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【経済】【クラウドファンディング】“溶けない”アイスクリームを次世代スイーツに! FULLLIFE、11月1日募集開始

 独自の「保形性向上原料」でアイスクリームの常識に挑むFULLLIFE株式会社(東京都新宿区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは11月1日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1700万円、上限募集額:6500万円
・ 株主優待あり(「&アイス(ハート型)」など自社商品)
・ 2回目(1回目は5429万6100円調達)
・ みなし時価総額:3億1228万円
・ 類似上場企業:ブルボン、B-R サーティワンアイスクリーム、セイヒョー、オーウイル、アイスコ、明治ホールディングス

※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

原料はイチゴ抽出のポリフェノール

 FULLLIFE株式会社は、食品の保形性向上原料「MIXREAM MIX(ミクスリーム ミックス)」を製造・販売する研究開発型のベンチャーです。

 同原料には主に、アイスクリームや生クリームなどクリーム類の離水を抑制して溶けにくくする機能、気泡の弾力性を向上させて崩れにくくする機能の2つの機能があり、これらにより、「溶けにくいアイスクリーム」が作れるといいます。

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(出典:FUNDINNO)

 この特性により、アイスクリームや氷菓子の形状や食感に多様性を与え、商品に付加価値を加えることができるといい、テーマパークの人気キャラクターを3D再現するアイスクリームなども製造できるようになるとしています。

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(出典:FUNDINNO)

 同社によると「MIXREAM MIX」はイチゴから抽出されるポリフェノールを核とした原料で、イチゴポリフェノールはもともと、抗酸化機能や抗肥満機能などを持つダイエット素材として研究されてきた原料だといいます(バイオセラピー開発研究センター)。

 同社は「MIXREAM MIX」をスイーツに加えたところ、食品の保形性が向上することを発見。同原料を活用した製品はさまざまなテストを経て現在、アサヒビールが国内で運営するレストランなどで提供されています。

 また、溶けにくいアイスクリームは喉に付着しづらく、飲み込みやすいことから、嚥下(えんげ)障害のある高齢者向けの、介護用食品としての活用も想定しています。

 同社は「さまざまな用途や場面で『MIXREAM MIX』を普及させ、老若男女、誰もが楽しめる次世代のスイーツを創造したいと考えています」としています。



前回からの進捗

(1)2022年度は売り上げ計画未達。新たな製造機械導入などで売り上げ増を目指す

 2021年度の売上高は、製品開発に注力し、売り上げ計画を抑えていたこともあり、約106%の結果だったものの、計画値を上げた2022年度は新型コロナウイルスの第5波、6波の影響もあり、約32%と計画値を下回りました。

 第5波、6波の時期は飲食店の営業が大きく制限され、当初想定していた量の注文が入らず、計画を達成できませんでしたが、飲食店の営業再開後、顧客を呼び戻す活動が活発になり、注文が増えつつあるといいます。

 特に、主力商品である飲食店向けのドリンク用ボールアイス「シーズニングシャーベット」(2022年4月から、同社オリジナル商品として新発売)は順調に出荷量が増加、エリア別では、北海道コカ・コーラボトリングが道内を中心に営業を行っており、2022年7月だけでも約10社に採用されているといいます。

 2023年春からは、関東エリアのコンビニでも同商品の販売を予定しており、順調に進めば、来年度以降は年間約10万個以上を流通させられる見通しだとしています。

 また、同社は第1回目の調達資金後に新たな製造機械を導入、「シーズニングシャーベット」の製造の効率化も実現しており、今後の注文の増加や新製品の開発にも十分対応できると考えています。

(2)「&アイス」シリーズの開発に成功、今夏より出荷へ

 同社は新たに、外食チェーンからの要望に基づき、常温での流通も可能な溶けにくい氷製品「&(アンド)アイス」シリーズの開発に成功しています。

 同社によると、冷凍製品の課題は保存にかかるコストで、アイスクリームの保管には冷凍庫が必須のため、スペースの限られるチェーン店では大量のストックが難しいという課題があるといいますが、「&アイス」シリーズにより、移動時と保管時の冷凍コスト削減を実現したとしています。普段は常温で保管、使う前日に冷凍庫に入れることで、翌日には溶けにくいドリンク用アイスボールとして利用できるそうです。

