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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 日経225先物は2万8000円の攻防、NTロングによるスプレッド狙いの動きが入りやすい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28010 +300 (+1.08%)
TOPIX先物 1947.5 +20.0 (+1.03%)
シカゴ日経平均先物 27975 +265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 3日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米ISM非製造業景況感指数が予想に反して上昇したことが好感された。ペロシ米下院議長が台湾訪問を終え、米中関係への過度な懸念がひとまず和らいだことも安心感につながった。長期金利の低下を受けてアマゾン・ドット・コム<AMZN>やメタプラットフォームズ<META>といった大型テック株のほか、半導体株の買いを誘った。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、小売、メディア、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギー、食品・生活必需品小売が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比265円高の2万7975円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万7730円で始まり、2万7700円と一時下落に転じたものの、その後は下値を切り上げる動きを見せた。米国市場の取引開始直後に2万7800円を回復し、2万7780円~2万7830円辺りでの保ち合いを継続していたが、取引中盤から上昇基調を強め2万8000円を回復。終盤にかけては2万7950円~2万8010円で保ち合い、2万8010円とナイトセッションでの高値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まることになりそうだ。米国ではISM非製造業景況感指数が予想に反して上昇したことが材料視されるなど、引き続き景気指標の影響を受けやすいほか、米中関係にしても改善したわけではなく楽観視はできない面がある。ただし、ナスダックが明確に6月高値を上回るなか、投資配分を引き下げていたロングオンリーのファンドによる買いは意識されそうだ。

 また、前日の取引終了後に決算を発表し、時間外取引で大きく売られていたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>は1.2%安と下落幅は限定的だった。一方で、その他のSOX指数構成銘柄は総じて堅調だったこともあり、指数インパクトの大きい値がさ株への支援材料になりやすく、日経平均型優位の相場展開に向かわせよう。日経225先物は2万8000円水準が心理的な上値抵抗として意識されており、本日も買い一巡後はこう着感が強まる可能性はあるものの、NTロングによるスプレッド狙いの動きは入りやすいと考えられる。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で一時14.40倍まで上昇する場面が見られた。6月6日につけた直近高値14.42倍に迫っており、いったんは利益確定に伴うリバランスも入るだろうが、52週移動平均線を支持線に変えてきているなか、1月4日高値14.48倍辺りにターゲットを切り上げよう。なお、トヨタ自動車 <7203> [東証P]が午後に第1四半期決算を発表する予定である。TOPIX型に与えるインパクトが大きいトヨタの反応次第では、NT倍率にも影響を与える可能性があるため注意しておきたい。

 VIX指数は21.95に低下した。切り下がる25日線に上値を抑えられる格好で、5日線を下回る形状である。また、52週線が抵抗線として意識されてきたため、テクニカル面では低下傾向が継続しやすく、リスク選好に向かわせよう。日経225先物は2万8000円処では強弱感が対立しやすいだろうが、オプション権利行使価格の2万7875円~2万8125円辺りのレンジを想定。

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