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【経済】【クラウドファンディング】疾患リスクをAI予想→生活習慣改善支援 アクシオンリサーチ、11月10日募集開始

 個人の健康状態を可視化し、疾患リスクを予測するサービスを展開するアクシオンリサーチ株式会社(茨城県つくば市)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは11月10日19時30分開始を予定しています。

・ 新株予約権型
・ 目標募集額657万円、上限募集額:2628万円
・ VC出資実績あり
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ 新株予約権者優待あり(「健康改善増進プログラム」3カ月無料チケットなど)
・ 類似上場企業:総医研ホールディングス、ファンデリー、データホライゾン、Welby、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ、キッズウェル・バイオ

国民の健康増進により、社会問題を解決

 アクシオンリサーチは、各個人の健康状態を可視化し、疾患リスクを予測可能な「AXiR Engine(アクシアエンジン)」を開発・提供する企業です。また、各個人の健康状態に応じて科学的に最適化された「健康改善増進プログラム」を提案し、行動変容・生活習慣の改善支援を行うプラットフォーム「P-HARP(ピーハープ)」も開発・提供しています。

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(出典:FUNDINNO)

 日本は国民医療費が年々増加。国の財政圧迫が懸念されており、少子高齢化によって現役世代が減少することから、同社は医療費の適正化が喫緊の課題と考えています。同社システムは国民一人一人の健康増進に貢献し、社会問題の解決にも資することができるといい、そのためにも、各自の健康レベルや生活習慣に対する「健康アドバイス」「行動変容」が重要だとしています。

 同社によると、「AXiR Engine」は特許申請中の「ハイブリッド型AIエンジン」を使用。これは、AIの弱点とされる「学習データにない新事実」にも対応可能なエンジンで、がんや糖尿病、その他生活習慣病に至るリスクを予測できるほか、追加データを入力することで、早期のがんや認知症、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクも推定・予測できるといいます。

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(出典:FUNDINNO)

 「AXiR Engine」「P-HARP」のシステム開発では、国立研究法人や各大学の研究所と共同研究を行っているほか、現在、大手データ通信系企業とのPoC(概念実証)の議論を開始。また、国との取り組みを見据えたプロジェクトや、大手総合住宅メーカーやデジタルヘルスケア新規事業を検討する複数企業とのプロジェクトも予定しています。

 大手企業とのPoC実施結果では、健康改善増進に関心が強く、行動変容を積極的に実行した被験者(参加者)は改善傾向にあり、また、健康悪化傾向に歯止めをかけることに成功(自社調査結果より)。100%ではないものの、健康習慣の改善や健康阻害要因の低減を目指していくことで、6カ月後の血液検査で改善を示すことも可能だと考えています。

 さらに、1年間継続してもらうことで、健康改善やQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を実感してもらえるのではないかと見込んでおり、老化・認知症リスクも同様に低減できると考えているといいます。

(※サービスは診断を行うものではなく、各自の健康を考える上での疾患リスクに関する情報を提供するもの)

 同社は「病気になる前に体の状態を把握し、適切な対応ができれば、QOLは大きく向上すると考えています。また、人生100年時代の現代において、多くの方がいつまでも健康でいられる社会の実現に貢献したいと考えています」としています。



直近までの進捗

 「健康改善増進プログラム」については大手事業会社とのPoCは完了しており、現在、社会にインパクトを与えるべく、結果の公開に向けて準備中だといいます。同社サービスが、各個人の健康増進に有効であるというエビデンスが蓄積されてきており、これをさまざまな病気のリスク低減へと広げていきたい計画です。

 対健康ビジネス系企業では、個人の健康やQOL向上、がん・感染症などの疾患リスク低減、老化速度の抑制、軽度認知症リスクの低減などを見据えたプロジェクトを段階的に拡大していく予定です。また、デジタルヘルスケア事業を推進する事業会社・大手総合住宅メーカーとのPoCの取り組みやエコシステム(ライセンス含む)も交渉・検討段階に入っています。

