【市況】来週の株式相場に向けて=下値警戒継続か、ETF分配金捻出絡みの売りも意識
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
加えて、国内要因ではロシアの「サハリン2」に絡む懸念で三菱商事<8058>や三井物産<8031>が急落。日本のエネルギー問題への警戒感も台頭した。市場には、当面の日経平均株価の下値メドは同じく先月20日のザラ場安値を意識した2万5500円近辺との見方が出ている。
来週は週末8日の米6月雇用統計を筆頭に重要イベントが目白押しだ。6日には米6月ISM非製造業景況感指数が発表され、7日には米ADP雇用統計が発表される。6日には、6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。国内でも、特に8日にはパッシブ型ETF分配金の支払日で1兆円強の資金捻出売りが発生するとみられている。「ETF絡みの売り要因が一巡するまで積極的な買いは入れづらい」(市場関係者)との声もあり、需給要因を含め当面の上値は重そうだ。
こうしたなか、軟調相場で活躍できる個別株のポイントは「日本電信電話<9432>や武田薬品工業<4502>のようなディフェンシブ株、あるいは味の素<2802>やキリンホールディングス<2503>などのような強いブランド力を持ち、値上げを推進できる銘柄」(アナリスト)とみられている。
来週は国内では消費関連企業の決算発表が活発化する。4日にクスリのアオキホールディングス<3549>、5日にウエルシアホールディングス<3141>、6日にイオン<8267>、7日にキユーピー<2809>、セブン&アイ・ホールディングス<3382>、8日にライフコーポレーション<8194>などが決算を発表する。また、同じく8日には安川電機<6506>の決算発表が予定されている。同社の決算内容は、今月下旬から本格化する決算発表を前にした前哨戦として注目度が高い。来週の日経平均株価の予想レンジは2万5400~2万6400円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS