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【材料】<注目銘柄>=昭電工、低PBRで量子やEV関連のテーマ性内包

昭電工 <日足> 「株探」多機能チャートより
 昭和電工<4004>の2200円近辺は買い場とみたい。石化・アルミなど幅広く展開する総合化学メーカーだが、電炉用黒鉛電極では業界トップシェアを誇るほか、研磨剤など半導体向け材料も手掛ける。また、次世代パワー半導体と目されるSiCパワー半導体に使用されるSiCエピタキシャルウエハーでは高い商品競争力を有し、電気自動車(EV)の普及が今後本格化するなか収益への寄与が期待できる。

 量子コンピューティング技術も積極的に取り込んでいる。既に富士通<6702>の疑似量子コンピューターであるデジタルアニーラを活用した半導体材料開発で大幅な効率化に成功した経緯がある。同技術は将来の新材料開発でも飛躍的な貢献が見込まれる。

 22年12月期業績は前期の事業売却の影響に加え、原料コスト上昇や半導体市況の軟化が逆風となり、営業利益段階で前期比36%減の560億円を予想する。しかし足もとの業績悪は株価には織り込み済みといってよい。来期は半導体底入れに加え、原料コストの製品価格転嫁が進捗し回復色が強まりそうだ。来年1月からは買収した旧日立化成と統合新会社「レゾナック・ホールディングス」を立ち上げ新たなスタートを切るが、解散価値を3割以上も下回る0.6倍台のPBRは割安感が際立つ。(桂)

出所:MINKABU PRESS

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