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【市況】米国株式市場見通し:パウエルFRB議長発言やアップルのイベントに注目


FRBのパウエル議長は9月FOMCを約2週間弱後に控えた8日に金融政策を巡る討論会に参加予定で発言に注目だ。議長はジャクソンホール会合で、「物価安定には時間がかかり力強い行動が必要」と積極的な利上げを続ける想定以上のタカ派姿勢を示し、株式市場では金利高を警戒した売りが広がった。同様のタカ派発言は引き続き売り材料になり易い。9月相場は季節的に下落相場で、戻り売り圧力が強まりやすい。1950年以降の9月株式相場の平均トータルリターンは-0.5%だ。また、中間選挙の年でもあり、アノマリーの観点から第4四半期まで調整局面が続きそうだ。引き続き経済指標やFRB関係者の発言を受けた金利動向には敏感な商状になるだろう。

携帯端末のアップルは例年よりも早い7日に新製品発表イベントを開催する予定で、注目材料だ。アップルはこのイベントで、年末商戦に向けたアイフォーンの最新機種14や新型スマートウォッチを発表すると期待されている。また、アイフォーンハードウェアのサブスクリプションなどの発表の可能性も報じられている。FRBの長期にわたる金融引き締め観測で続落しているハイテクセクターの押し上げをけん引できるかどうかに注目だ。一方で、期待感を受けた買いが短期的に株価を押し上げた後、利食い売りに押されて失速する可能性も十分にあり、警戒が必要だ。なお、5日はレーバーデーの祭日で、休場となる。

経済指標では8月サービス・総合PMI確定値、8月ISM非製造業景気指数(6日)、7月貿易収支(7日)、新規失業保険申請件数(8日)、7月卸売売上高(9日)、などが予定されている。また、FRBは7日に地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表する。この結果は次回9月FOMCでの金融政策決定において材料となる。特に雇用や物価関連のコメントに注目だ。もし、経済活動が順調に拡大し、さらに、労働市場の逼迫状況が継続していることや物価上昇が指摘された場合、9月の0.75ptの利上げ観測が強まり、相場のネガティブ材料となるだろう。

主要企業決算では、ゲーム販売のゲームストップ(7日)、電子署名のドキュサイン、高級家具販売のRH(8日)、スーパーマーケットチェーン運営のクローガー(9日)などが予定されている。ドキュサインはコロナの時期の特需後退で引き続き需要の鈍化が警戒される。また、RHもコスト上昇などが業績の逆風になった可能性があり、注意が必要だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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