【特集】高成長【始動】候補リスト 30社選出 <成長株特集>
ヘリオスTH <日足> 「株探」多機能チャートより
以下では、時価総額50億円以上500億円未満の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、4-6月期に前年同期比で「10%増収・20%経常増益」を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を、“高成長「始動」候補”として30社を選び出し、4-6月期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。
4-6月期の増益率トップとなったのは、ヘリオス テクノ ホールディング <6927> [東証S]。22年4-6月期(第1四半期)は、露光装置用光源ユニット装置の納入が進んだほか、主力製品である配向膜印刷装置に関連した大型改造工事や消耗品販売なども寄与し、売上高18.8億円(前年同期比17.1%増)、経常利益2.3億円(同19.9倍) と2四半期連続の大幅増収増益を達成した。好調な業績に加え、PBR0.6倍台と割安感の強い株価指標も意識され、株価は年初来高値圏に急浮上している。
2位の高田工業所 <1966> [東証S]は製鉄・石油・化学関連を主力とする総合プラント建設会社。4-6月期(第1四半期)は、化学プラントの定期修理工事の完成工事高が増加したうえ、採算性も向上し、売上高156億円(前年同期比37.5%増)、経常利益8.4億円(同4.5倍)といずれも急拡大して着地した。同社は原子力・エネルギープラントも手掛けており、政府が原発再稼働や次世代原発の建設などの検討を進めるなか、原発関連銘柄としても注目を集める。株価は9月13日に約2年8ヵ月ぶりの高値1311円をつけている。
3位に入った婦人アパレル中堅、ルックホールディングス <8029> [東証S]の4-6月期(第2四半期)経常利益は前年同期比4倍の8.4億円に膨らんだ。新型コロナウイルス感染者数の減少で来店客数が回復し、アパレルブランド、ライフスタイルブランドともに店舗販売が伸びたほか、韓国子会社のインポートブランドの販売も好調だった。併せて、22年12月期の通期見通しを上方修正するとともに、配当予想を増額修正したことも好感され、株価は9月16日に約9年7ヵ月ぶりの高値まで上昇する場面があった。
4位にリスト入りしたアイ・ピー・エス <4390> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は、経常利益が前年同期比3.8倍の14.5億円と四半期ベースの最高益を更新した。使用権を保有する国際通信ネットワークC2C回線の販売が順調に推移したほか、前期に契約したIRU(長期的・安定的な通信回線使用権)提供案件の入金も加わり、国際通信事業の収益が大きく伸びた。また、円安進行で為替差益が急増したことも利益を押し上げた。上期(4-9月)計画の12.7億円をすでに上回っており、業績上振れは確実とみられる。
7位のsantec <6777> [東証S]は半導体用シリコンウエハーの膜厚検査システムや白内障手術前の検査に用いられる光学式眼内寸法測定装置の販売が好調だった。また、昨年10月に買収した光通信用光測定器を手掛ける2社の業績上積みに加え、円安効果なども寄与し、4-6月期(第1四半期)の売上高は31.8億円(前年同期比89.2%増)、経常利益が10.7億円(同3.4倍)と業績高変化を遂げた。経常利益は上期計画(11億円)にほぼ到達しており、業績上振れは濃厚だ。
9位の新田ゼラチン <4977> [東証P]はゼラチンの世界大手で食品や医薬品向けに強みを持つ。4-6月期(第1四半期)は国内でグミキャンディー向けの好調が継続したほか、海外では美容用コラーゲンペプチドやカプセル用ゼラチンの旺盛な需要を取り込み、経常利益は前年同期比2.9倍の8.6億円に急拡大して着地。上期計画の7億円をすでに大きく上回っており、業績上振れが有力視される。好決算を受けて株価は急騰し、5日に約8年3カ月ぶりの高値となる993円まで上値を伸ばしている。
11位には精密プラスチック加工のエンプラス <6961> [東証P]が入った。4-6月期(第1四半期)は世界的な半導体需要の拡大を背景に、サーバー向けを中心にICテスト用ソケットやバーンインソケットの販売が大きく伸びたほか、為替の円安進行も追い風となった。第1四半期業績の好調に伴い、早くも23年3月期通期の経常利益を従来予想の40億円→65億円(前期比88.4%増)に大幅上方修正している。
┌─ 経常利益 ─┐┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名 増益率 4-6月期 増収率 4-6月期 連続期数 PER
<6927> ヘリオスTH 1892 239 17.1 1886 2 16.4
<1966> 高田工 347 849 37.5 15661 2 5.4
<8029> ルックHD 300 847 43.0 13073 2 6.9
<4390> アイピーエス 283 1458 44.0 2823 2 22.2
<6513> オリジン 271 1221 31.3 8896 2 10.4
<3452> ビーロット 248 247 111 3952 2 7.0
<6777> santec 239 1079 89.2 3188 3 17.2
<6590> 芝浦 214 1912 36.8 13821 3 7.5
<4977> 新田ゼラチン 192 866 22.0 9248 2 19.2
<3723> ファルコム 183 354 59.1 560 2 11.9
<6961> エンプラス 178 2138 22.9 10115 2 7.8
<7819> 粧美堂 154 206 35.8 4443 2 12.9
<4260> ハイブリッド 144 132 45.4 657 2 50.8 *
<6266> タツモ 138 971 32.3 6849 3 7.8
<6333> 帝国電 130 1278 25.2 6036 2 16.4
<6164> 太陽工機 117 236 39.8 2203 3 9.0
<2268> サーティワン 112 779 20.4 5759 2 36.4
<8920> 東祥 78.7 579 10.1 5239 2 51.5
<1980> ダイダン 72.1 1308 29.7 35342 2 7.5
<9380> 東海運 69.7 331 13.7 10638 2 23.1
<9927> ワットマン 67.6 124 68.7 1704 3 15.6
<4171> グローバルI 60.5 61 11.6 491 3 12.4
<4193> ファブリカ 54.7 263 20.4 1648 2 23.8
<4979> OATアグリ 52.1 1256 17.1 7152 2 8.6
<3245> ディアライフ 50.5 1324 86.1 11085 2 6.1
<7372> デコルテHD 44.6 337 23.1 1491 2 6.8 *
<9450> ファイバーG 36.7 376 63.7 3424 2 13.4
<7374> Conf 34.9 236 20.0 1250 2 13.6
<3467> アグレ都市 31.8 170 30.1 4150 2 5.7
<3937> Ubicom 20.4 266 17.5 1312 2 26.0
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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