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【特集】14年間で「大失敗フリー」、秘訣は海外投資家への営業経験からの学び
第26回 日本株&アメ株で勝つ人
~個人投資家4800人の調査で判明!
(バガー投資家・ロメオさんの場合)
定年退職後に日本株投資を始めて14年間、大きな損失を出した取引はゼロ。買値の▲30%以上の水準で損切りしたことは「一度もない」と言う。
このように失敗を避けて元手を5倍に増やしてきたのが、今回紹介する専業投資家のロメオさん(ハンドルネーム)だ。その投資法は、グローバルな競争力のある日本企業を長期保有するものだ。保有している15銘柄のほぼ全てがキャピタルゲイン狙いになる。
リーマン・ショックやチャイナ・ショック、そしてコロナ大暴落などの相場のショックをうまく回避して来られたポイントは、海外の機関投資家が注目を集めそうな要素を意識して銘柄を選んでいることだ。
加えて、株主総会には必ずといっていいほど出席して、潜在的な成長力はどこにあるのかを肌感覚で掴み取ることに努めてきた。これらを組み合わせて成長株に投資することで、一過性の値動きに振り回されずに値上がりを待つことができている。
この手法は、新卒から定年まで勤めた国内証券会社で、欧米に18年駐在し、現地の機関投資家から学んできたことを活かしたもの。当時ロメオさんの所属は為替部門だったのだが、彼らは為替と株式でアービトラージ(裁定取引)を手掛けていたため、ロメオさんは為替に加え株式にかかわる投資戦略にも触れることができた。
海外投資家と築いてきた接点を、ロメオさんは銘柄選びや売買の判断に、どのように生かしているのかを見ていこう。
レーザーテク株、5年間でテンバガー達成
直近でテンバガーを達成した事例が、液晶・半導体検査装置を手掛けるレーザーテック<6920>だ。
2017年に買い出動し、19年の買い増しを経て21年後半に持ち株の大半を売却した。そのときのリターンは800万円以上。現在は200株を保有し、足元では300万円以上の含み益となっている。
■レーザーテクの月足チャート(2016年9月~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
同社株に目を付けたのは、ロメオさんがこだわる4つの基準をすべて満たしていたため。それが、
① グローバルニッチ
② 売上高営業利益率が20%以上で推移
③ 株価1000円以上で推移
④ 定期的に株式分割を実施
――になる。これらは海外投資家と接してきた自身の経験を基に、彼らが注目する要素を考慮して設けた基準だ。
ロメオさんが海外投資家の動きに注目するのは、彼らの存在感が国内市場で大きいため。2021年では、東証の株式売買高の約半分、売買代金では7割近く(委託取引ベース)を海外勢が占めている。この実績から、彼らの注目する要素が備わった銘柄は、株価のモメンタムが高まる可能性があると見る。
上の4つの基準のうち、最も重視しているのが、1つ目に挙げた「グローバルニッチ」だ。日本企業が国際市場で存在感を発揮するための有力な手段になると考えているため。そのニッチ市場が成長分野なら「なお理想」と本人は言う。
2つ目の「売上高営業利益率」は、効率よく稼ぐ力を測るものさしとして活用している。
3つ目の「株価1000円以上」は、これまで接したことのある複数の海外投資家が「10ドル以下の銘柄は投資対象にしない」と発言していたことを踏まえたもの。
4つ目の株式分割の積極性については、流動性が高まるほど、売りたいときに売りやすくなり、海外勢が注目するきっかけにもなると考えるためだ。
これら4つの基準について、レーザーテク株は以下の表のように条件を満たしていた。
■ロメオさんの銘柄選別の基準と、購入時のレーザーテクの状況
株主総会に必ず参加、企業の潜在性をチェック
購入後は、株主総会に参加し、そこで語られる経営陣の話などから保有を継続するかを判断する。資料に載っていない話も多く出てくるため、その企業の潜在性などをチェックする貴重な情報収集の場になる。
レーザーテク株を長期保有する決め手になったのは、会社と従業員が堅い信頼関係で結ばれていることを定性的に感じ取ったからだ。これは過去に出席した同社の株主総会で体感したことだった。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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~個人投資家4800人の調査で判明!
