【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):しまむら、京成、日本紙
しまむら <日足> 「株探」多機能チャートより
しまむら<8227>が続伸。24日の取引終了後に発表した11月度(10月21日~11月20日)の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比1.7%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。日中の気温が平年より高く推移したものの、トレンド商品の拡大やグループ全体で打ち出した大創業祭が好調だったことで冬物の売り上げが伸びた。アウター衣料で婦人のセーターやカーディガン、スカートが売れ筋となったほか、実用商品でプライベートブランド「CLOSSHI」のあったか素材「FIBER HEAT」の肌着が好調。また、お出かけ需要の高まりで帽子やバッグも売り上げを伸ばした。なお、全店売上高は同1.5%増だった。
■ニチレキ <5011> 1,306円 +16 円 (+1.2%) 本日終値
ニチレキ<5011>は4日続伸。午後2時ごろ23年3月期の期末一括配当予想について、記念配当5円を実施し50円にすると発表しており、好材料視された。23年10月26日に創業80周年を迎えることを記念して実施する。なお、前期実績に対しては8円の増配になる予定だ。
■カルタHD <3688> 1,780円 +20 円 (+1.1%) 本日終値
CARTA HOLDINGS<3688>が3日続伸。24日取引終了後、同社の持ち分法適用関連会社について、インドネシア証券取引所への上場が原則承認されたと発表。22年12月期の連結業績予想には織り込み済みとしながらも、中期的な業績へのポジティブな効果に対する期待を膨らませる格好となったようだ。上場が原則承認となったのは、福利厚生アウトソーシング事業やファイナンス事業などを手掛けるVENTENY Fortuna International。カルタHDの出資比率は24.8%。上場承認日は18日付で、上場予定日は12月上旬という。
■京成電鉄 <9009> 3,785円 +40 円 (+1.1%) 本日終値
京成電鉄<9009>が続伸。斉藤鉄夫国土交通相が25日の記者会見で、全国旅行支援を年明け以降も続けると表明したと、共同通信などが報じた。国内旅行を目的に鉄道を利用する旅客数が引き続き堅調に推移するとの思惑をもとにした買いが入ったようだ。鉄道株ではJR九州<9142>やJR東海<9022>、南海電気鉄道<9044>が高い。日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>など空運株もしっかり。共同通信によると、年明け以降は現行の仕組みよりも割引率を縮小する方針で、具体的な時期は新型コロナウイルスの感染状況を見極めて判断するという。年末年始は支援対象外となる。
■日本製紙 <3863> 976円 +7 円 (+0.7%) 本日終値
日本製紙<3863>が頑強な値動きでジリジリと水準を切り上げている。10月28日以降は押し目を交えながらも一貫して下値を切り上げる展開で、底値圏離脱の動きにある。同社は24日、牛乳・清涼飲料水向けの紙パック製品の値上げを発表、来年4月納入分から値上げを実施し、値上げ幅は18%以上となる見込み。世界的な資材コストやエネルギー価格の上昇を受けて価格転嫁を進める。この発表を受けて、値上げによる同社の収益改善効果に期待した買いを引き寄せている。同社の業績は23年3月期に200億円の営業赤字を見込むなど苦戦しているものの、PBRは0.2倍台と超割安圏にあることから逆張り志向の買いを誘っている。
■マイクロ波化学 <9227> 2,300円 -290 円 (-11.2%) 本日終値
マイクロ波化学<9227>が急反落。24日取引終了後、東京証券取引所などが信用取引に関する臨時措置の強化を発表。信用規制による取引負担増で、同社株への資金流入が一段と細ると受け止めた投資家の売りが膨らんだようだ。東証は、信用取引による新規の売り付け及び買い付けにかかる委託保証金率を25日売買分から70%以上(うち現金40%以上)とする臨時措置の強化を発表した。日本証券金融も同様に、貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を70%(うち現金40%)にするとしている。
■ホシデン <6804> 1,676円 -63 円 (-3.6%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
ホシデン<6804>が軟調。24日取引終了後、旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が同日に関東財務局に提出した変更報告書で、同社によるホシデン株式の保有割合が7.07%から5.69%に低下したことが明らかとなった。需給思惑が薄れたとみた売りが膨らんだようだ。報告義務発生日は11月16日。なお、ホシデンは24日取引終了後、11月11日に発表した自社株買いの終了も発表している。
■電通グループ <4324> 4,430円 -125 円 (-2.7%) 本日終値
電通グループ<4324>が朝高後、下げに転じた。午前10時ごろ、東京地検特捜部と公正取引委員会が、東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会に関連する事業を巡る談合疑惑で、同社などの家宅捜索に乗り出したと伝わった。これを嫌気した売りが膨らんだようだ。談合の疑いが指摘されている東京五輪の競技のテスト大会に関する業務では、電通グループを含む広告会社などが落札したとされている。
■イクヨ <7273> 1,416円 +300 円 (+26.9%) ストップ高 本日終値
イクヨ<7273>が急騰。24日取引終了後、同社とアパテックモーターズ(東京都品川区)が、自動車業界の環境対応やEV(電気自動車)化の対応で、業務提携の基本合意書を締結したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。イクヨが推進する中国EVメーカーとの取引拡大と、アパテックモーターズが進める中国製EVの日本展開事業の加速に相互で協力するという。
■Jテック・C <3446> 2,014円 +285 円 (+16.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
ジェイテックコーポレーション<3446>が上昇加速。カイ気配でスタートし急勾配の5日移動平均線を足場に戻り鮮明となっている。同社は理化学研究所向けを中心に超高精度X線集光ミラーを納入するほか自動細胞培養装置なども手掛け、その高度な技術力を強みとしている。X線集光ミラーはナノレベルでも最先端の超ハイスペック商品で、現在は研究機関などへの納入が主流だが、近い将来には次世代の半導体露光装置向けなどで需要を獲得する可能性が高いとみられている。一方、新境地も開拓中だ。そのひとつが次世代半導体研磨装置。これはSiCやGaNなどを素材とした次世代パワー半導体の製造工程で、同社独自のCARE加工技術を駆使したウエハー研磨装置で、既に技術的には開発成功した段階にあり、今後は半導体製造装置のニッチトップ企業としての活躍余地も意識される。
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