 また、型や原料を応用することでさまざまな形状やカラー、フレーバーを製造できるため、冷凍したアイスボールをカクテルに入れることで、ドリンクの見た目がよくなり、氷が溶けることで、少しずつ味が変わるという付加価値を生み出せると考えています。

 2022年9月下旬から順次、代理店による営業販売が開始されており、1個あたりの単価も従来の製品と比べて安いため、商品に付加価値を加えて、客単価を上げたいと考える外食チェーンなどへの広がりを期待しているといいます。

(3)ドラッグストアやスーパーとも取引開始へ

 同社はこれまで、飲食店に食材を卸売りする代理店との取引がメインでしたが、プロダクトの増加や輸送コストの低下などにより、今後はドラッグストアやスーパーマーケットなど、常温で製品を取り扱う販売代理店との取引も開始する予定です。

 「MIXREAM MIX」を飲食店や食品販売店に紹介してもらう代理店として、大日本印刷や伊藤忠商事、新たに日本コカ・コーラなどとも新たに取引を開始しており、同社は「パートナー企業が、さまざまな企業に営業を行ってくださることで、新しい販売先の開拓や人気キャラクターとのコラボレーションを実現できており、弊社の成長にもつながっていくと考えています」としています。

 今後は取り扱い店舗の増加に伴い、製造ラインの効率化も重要になるため、委託先の工場に新しい機械を順次投入することで製造力アップを図っていく計画です。

 また、同社はテーマパークの仕入れを担当する大手製菓メーカーとも継続的に取引をしています。大手テーマパークへの「シーズニングシャーベット」導入プロジェクトは未実施ですが、同メーカーと協議し、関西地方の大手テーマパークで2023年春から、人気キャラクターのアイスボールの販売に向けて調整中です。

自由なデザインのアイスで地方創生に貢献も

 アイスクリームといえば、カップや棒アイスのような形が一般的でしたが、同社は自社のアイスクリームについて、金型と食品用の塗料、専用のフードプリンターを活用することで、立体かつさまざまなカラーにすることが可能で、日本各地で自由なデザインのご当地アイスなどを作ることができれば、地方創生にも貢献できると考えています。

 同社の検証では、通常のアイスクリームの材料に「MIXREAM MIX」を約5%加えるだけで、アイスクリームを常温(約25度)の室内に1時間以上放置しても溶けないことが判明。原料は自然由来で、どの世代でも安心して食べられることから、お店やテーマパーク、病院や介護施設など、さまざまな場所で販売が期待できるといいます。

 食品を溶けにくく、崩れにくくする機能のメリットとしては、例えば、溶けにくいアイスクリームであれば、子どもや高齢者など食べるのに時間を要する人でも手を汚さずに食べられることが挙げられ、嚥下機能の弱った高齢者でも安心して食べられる食品として、国内のある病院では「脳活アイス」を販売しています。

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(出典:FUNDINNO)

 「脳活アイス」には「α-GPC」と呼ばれる、脳神経を活性化するとされるサプリも配合されており、成長ホルモンの分泌を促す効果も期待されているそうです(National Library of Meducine)。

 同社はテーマパークやイベント、観光地向けに立体のアイスクリームを製造・販売することで認知度を拡大し、売り上げを確保した後、素材の研究開発を進めていくことも計画しています。

 アイスクリームの形状維持の原料として主に使われている「ローカストビーンガム(氷床コントロール成分)」は現在、原価が高騰傾向にありますが、同社が活用する「イチゴポリフェノール」は国内で生産(一部輸入品含む)・加工を行っているため、原価変動の影響を受けていないといいます。

 同社は「将来的には『イチゴポリフェノール』が国内におけるアイスクリームの製造に欠かせない代替成分として活用される可能性がある」としています。

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(出典:FUNDINNO)

成長を続けるアイスクリーム市場

 同社は、提携する株式会社ジェーケー・コーポレーションなどの製菓工場に、原料とアイスの製造に必要な独自開発の充填機を貸し出す形でアイスクリームの製造を委託し、生産コストを抑えています。今後、商品バリエーションを増やすとともに、数量限定にしてプレミア商品とするなどの戦略を採用し、販売額が上昇傾向にあるアイスクリーム市場において、多くの商品販売を目指したい考えです。

 同社は、イチゴ由来の抽出物が発泡性食材(クリーム類)の保形性を向上させる技術で代表が特許を取得していること、また、天然由来素材で作られた「MIXREAM MIX」はクリーム類に加えても食感や見た目がほとんど変わらない一方、製造コストは他の素材と同等なことから、「弊社は独自の知財によって競合優位性を保つことができ、長期的に安定したビジネス戦略を構築できると考えています」としています。

