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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、吉野家HD、SGHD

郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本郵船 <9101>  9,420円  -810 円 (-7.9%)  本日終値  東証プライム 下落率4位
 日本郵船<9101>はプライム市場上場企業のなかで断トツの売買代金をこなしているが、株価は800円を超える大幅安でフシ目の1万円大台を割り込んだ。また、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>なども揃って大きく下値を試す展開にある。世界的なリセッション懸念が高まるなか、グローバル物流も陰りが生じるとの見方が支配的となり、特にサプライチェーン問題で高騰していたコンテナ船の運賃市況も今後は急速に水準を切り下げるとの思惑が強まっている。一方、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数もここ最近は大きく値を崩し、8月末にはついに1000の大台を割り込んだ。その後は再浮上に転じているものの数年来の底値圏に位置していることに変わりなく、ばら積み船の今後の収益環境に対しても警戒感が強い。株価指標面では郵船のPERは1倍台で、配当利回りは15%弱と極めて割安圏にあることを示唆するが、株価は今期以降の業績推移に懐疑的で上値が重い。

■吉野家ホールディングス <9861>  2,286円  -72 円 (-3.1%)  本日終値
 吉野家ホールディングス<9861>が反落。きょう付の日本経済新聞朝刊で「吉野家ホールディングスは傘下の『はなまるうどん』が中国から撤退することを決めた」と報じられており、これが嫌気された。記事によると、11年に中国に進出して店舗網を拡大してきたが、現地での需要を捉えきれずに採算が悪化したほか、新型コロナウイルスの感染拡大により都市封鎖が頻発したことも響いたという。なお、上海のはなまるうどん運営子会社清算に関しては、8月31日に関東財務局に提出された臨時報告書で明らかにされている。

■SGホールディングス <9143>  2,195円  -48 円 (-2.1%)  本日終値
 SGホールディングス<9143>は3日続落。6日の取引終了後、1008万1700株の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限150万株の売り出しを実施すると発表しており、需給悪化を懸念した売りが出たようだ。三菱UFJ銀行と三井住友銀行がそれぞれが進める政策保有株の見直しの一環として行うという。売出価格は9月14~20日のいずれかの日の終値に0.9~1.0を乗じた額とする。同時に、上限を540万株(発行済み株数の0.85%)、または100億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は22年10月3日から23年3月31日までで、株主還元の強化と資本効率の向上を図ることを目的としている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,368円  -111 円 (-2.0%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が売り優勢の展開。米国株市場では前日までナスダック総合株価指数が7日続落と下げ止まらず、米ハイテク株に積極投資する同社株は同市場との株価連動性が高いだけに逆風材料となっている。下値では自社株買いで応戦する動きも想定され、下げ幅こそ限定的なものにとどまっているが、実質9月相場入りから売り圧力が強まっている。信用買い残はここにきて再び増勢基調にあり、機関投資家の売りに対し個人投資家が買い向かう格好となっている。直近では、同社傘下の投資会社米フォートレスの売却に関し合意が近づいているとの観測報道が流れており、売却金額は日本円にして2800億円を超えるとも伝わっているが、株価の反応は薄い。