 同社は今後の導入先拡大を見据えて、まずは大手企業や健康改善への意識が高い人などに、試験的に導入してもらうことからスタートしたい考えです。実際に健康へ向けた行動変容を実践してもらえれば、健康QOLの向上を実感できるため、これを確実に実感してもらえるように「健康改善増進プログラム」を開始する計画です。

 同プログラムについては、手軽に行動に移してもらおうと、動画コンテンツの試作を完了。今後はコンテンツをテーマごとに分類し、自分に必要な運動や生活習慣の改善を5分程度で学べるよう、テーマごとに細分化し、ブラッシュアップする予定です。

 現在、個別対応の同プログラムの提案に関しては、レポート作成作業の一部を手動で行っていますが、今後は資金調達の状況を見ながら、自動化を進めていきたい考えです。完全自動化を目指しつつ、一人一人の生活スタイルや関心度・テーマに沿って、AIと人の心理的な問題にも介入できるように展開したいといいます。

今日の生活習慣が1年後の自分を決める

 厚生労働省によると、2019年の国民医療費は約44兆3895億円と前年度から約2.3%増加し、過去最高を更新、また、介護費についても増加の一途を辿っていることに同社は着目します。

 「少子高齢化によって、労働力人口が減少している日本社会にとって、今後も安定した社会保障制度を続けていくには、増え続ける医療費や介護費の抑制は喫緊の課題」「国民一人一人が自分自身の健康状態や疾患リスクを把握し、生活習慣や運動習慣を改善するなどして、健康への意識を高めて暮らしていく必要がある」と考えています。

 また、海外との比較では、例えば、がんの死亡者数は日本では患者10万人あたり312人なのに対し、米国は147人。65歳以上の認知症患者についても、日本では2012年に約15%だったのに対し、米国ではかつての約11.6%から約8.6%にまで減少させることに成功しているといいます。

 同社は背景として、米国の方が健康維持・管理に対する意識が高く、日頃から、食事や運動など健康増進を目的とした行動をしていることなどが考えられるといい、「今日の生活習慣・運動習慣・睡眠習慣・食習慣・ストレスが数カ月~年後の自分の健康状態を決定すると言われています。これは、PoCを行ってきて、自信を持って言えること」としています。

現在の健康診断で分からないもの

 同社の「AXiR Engine」は、ユーザーの健康診断データや体温・脈拍などのバイタル・データ、BMIなどの体組成データ、健康状態に関する質問票の結果から、独自AIで健康状態を分析、さらに、ユーザーの現在の健康状態を赤や緑、青の色の濃淡で可視化した「ヒートマップ」を作成し、これを使えば、体の部位ごとの疾患リスクを把握できるといいます。

 同社は現在の健康診断について、疾患初期段階を早期に検知することが大きな目的で、基準値もその目的に合致するように設定されていると指摘。基準値内の人の多くは、疾患リスクは低ければ一安心ですが、これが免疫力を含めて健康余力を確保しているのかという視点では、ほとんど分からないのが実情だといいます。

 健康と言われて安心しても疾患リスクはゼロではなく、また、問題はなくても疾患リスクが隠れている場合もあり、これを可視化するのが疾患リスクヒートマップで、ビッグデータと現在の生活習慣・運動習慣・食習慣・睡眠・ストレスを見れば、自分の問題点が可視化できるといいます。

 これにより、従来はひとくくりに「未病(発病には至らないものの軽い症状のある状態)」としていた状態を、さらに細かい粒度で表現でき、「限りなく発病に近い未病」を発見できることで、体の健康度をより客観的に認識し、生活習慣の改善など、行動へのモチベーションにつなげられると同社は考えています。

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(出典:FUNDINNO)

 「AXiR Engine」によって可視化された疾患リスクと健康阻害要因を基に、運動・食事・睡眠など個々に合った科学的な健康改善増進プログラムを生成・提案するためのプラットフォームが「P-HARP」です。

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(出典:FUNDINNO)

 「P-HARP」では、デジタルヘルスケア事業を推進する企業・組織にAPIを提供し、そのサービスを通じて、健康データの分析結果や「健康改善増進プログラム」をユーザーに提供します(標準パッケージも別途用意)。ユーザーのバイタル・データをウェアラブルデバイスなどでも取得可能にする予定です。

