAHB住宅市場指数(19日)、11月住宅着工件数・建設許可件数(20日)、第3四半期経常収支、11月中古住宅販売件数、12月消費者信頼感指数(21日)、11月シカゴ連銀全米活動指数、第3四半期GDP確定値、週次新規失業保険申請件数、11月景気先行指数、12月カンザスシティ連銀製造業活動指数(22日)、11月個人所得・消費支出、PCEコアデフレータ、12月ミシガン大消費者信頼感指数確定値、11月新築住宅販売件数(23日)、などが発表予定となっている。

主要企業決算では、運送会社のフェデックス、食品会社のゼネラル・ミルズ、スポーツ用品ブランドのナイキ(20日)、半導体のマイクロン・テクノロジー、クルーズ船運営のカーニバル(21日)、中古車販売のカーマックス、給与・人事関連アウトソーシング・ソリューションを提供する米チェックス(22日)、などが予定されている。

小売りの決算はまちまちだ。高インフレで消費に陰りも見られる中、年末商戦の動向を判断するためにもナイキの決算に注目だ。ドル高、在庫状況、さらに、中国のコロナ抑制の都市封鎖がマイナス材料となるが、北米の強い売り上げ、ワールドカップが追い風となり好決算に期待したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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