■日経レバ <1570>  14,045円  -170 円 (-1.2%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が6日続落。1万4000円大台を約1カ月半ぶりに下回ってきたほか、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線も下に抜けつつある。同銘柄は日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率は日経平均の2倍に基本設定されており、全体相場が波乱含みの地合いになると個人投資家などの短期資金の参戦が活発化する。売買代金は全市場を通じてトップ。今週は週末にメジャーSQ算出を控えることもあり、先物主導で不安定な展開となりやすい。前日の米国株市場ではインフレ警戒感から米長期金利が上昇し、これを嫌気する格好でハイテク株中心に持ち高を減らす動きが続いた。東京市場でもこれに追随する動きとなっている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,034.5円  -14 円 (-0.7%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>など自動車株は売り買い交錯。底堅さを発揮しているが上値も重い状況にある。米国では前日発表された8月のISM非製造業景況感指数が事前コンセンサスを上回ったことで、FRBによる金融引き締め強化への思惑から米長期金利が3.3%台半ばまで上昇、これを受けて外国為替市場ではドル買いが加速、足もと1ドル=143円台後半まで急激にドル高・円安が進む場面があった。輸出セクターのなかでもとりわけ為替感応度の高い同社株は、輸出採算向上期待から株価面ではプラス作用しやすい。同社の23年3月期の通期想定為替レートは1ドル=130円だが、実勢はそれより13円以上も円安に振れている。一方、世界景気の減速懸念を背景に自動車販売の先行きに不透明感も意識され、積極的に上値を買う動きもみられず、2000円トビ台は強弱観が対立している。

■インフォネット <4444>  873円  +150 円 (+20.8%) ストップ高   本日終値
 インフォネット<4444>はストップ高。6日の取引終了後、サイバーセキュリティー専門企業のセキュアブレイン(東京都千代田区)と業務提携し、セキュアブレインの「GRED(グレッド)Web改ざんチェック Cloud」の提供を開始したと発表しており、これが好感された。「GRED Web改ざんチェック Cloud」は、一般のWEB閲覧と同じようにインターネット側からコンテンツをチェックするため、サーバー側の監視では見つけることができない改ざんも検知が可能な点が特徴。独自開発の検知エンジンが、コンテンツのさまざまな要素を解析するので、多様なパターンの改ざんを検知するという。インフォネットでは、「GRED Web改ざんチェック Cloud」をオールインワン商用コンテンツ管理システム「infoCMS」利用顧客に提供することで、より安心・安全なWEBサイト運営が可能になるとしている。

■エンバイオH <6092>  735円  +100 円 (+15.8%) ストップ高   本日終値
 エンバイオ・ホールディングス<6092>は急騰。6日の取引終了後、子会社エンバイオ・エンジニアリングが開発した浄化技術の事業計画について、経済産業大臣と環境大臣から「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」に適合していることが確認され、商業利用が可能になったと発表。これを材料視した買いが膨らんだようだ。コストの高い掘削除去工法を選択せざるを得ない塩素化エチレン類汚染土壌・地下水の現場に対して活用していくという。今後3年間において、同件に伴う連結売上高の増加見込みは直前連結会計年度の連結売上高の10%未満となる見通し。今期の連結業績に与える影響は軽微としている。

■ジェイフロンティア <2934>  2,522円  +231 円 (+10.1%)  本日終値
 ジェイフロンティア<2934>が急反発。午前10時ごろ、オンライン診療・服薬指導・処方薬配送サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」が、全国で調剤薬局を285店舗展開するマリーングループホールディングス(京都市下京区)に採用されたと発表しており、これが好感された。「SOKUYAKU」は、スマートフォンを活用し、自宅やオフィスにいながらオンライン診療、服薬指導の受診、最短当日中の薬の受け取りを可能にするオンライン診療・服薬指導・処方薬宅配サービス。マリーングループでは、処方箋をネットで送付し、予約受け付けを行うなど患者の利便性を向上させる取り組みを積極的に進めてきたが、更なる利便性の向上を目指し、今回の導入に至ったという。

■ウェルネット <2428>  588円  +49 円 (+9.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 ウェルネット<2428>は大幅高で年初来高値更新。6日の取引終了後、これまで未定としていた23年6月期業績予想を発表。売上高を前期比3.9%増の93億円、純利益を同12.8%増の6億円と増収増益となる見通しを示しており、これが好感されたようだ。配当予想も前期比増額の16円(前期14円13銭)を見込む。新型コロナウイルスに関連して、国内における人の移動が一定程度回復するとの見込みを前提としている。あわせて、25年6月期を最終年度とする中期経営計画を発表。最終年度に売上高136億円、純利益10億円とする目標を掲げた。

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