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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 米国のセンチメントは改善傾向、政策期待により2万7000円を意識したトレンド形成に期待


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 26800 +190 (+0.71%)
TOPIX先物 1909.5 +15.0 (+0.79%)
シカゴ日経平均先物 26775 +165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇。注目された6月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比37万2000人増と市場予想を上回った。米連邦準備理事会(FRB)が7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続で0.75%の利上げに動きやすくなる、との観測から売り優勢の展開。ただし、売り一巡後は米労働市場の力強さが示されたとして、景気後退局面入りの懸念が和らぎ、ソフトランディング(軟着陸)への期待からNYダウはプラスに転じる場面も見られた。景気敏感株が総じて軟調だった半面、半導体株の一角が買われ、ナスダックは5営業日続伸。S&P500業種別指数は自動車・同部品、ヘルスケア機器・サービス、食品・生活必需品小売、半導体・同製造装置が上昇する一方で、家庭用品・パーソナル用品、素材、電気通信サービス、運輸が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比165円高の2万6775円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円高の2万6620円で始まり、その後2万6520円まで売られたものの、米国市場の取引開始前には2万6760円まで買われプラスに転じた。取引開始後は強弱感が対立し下げに転じる場面もあったが、終盤にかけて一時2万6820円まで買われ、2万6800円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。先週末のランチタイムで2万6860円辺りから2万6390円までの急落によってヘッジ対応の売りが膨らみ、需給不安も見られたが、ナイトセッションで需給調整は一巡したようである。

 米国では足元でハイテク株のリスクを取りに行く動きが継続しており、センチメントは改善傾向に向かっていると見られる。13日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとのムードから、積極的にポジションは傾けづらいが、VIX指数は24.64に低下し、これまで支持線として意識されていた75日移動平均線を明確に割り込んできたため、リスク選好に向かわせよう。

 また、参議院選挙で自民党が単独で改選過半数の63議席を獲得することが確実になり、改めて政策期待が高まりやすい。日経225先物はナイトセッションで25日線を上回って終えており、インデックスに絡んだ買いが見込まれるなか、75日線の2万6884円および節目の2万7000円が意識されるだろう。そのため、想定レンジはオプション権利行使価格の2万6750円を中心に2万6500円~2万7000円となり、75日線を早い段階で上放れてくるようだと、6月29日につけた2万7220円を目先的なターゲットとしたロングに向かいそうだ。

 先週のNT倍率は先物中心限月で14.04倍に低下した。14.10倍水準が引き続き上値抵抗線となりそうだが、米ハイテク株物色の流れを引き継ぐ格好で、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が指数をけん引すると見られ、短期的にはNTロング狙いの動きが入りやすいと考えられる。

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