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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「企業業績の先行きに不透明感、様子見の夏相場」

株式評論家 富田隆弥

◆東京は身体にこたえる連日の酷暑だが、株式市場にも疲労感が漂う。夏休みを迎える7月は身体も、相場も「無理はせず」がテーマになる。

◆2022年の前半相場が終わった。株式市場では昨年末からこの前半に付けた安値まで、日経平均株価は▲14.3%(3月安値2万4681円)、NYダウが▲18.4%(6月安値2万9653ドル)、ナスダックが▲32.5%(6月安値1万0565ポイント)と大きく下落し、チャートは右肩下がりにある。

◆右肩下がりのチャートは、買い方が苦戦を強いられていることを示す。昨年まで機関投資家は(個人投資家も)、巨大IT企業「GAFAM」を中心に大量の資金を米国株に投じたが、今年の下落により株式で大きな「評価損」を抱えている可能性も否定できない。

◆日本では7月10日投開票の参議院選挙が当面の焦点だが、それを過ぎると政策期待も、金融界のボーナス獲得作戦も山を越す。次は7月後半からの決算発表(4-6月期)がポイントになるが、資源高に伴うコスト増や円安に加えて在庫増の懸念も加わり、昨年までのような好調は期待できそうにない。米国ではインフレ圧力と金利上昇で、企業業績の見通しは日本以上に不透明感を増している。

◆7月になると夏休み(バカンス)が意識され始める。例年、この時期の株式市場は商いが細り、日本株には「8月お盆まで軟調」という夏枯れ相場のアノマリー(経験則)もある。相場で最大の材料は「需給」である。個別株投資はもうしばらく無理はせず、様子を見ながら小口の短期売買を心掛けたい。

(6月30日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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