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【市況】米国株式市場見通し:ジャクソンホール会議に注目


連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げへの警戒感から買いづらい状況になりそうだ。一方、インフレ減速の兆候や一部小売決算などから依然として堅調な消費が確認されており、相場の下値を支えよう。また、各企業の収益率が依然上昇傾向にあることも相場を支援するだろう。

最近の原油価格の下落が奏功し、インフレのピークアウト観測が強まりつつある。期待インフレ率も低下し、FRBがいずれ利上げペースを減速させるとの思惑が相場を支援してきた。一方で、金融政策者はインフレ制御はまだ「長い道のり」と、利上げを継続する姿勢を崩しておらず、相場の上昇を抑制することになりそうだ。FRB高官は政策金利であるFF金利誘導目標を年内に3%半ば、あるいは4%近くまで引き上げる必要があるとの考えを変えていない。

来週はカンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで25日から27日に年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を開催予定で注目だ。26日にはパウエル議長の経済見通しについての講演が予定されており、特に注目される。他の高官の発言から、議長も利上げを積極的に続けていく方針を再表明することが想定される。しかし、労働市場が依然強く、経済が景気後退に陥ることなく利上げが可能との楽観的な見解を繰り返した場合、ソフトランディング(軟着陸)期待が相場を支援するだろう。

経済指標では7月シカゴ連銀全米活動指数(22日)、8月S&Pグローバル米国製造業・サービス・総合PMI速報、8月リッチモンド連銀製造業指数、7月新築住宅販売件数(23日)、7月耐久財受注速報、7月中古住宅販売仮契約(24日)、週次新規失業保険申請件数、4-6月期GDP改定値、8月カンザスシティー連銀製造業活動指数(25日)、7月卸売在庫速報、7月個人所得・支出、PCEコアデフレータ、8月ミシガン大消費者信頼感指数(確定値)(26日)などが予定されている。

主要企業決算では、ビデオ会議を提供するズームビデオコミュニケーションズ(22日)、ソフトウエア・メーカーのインテュイット(23日)、クラウド型ソフトウェア会社のセールスフォースやスノ?フレーク(24日)、IT会社のヴイエムウェア、エンタープライズ・クラウド・アプリを手掛けるワークデイ、在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ、コンピューターメーカーのデル・テクノロジー、ディスカウント小売チェーンのダラー・ゼネラルやダラー・ツリー(25日)などが予定されている。

包括的な事業改革に踏み切ったペロトン・インタラクティブの決算では業績回復が期待される。また、景気後退時に強いとされるダラー・ゼネラルやダラー・ツリーなどの業績にも期待したい。

電気自動車メーカーのテスラは、25日付で1対3の株式分割を実施する予定で、短期的な株価の上昇に繋がりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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