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(出典:FUNDINNO)

 現在、「P-HARP」「AXiR Engine」は基本サービスとして、生活習慣病の代表とされている糖尿病、高血圧症、高脂血症などのリスク予測に対応しており、がん化や感染症重症化リスク、老化による認知症リスクについては、オプションとして提案できる形に準備中です。

サービスの基本はBtoBtoCモデル

 同社サービスは基本的に、APIのライセンスをヘルスケア関連企業に提供するBtoBtoCのビジネスモデルを想定しています。

 ターゲットは生命保険会社や健康保険協会・組合、自治体、製薬会社、デジタルヘルスケア事業会社などで、「P-HARP」のAPIを介して、疾患リスクの予測と「健康改善増進プログラム」の提案サービスを提供。現在、テスト運用中で、大手データ通信会社や大手住宅総合メーカーと今後の連携について交渉・検討段階に入っています。

 そこで、個人にサービスを提供する際、ユーザーに対して月額料金を設定し、顧客企業より、利用人数に応じた総額を支払ってもらうことを想定しています。

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(出典:FUNDINNO)

 国内でも、欧米のように健康に対して自らアクションを起こす意識が高まれば、市場のポテンシャルは高いと同社は考えています。

 現状、リソースに限りがあるため、本格的なサービス開始時は健康意識の高い人や導入先企業の関係者などを優先し、数百~数千人規模を対象とする予定ですが、いずれは生活習慣病予備軍や慢性腎不全の人、軽度認知症の人なども対象とし、同社サービスのユーザー層が拡大していくと考えています。

 今後はサービスを継続利用し、健康状態を改善した人や健康を維持し続けている人に何らかのインセンティブを設けることも検討中です。

 同社によると、「AXiR Engine」はパターン認識に基づく「AIエンジン」と、既存の医学的知見に基づく「推論エンジン」を組み合わせたハイブリッド構成のAIを搭載。個別性の高い人体の状況に対して、AIエンジンが苦手とする、学習データにない新事実への対応を推論エンジンで補完し、双方の弱点を克服しながら、健康状態の判別と「健康改善増進プログラム」の提案が行えるといいます。

 独自AIは約10万件のデータを十分に学習しており、学習データの内容は国立研究機関を中心に事業会社・大学が協力して取得した約4000人分のデータを、同社が開発した「RG-III」というツールで、約10万件のビッグデータに増幅させたものだそうです。

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(出典:FUNDINNO)

 同社は「RG-III」について、サービスの技術の根幹とも言える技術で、競合優位性につながるものと認識。ハイブリッド構成のAIシステムやユーザーデータのパターン化と可視化、データの増幅技術など、自社サービス内で使用している複数の技術は特許申請済みです。

 また、同社は自社の強みとして、既存サービスは健康状態の可視化、疾患リスクの予測、個人に合わせた「健康改善増進プログラム」の提供を単体で実施しているものがほとんどである一方、これらを一気通貫でカバーしている点を挙げています。

 特に、ユーザーの「健康位置」の特定や疾患リスクの時間経過による変化の追跡、将来の疾患リスク予測、個別最適化された「健康改善増進プログラム」の提案、行動変容への誘導と習慣化促進は、今後の日本社会に必要とされるサービスだと考えています。

 また、ユーザーに提案する「健康改善増進プログラム」には、医療従事者や研究者による最新の研究成果や最新の情報を採用。特に、世界中で新型コロナウイルス感染症に関する研究が進んだことにより、感染症の重症化予防・疾患予防の観点から、「免疫システム」 の重要性が明らかになったといいます。

 同社の「健康改善増進プログラム」は、コロナ禍で蓄積された最新の研究成果も反映しながら、ユーザーの免疫力を向上させることが可能なプログラムを作成しているといいます。

今後の成長に向けて

(1)テストマーケティングを通じて、導入先企業の拡大へ

 同社は今後、生活者への認知度拡大と訴求力向上を目的として、個人を対象とした数百~数千人規模のテストマーケティングを実施する予定です。その中で疾患リスクの可視化と「健康改善増進プログラム」によるQOL向上の実績データを蓄積し、ユーザーの声を集めることで、サービスの導入先企業や活用先の拡大を目指していきたい考えです。