(バガー投資家・ロメオさんの場合)
編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)
ロメオさん(70代・男性・専業投資家)のプロフィール:
新卒から定年まで勤めた国内証券会社を退職した後、2008年に株式投資を本格的にスタートする。投資スタイルはファンダメンタルズ重視で、海外勢の注目を集めそうな国際競争力のある銘柄を長期保有するもの。証券会社時代に学んだ、海外の機関投資家の考え方を自身の投資に活かしている。足元の日本株資産は5000万円。累計で投じてきた元本の5倍になる。現在は仲間内で投資勉強会を定期開催し、インプット・アウトプットにも意欲的に取り組んでいる。
新卒から定年まで勤めた国内証券会社を退職した後、2008年に株式投資を本格的にスタートする。投資スタイルはファンダメンタルズ重視で、海外勢の注目を集めそうな国際競争力のある銘柄を長期保有するもの。証券会社時代に学んだ、海外の機関投資家の考え方を自身の投資に活かしている。足元の日本株資産は5000万円。累計で投じてきた元本の5倍になる。現在は仲間内で投資勉強会を定期開催し、インプット・アウトプットにも意欲的に取り組んでいる。
定年退職後に日本株投資を始めて14年間、大きな損失を出した取引はゼロ。買値の▲30%以上の水準で損切りしたことは「一度もない」と言う。
このように失敗を避けて元手を5倍に増やしてきたのが、今回紹介する専業投資家のロメオさん(ハンドルネーム)だ。その投資法は、グローバルな競争力のある日本企業を長期保有するものだ。保有している15銘柄のほぼ全てがキャピタルゲイン狙いになる。
リーマン・ショックやチャイナ・ショック、そしてコロナ大暴落などの相場のショックをうまく回避して来られたポイントは、海外の機関投資家が注目を集めそうな要素を意識して銘柄を選んでいることだ。
加えて、株主総会には必ずといっていいほど出席して、潜在的な成長力はどこにあるのかを肌感覚で掴み取ることに努めてきた。これらを組み合わせて成長株に投資することで、一過性の値動きに振り回されずに値上がりを待つことができている。
この手法は、新卒から定年まで勤めた国内証券会社で、欧米に18年駐在し、現地の機関投資家から学んできたことを活かしたもの。当時ロメオさんの所属は為替部門だったのだが、彼らは為替と株式でアービトラージ(裁定取引)を手掛けていたため、ロメオさんは為替に加え株式にかかわる投資戦略にも触れることができた。
海外投資家と築いてきた接点を、ロメオさんは銘柄選びや売買の判断に、どのように生かしているのかを見ていこう。
レーザーテク株、5年間でテンバガー達成
直近でテンバガーを達成した事例が、液晶・半導体検査装置を手掛けるレーザーテック<6920>だ。
2017年に買い出動し、19年の買い増しを経て21年後半に持ち株の大半を売却した。そのときのリターンは800万円以上。現在は200株を保有し、足元では300万円以上の含み益となっている。
■レーザーテクの月足チャート(2016年9月~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
同社株に目を付けたのは、ロメオさんがこだわる4つの基準をすべて満たしていたため。それが、
① グローバルニッチ
② 売上高営業利益率が20%以上で推移
③ 株価1000円以上で推移
④ 定期的に株式分割を実施
――になる。これらは海外投資家と接してきた自身の経験を基に、彼らが注目する要素を考慮して設けた基準だ。
ロメオさんが海外投資家の動きに注目するのは、彼らの存在感が国内市場で大きいため。2021年では、東証の株式売買高の約半分、売買代金では7割近く(委託取引ベース)を海外勢が占めている。この実績から、彼らの注目する要素が備わった銘柄は、株価のモメンタムが高まる可能性があると見る。
上の4つの基準のうち、最も重視しているのが、1つ目に挙げた「グローバルニッチ」だ。日本企業が国際市場で存在感を発揮するための有力な手段になると考えているため。そのニッチ市場が成長分野なら「なお理想」と本人は言う。
2つ目の「売上高営業利益率」は、効率よく稼ぐ力を測るものさしとして活用している。
3つ目の「株価1000円以上」は、これまで接したことのある複数の海外投資家が「10ドル以下の銘柄は投資対象にしない」と発言していたことを踏まえたもの。
4つ目の株式分割の積極性については、流動性が高まるほど、売りたいときに売りやすくなり、海外勢が注目するきっかけにもなると考えるためだ。
これら4つの基準について、レーザーテク株は以下の表のように条件を満たしていた。
■ロメオさんの銘柄選別の基準と、購入時のレーザーテクの状況
選別基準 | レーザーテクの状況 |
グローバルニッチ | 半導体関連という成長分野でニッチ追求の姿勢を鮮明に。 一部の製品で世界トップシェア |
売上高営業利益率 | 2014年6月期以降、20%を上回る水準で推移 |
株価1000円以上 | 株式分割前で、株価は1000~1500円で推移 |
株式分割 | 17年4月に購入するまでに4回の実績あり。 株式の流動性を意識していると判断 |
株主総会に必ず参加、企業の潜在性をチェック
購入後は、株主総会に参加し、そこで語られる経営陣の話などから保有を継続するかを判断する。資料に載っていない話も多く出てくるため、その企業の潜在性などをチェックする貴重な情報収集の場になる。
レーザーテク株を長期保有する決め手になったのは、会社と従業員が堅い信頼関係で結ばれていることを定性的に感じ取ったからだ。これは過去に出席した同社の株主総会で体感したことだった。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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