【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):マイクロ波、アクサスHD、ジーダット
スキヤキ <日足> 「株探」多機能チャートより
アスクル<2678>は続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は12日、同社株のレーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。目標株価は2300円から1450円に見直した。同社は昨年7月に25年5月期を最終年度とする中期経営計画を発表したが、同計画の実行・成果に対するバリュエーションの切り上がりは見込み難い、とみている。具体的には、「22年5月期でB to B事業の会社計画売上高を達成できなかった」ことや「ソロエルアリーナのオープン化の遅れ」などを指摘している。
■INPEX <1605> 1,366円 -23 円 (-1.7%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が安い。12日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前日比8.25ドル安の1バレル=95.84ドルと大幅に下落した。中国での新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念が強まるなか、原油需要が落ち込むことなどが警戒された。また、米国に加え欧州景気などへの不安が高まっていることも原油安の要因となっている。この原油価格下落を受け、INPEXなどへの売りが強まっている。
■マイクロ波化学 <9227> 870円 +150 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
マイクロ波化学<9227>がストップ高。午前11時30分ごろ、マイクロ波加熱を用いる省エネ・CO2削減精製技術でリチウム実鉱石の溶解に成功したと発表しており、これが好感された。同試験は、21年12月に量子科学技術研究開発機構と共同研究契約を締結し進めてきたもので、リチウム鉱山で採鉱し選別された実際のリチウム鉱石であるスポジュミン精鉱に省エネ精製技術を適用し、マイクロ波加熱温度300度で溶解することに成功したという。これにより、これまで精製コストが高かった鉱山からのリチウム精製コストの低減に貢献でき、リチウム精製に係る対環境負荷の低減だけではなく、リチウム価格の低下にも期待できるとしている。
■アクサスHD <3536> 134円 +23 円 (+20.7%) 本日終値
アクサスホールディングス<3536>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社はきょうの寄り付き前に、22年8月期通期の連結業績予想と配当計画の修正を発表。営業利益の見通しを従来の3億9700万円から4億5000万円(前期比21.0%増)に引き上げたことや、期末一括配当を従来計画比2円増額の4円(前期は3円)にするとしたことが好感されたようだ。売上高の見通しは従来通り116億7500万円(同1.1%減)で据え置いたが、小売事業の販売施策の見直しによる販管費の合理化などに取り組んだことが利益の押し上げ要因だとしている。
■ジーダット <3841> 902円 +150 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
ジーダット<3841>がストップ高。同社は半導体回路や液晶パネルの自動設計ソフトを開発している。海外企業との連携にも積極的で高技術力に定評がある。12日取引終了後、中国清華大学が設立したソフトベンダーEXCEEDA社の最新フローティングランダムウォーク法抽出エンジンを導入した液晶・OLEDパネル向け高精度・高速容量抽出ソルバーを開発したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。同商品は、解析サイズに制限なく高精度を保ったまま処理速度を10~100倍に向上させることを可能とするもので、今後国内外のパネルメーカーからの需要獲得が期待される状況にある。
■SKIYAKI <3995> 522円 +80 円 (+18.1%) ストップ高 本日終値
SKIYAKI<3995>がストップ高。同社はきょう、音声プラットフォーム事業を手掛けるVoicy(東京都渋谷区)と資本提携したと発表しており、これが材料視されたようだ。同社はVoicyが実施した第三者割当増資の引き受けにより、一部株式を取得。今後、音楽アーティストや俳優・声優などのクリエイター基盤に強みを持つスキヤキと、文化人やインフルエンサーなどの領域に強いVoicyが、双方の得意領域を共有しあうことで、相互のクリエイター層の拡大を推進するとしている。
■セルム <7367> 735円 +84 円 (+12.9%) 一時ストップ高 本日終値
セルム<7367>が大幅反発。12日の取引終了後、5月27日に発表した自社株買いについて、取得価額の上限を7億円から8億5000万円へ引き上げたことが好感された。株数の上限の180万株(発行済み株数の13.4%)、取得期間の8月29日までは変更せず。なお、6月30日現在で60万8000株を3億8700万円で取得している。
■三協立山 <5932> 616円 +64 円 (+11.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
三協立山<5932>が急動意、5日移動平均線を足場に一気に底離れの様相を示している。同社はアルミ建材の大手でM&A戦略にも積極的。12日取引終了後に発表した23年5月期の業績予想は売上高が前期比10%増の3750億円と2ケタ伸長を見込み、営業利益は同32%増の50億円と急回復を見込んでおり、これをポジティブ視する買いを呼び込んだ。また、株主還元にも前向きで今期は前期実績から5円増配の20円を計画、配当利回りの高さも物色人気を助長している。株価は今月6日に534円で年初来安値をつけるなど大底圏に位置していた。有配企業にもかかわらずPBRが0.2倍台という特筆に値する割安圏に放置されていたこともあって、目先水準訂正狙いの買いを呼び込んでいる。
■HEROZ <4382> 898円 +81 円 (+9.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
HEROZ<4382>が後場動意。同社はきょう、完全自動運転車の実現を目指して研究開発・販売に取り組むTURING(千葉県柏市)に出資したと発表しており、これが材料視されたようだ。TURINGは現在、自動運転AIアルゴリズムの開発や走行実験・走行データ取得などを行っているスタートアップ企業。TURING創業者である山本一成氏は、HEROZにエンジニア(現技術顧問)として在籍し、将棋の名人に勝利した将棋プログラム「Ponanza」の作者でもある。
■まぐまぐ <4059> 700円 +62 円 (+9.7%) 一時ストップ高 本日終値
まぐまぐ<4059>が一時ストップ高をつけ、年初来高値を更新した。同社はきょう、音声プラットフォーム「Voicy」を運営するVoicy(東京都渋谷区)に出資したと発表しており、これが材料視されたようだ。同社は今回の出資によりシナジーの創出を期待しているほか、音声とテキスト両方の発信を行うクリエイター支援事業への参入機会をうかがうという。また、Voicyは現在上場準備を進めており、そのサポートも行うとしている。
株探ニュース