 また、製薬会社や研究機関・健康テーマ/健康サービスを推進する企業との将来的な共同研究も想定しています。

 いずれは、日本よりも健康に対する意識の高い欧米などを中心に海外展開も行っていきたいといい、特に米国では、健康保険組合、健康経営支援サービス、製薬企業という3つの市場への参入を目指しています。

 同社は、海外展開を視野に入れた事業計画のブラッシュアップと資金調達の準備のために、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)、茨城県主催のスタートアップ・アクセラレーションに参加し、米国人メンターによるアドバイスを受けています。

 また、Blockbuster TOKYO 2020「創薬・医療系ベンチャーに特化した育成支援プログラム」にも採択され、無事卒業。「AXiR Engine」「P-HARP」を海外へ広げていくことで、国内での販路拡大に弾みがつくことも期待しています。

(2)将来のEXITはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(3)2029年までにサブスクリプション契約ユーザー59万人以上を計画

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(出典:FUNDINNO)

株主構成

 同社は以下のVC、事業会社、エンジェル投資家より出資を受けています(一部抜粋)。

・東和薬品株式会社
・サクサ株式会社
・Assertive Investment 有限責任事業組合
・ボードウォーク・キャピタル株式会社
・株式会社アクセルレーター
・株式会社情報工場

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・総医研ホールディングス <2385> [東証G]
・ファンデリー <3137> [東証G]
・データホライゾン <3628> [東証G]
・Welby <4438> [東証G]
・ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ <6090> [東証G]
・キッズウェル・バイオ <4584> [東証G]

新株予約権者優待

■基準日
毎年1月末日

■優待内容
【1~10個保有】
「健康改善増進プログラム」3カ月無料チケット+10%ディスカウントチケット

【11~20個保有】
同3カ月無料チケット+20%ディスカウントチケット

【21~30個保有】
同3カ月無料チケット+30%ディスカウントチケット

【31~40個保有】
同3カ月無料チケット+40%ディスカウントチケット

【41個以上保有】
同3カ月無料チケット+50%ディスカウントチケット

■注意事項
※「健康改善増進プログラム」の無料体験後にサブスクリプションへの登録を希望しない場合、1年間、当プログラムへ参加できない(1年後に再度参加できる)。
※プログラムの月額費は300円(税込み)、または500円(同)を予定。
※プレミアムコース、またはスペシャルコースは家族3~6人の状況や目的に応じて金額が変わる。
※プログラムの開始タイミングは変更になる場合がある。
※チケットの配布方法はIRで告知する。
※本優待はサブスクリプション登録後、最大3年間のみ有効。
※新株予約権者本人のみ利用可能。

発行者・募集情報

■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
アクシオンリサーチ株式会社
茨城県つくば市千現二丁目1番地6
資本金:164,120,000円(2022年10月12日現在)
発行済株式総数:19,728株(同)
発行可能株式総数:50,000株
設立日:2016年12月5日
決算日:12月31日

■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 佐藤友美

■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
2,628個

■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円

■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
5,400,000円コース(540個)
6,300,000円コース(630個)
7,200,000円コース(720個)
8,100,000円コース(810個)
9,000,000円コース(900個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、9,000,000円コース(900個)を上限とする。

■申込期間
2022年11月10日~11月16日

■目標募集額
6,570,000円(上限募集額 26,280,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は20,700,000円とする。

■払込期日
2022年12月9日

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額657万円を以下の目的に充てる予定
研究開発費 434万円
広告宣伝費 78万円
手数料 144万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額1,971万円(目標募集額657万円と上限募集額2,628万円との差額)を以下の目的に充てる予定
研究開発費 1,200万円
広告宣伝費 337万円
手数料 433万円

■連絡先
アクシオンリサ―チ株式会社
電話番号:029-886-7251
メールアドレス:info@axion-research.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈累計調達額約2.4億円〉健康診断ではわからない"健康度"と"疾患リスク"を予測・改善。次世代デジタルヘルスケア技術を開発する「アクシオンリサーチ」

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