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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日電産、任天堂、トヨタ

日電産 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本電産 <6594>  9,767円  +214 円 (+2.2%)  本日終値
 日本電産<6594>が続伸、9700円台まで上値を伸ばし7月20日につけた戻り高値をクリア、3月30日以来となる1万円大台復帰も視野に入ってきた。企業の決算発表がたけなわだが、同社は他社に先駆けて7月20日に22年4~6月期決算を発表しており、最終利益は前年同期比24%増の413億2100万円と大幅な伸びを確保している。円安効果による部分も大きいとはいえ、四半期ベースでは過去最高を更新。しかし、決算発表前に株価水準を切り上げていたこともあり、いったん目先材料出尽くし感から下値を探る展開を強いられていた。きょうは、全体相場が強気優勢の地合いに傾いていることで、好業績を再評価する買いを引き寄せているほか、市場では「同社株が10月の日経平均入れ替えで新規採用される有料候補との見方が出ており、それを先取りする買いが観測されている」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■シグマクシス <6088>  1,288円  +17 円 (+1.3%)  本日終値
 シグマクシス・ホールディングス<6088>は買い優勢で始まり、きょうで6連騰と気を吐いた。同社は戦略立案から開発、実行までワンストップで対応する新興コンサルティング会社で、人工知能(AI)を活用した高付加価値案件で優位性を発揮している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込み業績は高成長トレンドに乗っている。3日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算は営業利益が前年同期比67%増の6億3100万円と大幅な伸びを達成、これを好感する形で投資資金の流入が続いている。1月4日につけた年初来高値1328円を7カ月ぶりに更新した。

■東武鉄道 <9001>  3,210円  +35 円 (+1.1%)  本日終値
 東武鉄道<9001>が大幅反発し、年初来高値を更新。3日の取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(4~6月)の連結経常利益は前年同期比2.3倍の143億6400万円に拡大しており、これを好感する買いが入った。政府による行動制限の解除などを背景に、レジャー事業の収益が急改善したほか、百貨店を中心とする流通事業も回復をみせた。また、運輸事業は定期外旅客収入が大きく伸び、2ケタ増収増益を達成した。第1四半期の経常利益は上期計画(115億円)を既に大きく上回っており、業績上振れが期待される。

■京王電鉄 <9008>  5,170円  +30 円 (+0.6%)  本日終値
 京王電鉄<9008>が一時240円高の5380円に買われ約半年ぶりの高値圏に浮上、このほか電鉄株が総じて物色人気を集める展開となった。京王は3日取引終了後、23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算を発表、営業利益は51億4000万円の黒字(前年同期は12億8500万円の赤字)と大幅改善しており、これを評価する形で投資資金が流入した。このほかにも同日に決算発表した東武鉄道<9001>や阪急阪神ホールディングス<9042>なども好決算を手掛かりに株価を上昇させている。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかも、市場では「今は以前と違って行動規制が入らず、ウィズコロナで経済が回る状況が定着。株式市場でもネガティブ視されなくなっている」(ネット証券アナリスト)という見方で、電鉄株などは足もとの業績回復が確認されたことを契機に買い戻す動きが活発化している。

■任天堂 <7974>  56,930円  +230 円 (+0.4%)  本日終値
 任天堂<7974>は売り買いが錯綜する展開。売買代金はプライム市場で首位(午前9時15分現在)。同社が3日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算は最終利益が前年同期比28%増の1189億8400万円と3割近い伸びを示した。外国為替市場で急速に進む円安の効果で為替差益が発生し反映された。ただ、半導体不足の影響で家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売が低調で売上高は前年同期実績を5%下回った。本業のもうけを示す営業利益も同15%減の1016億4700万円と2ケタ減益を余儀なくされており、今回の決算は株価的にはネガティブに働きやすい。ただ、同社株は前日まで4日続落するなど、決算発表に先駆けて売り込まれており、きょうは空売りの買い戻しなども観測され、前日終値近辺で強含みで推移している。

■Zホールディングス <4689>  440.7円  -54.4 円 (-11.0%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 Zホールディングス<4689>が大幅安で8日ぶり反落。3日の取引終了後、23年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表。純利益が前年同期比5.2%減の252億3200万円で着地しており、これを嫌気した売りが強まったようだ。売上収益は同4.6%増の3905億6500万円と増加した。「Yahoo!」「LINE」における広告売り上げや、運営するネット通販や旅行サイトなどの主力事業が堅調だった。一方、販管費の増加をはじめ、PayPayや出前館<2484>など関連会社の持ち分法投資損失が響き、利益は減少した。

■セガサミー <6460>  2,050円  -196 円 (-8.7%)  本日終値  東証プライム 下落率5位
 セガサミーホールディングス<6460>が急反落。きょう昼ごろに23年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表し、経常利益は前年同期比22.1%増の42億5500万円で着地した。ただ、通期計画に対する進捗率が10.6%となり、過去5年平均(35.1%)を下回る水準となったことから、これを懸念する向きもあるようだ。売上高は同11.2%増の661億1800万円だった。新作タイトルの販売や既存タイトルの好調により、主力のエンタテインメントコンテンツ事業が伸びた。また、パチスロ機を手掛ける遊技機事業やリゾート事業も伸び、全体業績に貢献した。なお、通期見通しは据え置いている。

■INPEX <1605>  1,415円  -66 円 (-4.5%)  本日終値
 INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>が安い。3日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月限が前日比3.76ドル安の1バレル=90.66ドルに下落した。一時、90.38ドルと2月下旬以来、5カ月ぶりの水準に下落した。米エネルギー情報局(EIA)が発表したガソリン在庫統計が市場予想に比べ増加し、需給悪化懸念が台頭した。一方、3日に開催された石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国から構成する「OPECプラス」は小幅増産を決めるにとどまった。

■JFEホールディングス <5411>  1,414円  -60 円 (-4.1%)  本日終値
 ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>は大幅安で3日続落。3日の取引終了後、未定としていた23年3月期の連結業績予想について、売上高は5兆3700億円(前期比23.0%増)と増収となるものの、純利益は1400億円(同51.4%減)と大幅減益を見込み、中間配当予想は40円(前年同期60円)を実施すると発表しており、これが嫌気された。鉄鋼事業において、国内外の新型コロナウイルス感染症からの経済回復に加え、中国政府の景気対策による需要が見込まれることから鋼材需要の緩やかな回復が継続すると想定している。ただ、急激な円安進行による為替影響や棚卸資産評価差などが減益要因となる見通し。なお、期末配当予想は引き続き未定としている。また、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高が1兆2536億円(前年同期比41.0%増)、純利益838億4400万円(同35.3%増)だった。

■トヨタ自動車 <7203>  2,091.5円  -64.5 円 (-3.0%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が後場に入り下げ幅拡大。同社は午後1時25分に決算発表を行った。23年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は、前年同期比42.0%減の5786億5500万円となった。市場では8600億円前後が予想されていた。23年3月期の営業収益は従来予想の33兆円が34兆5000億円(前期比9.9%増)、純利益は同2兆2600億円が2兆3600億円(同17.2%減)に上方修正された。今期の想定為替レートは1ドル=130円(従来115円)に見直されている。

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