今後の成長に向けて

(1)アイスクリーム以外に用途を拡大

 同社の検証で、生クリームの生成時にイチゴポリフェノールを加えることで、クリームの生成が効率化され、さらに生クリームが溶けにくくなることが分かったといい、今後は「MIXREAM MIX」をケーキメーカーなどにも販売し、事業の多角化を進めていく計画です。

(2)海外メーカーとの共同開発を通じて、販路を世界に拡大

 同社は「&アイス」シリーズの流通を開始したことで、日本からアジア諸国に食材を輸出・流通する国際代理店とも取引が始まったため、インドネシアなどアジア諸国への販売の計画を進めています。

 また、世界的アイスクリームメーカーとの共同商品開発のプロジェクトも少しずつ進捗しており、日本から海外に向けた新しいアイスクリームのあり方を提案していきたい考えです。

(3)将来のEXITはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(4)2028年に「&アイス」の年間販売個数1265万個突破を計画

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(出典:FUNDINNO)

株主構成

 同社は、FUNDINNOにおける第1回目募集時の株主より出資を受けています。

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ブルボン <2208> [東証S]
・B-R サーティワンアイスクリーム <2268> [東証S]
・セイヒョー <2872> [東証S]
・オーウイル <3143> [東証S]
・アイスコ <7698> [東証S]
・明治ホールディングス <2269> [東証P]

株主優待

■優待の基準日
毎年10月末日

■申し込み期限
2023年1月末まで

■優待内容

・40株~119株所有:「&アイス(ハート型)」3個、「同(星形)」3個提供

・120~199株所有:「&アイス(ハート型)」5個、「同(星形)」5個、「シーズニングシャーベットアイス液(レモン)」1キロ1袋、「シーズニングシャーベットアイス液用骨型シート」2枚提供

・200株以上所有:「&アイス(ハート形)」6個、「同(星形)」6個、「シーズニングシャーベットアイス液(レモン)」1キロ2袋、「シーズニングシャーベットアイス液用骨型シート」4枚、「パンダ型棒アイス(マンゴー)」3個、「同(バニラ)」3個提供

■申し込み方法
期限内に「otoiawase@full-life.org」宛てに、株主優待を利用する旨連絡する。

■注意事項
・優待基準日を基準として、1人につき1年に1回限り
・前回申し込んだ株主には今回も送る

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
FULLLIFE株式会社
東京都新宿区百人町一丁目10-15新大久保駅ビル4F
資本金:30,249,550円(2022年8月24日現在)
発行済株式総数:124,912株(同)
発行可能株式総数:10,000,000株
設立日:2012年9月12日
決算日:8月31日

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 豊田剛史

■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 26,000株

■募集株式の払込金額
1株あたり 2,500円

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,700万円を以下の目的に充てる予定
小型&アイス充填密閉機費 500万円
商品開発人件費 461万円
製造管理人件費 458万円
手数料 280万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額4,800万円(目標募集額1,700万円と上限募集額6,500万円との差額)を以下の目的に充てる予定
・&アイスの追加製造設備費 1,000万円
・小型&アイス充填密閉機 500万円
・商品開発人件費 810万円
・製造管理人件費 1,697万円
・手数料 792万円

■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(40株)
200,000円コース(80株)
300,000円コース(120株)
400,000円コース(160株)
500,000円コース(200株)
1,000,000円コース(400株)
2,000,000円コース(800株)
3,000,000円コース(1,200株)
4,000,000円コース(1,600株)
5,000,000円コース(2,000株)
6,000,000円コース(2,400株)
7,000,000円コース(2,800株)
8,000,000円コース(3,200株)
9,000,000円コース(3,600株)
10,000,000円コース(4,000株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(200株)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(4,000株)を上限とする。

■申込期間
2022年11月1日~11月6日

■目標募集額
17,000,000円(上限募集額 65,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は52,000,000円とする。

■払込期日
2022年11月30日

■連絡先
FULLLIFE株式会社
電話番号:076-201-8788
メールアドレス:otoiawase@full-life.org

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

【第2回】常温でも約1時間溶けないアイスクリームの次は"溶けにくい氷"を開発!常温流通により冷凍コスト削減し販路を全国に拡大する「FULLLIFE」

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