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【市況】来週の株式相場に向けて=世界景気後退懸念で相場は新局面迎えたか

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 16日の日経平均株価は、前日比524円安の2万7527円と大幅安。株価下落の背景は、言うまでもなく米株式市場の急落だ。15日のNYダウは前の日に比べ2%強、ナスダック指数は3%の急落となった。

 政策金利見通しが引き上げられた14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の当日はさほど大きな下げとならなかっただけに、「ワンテンポ遅れの株価急落」(市場関係者)との声もある。なかでも、15日の米小売売上高が市場予想に達しなかったことが嫌気された。

 「FOMCでターミナルレート(政策金利の到達点)の上限は5.1%前後という点がはっきりした。これを境に次の焦点は、米景気の行方に移った」(アナリスト)との見方がある。特に、15日は欧州中央銀行(ECB)理事会などがタカ派姿勢を示すなか、世界景気後退への警戒感も膨らんだようだ。

 以前のように、悪い経済指標はインフレ懸念後退で好材料という反応とはならず、素直に悪材料と捉えられた。その意味で、マーケットは新局面に入ったと言えるかもしれない。これから、米国などの海外投資家はクリスマス休暇に入るが、そのなかでも経済指標に神経質な展開も予想される。

 注目されるのは、16日の東京市場で高配当利回り銘柄が堅調な値動きとなったことだ。日本郵船<9101>や商船三井<9104>のような海運株、高配当利回りで注目されるREIT(不動産上場投信)では日本ビルファンド投資法人<8951>やジャパンリアルエステイト投資法人<8952>のような銘柄も買われている。投資資金が安全志向を強めるなか、年末から年始にかけ食品や不動産などを含め、好業績の内需株などが見直されるのかもしれない。

 来週は20日に米11月住宅着工件数、21日に米12月消費者信頼感指数、23日に米11月個人所得・個人支出、同耐久財受注が発表される。20日にフェデックス<FDX>やナイキ<NKE>、21日にマイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を行う。

 国内では、19~20日に日銀金融政策決定会合が開催される。23日にニトリホールディングス<9843>の決算が予定されている。12月IPOラッシュが続くなか、20日にグロース市場市場に上場するメタバース関連のmonoAI technology<5240>の動向などが注目されている。来週の日経平均株価の予想レンジは、2万7000~2万7800円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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