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【市況】FOMC受けダウ平均は下落 タカ派だった印象も下値では押し目買いも活発に=米国株概況

NY株式14日(NY時間16:20)
ダウ平均   33966.35(-142.29 -0.42%)
S&P500    3995.32(-24.33 -0.61%)
ナスダック   11170.89(-85.92 -0.76%)
CME日経平均先物 27960(大証終比:-120 -0.43%)

 きょうのNY株式市場、午後のFOMCの結果とパウエル議長の会見を受けて目まぐるしい動きが見られた。政策金利は予想通りに0.50%の利上げとなったが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)は2023年末の中央値が5.125%、24年末が4.125%となっている。ターミナルレート(最終到達点)は23年に5.00-5.25%が示唆され、23年の利下げは想定していないことが示唆された格好。前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて、市場はターミナルレートの予想を5%以下に引き下げていたが、それよりも高い水準。

 その後のパウエル議長の会見でも「しばらくは制限的な政策スタンスが必要。23年の金利見通しがターミナルレートを意味するが、その予想を引き上げないと確証持って言えない」と述べていた。「利上げのスピードはもはや重要ではない」とも言及。今回のFOMCは全体的に市場の緩和期待に反するタカ派な印象ではあった。

 米株式市場は売りが強まり、ダウ平均もFOMC後に一時400ドル超下落したが、終盤になると買い戻しが急速に入り、ダウ平均は一時プラスを回復する場面も見られた。特段の買い戻しの材料は無かったように思われるが、今回のFOMCを経て、利上げサイクルの終了が見えてきたことで、米株式市場も下値では押し目買いが出たのかもしれない。

 デルタ航空<DAL>が上昇。取引開始前にガイダンスを公表し、予想を上回る見通しを示した。前日は中堅の航空キャリアがネガティブなガイダンスを公表していたことから、本日のデルタ航空の見通しに安心感が出ているようだ。

 テスラ<TSLA>が軟調な展開を続けている。きょうはアナリストによる目標株価引き下げが伝わっていた。同社の一部車種の販売に対するインセンティブ引き上げと価格引き下げ、納車までの待ち時間が短くなったこと、マクロ指標の軟化などを反映させたとしている。

 ケーブルTVのチャーター・コミュニケーションズ<CHTR>が大幅安。前日に投資家説明会を開催していたが、予想を遥かに上回る大規模なブロードバンド拡張計画を発表したことが嫌気されている。

 リチウム金属電池のクアンタムスケープ<QS>が下落。アナリストが自動車部品メーカの判断見直しを実施する中、同社の投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価も従来の8ドルから5ドルに引き下げた。

 バイオ医薬品のキメラ・セラピューティクス<KYMR>が大幅高。膿ほう性乾せんとアトピー性皮膚炎など炎症性疾患の治験薬「KT-474」が初期段階の臨床試験で炎症に関与するタンパク質を安全に分解したと発表した。

 家電販売のベストバイ<BBY>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げた。

デルタ航空<DAL> 34.31(+0.93 +2.79%)
キメラ<KYMR> 29.62(+3.77 +14.58%)
チャーター<CHTR> 328.34(-64.34 -16.38%)
クアンタムスケープ<QS> 6.69(-0.40 -5.64%)

アップル<AAPL> 143.21(-2.26 -1.55%)
マイクロソフト<MSFT> 257.22(+0.30 +0.12%)
アマゾン<AMZN> 91.58(-0.91 -0.98%)
アルファベットC<GOOG> 95.31(-0.54 -0.56%)
テスラ<TSLA> 156.80(-4.15 -2.58%)
メタ・プラットフォームズ<META> 121.59(+1.44 +1.20%)
AMD<AMD> 68.93(-2.72 -3.80%)
エヌビディア<NVDA> 176.74(-3.98 -2.20%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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