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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 VIX指数が30を超えてリスク回避姿勢、FOMC通過までショート優勢に


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27400 -440 (-1.63%)
TOPIX先物 1865.0 -24.0 (-1.27%)
シカゴ日経平均先物 26375 -465
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。10日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に上昇したことにより、インフレ抑制のため14-15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される利上げ幅が0.75%以上になるとの観測も出るなど、積極的な金融引き締めによる景気への影響が警戒されて幅広い銘柄が売られた。米長期金利は一段と上昇し、一時2011年以来の高い水準を付けたことも重荷となった。主要な株価指数は、いずれも年初来安値を更新。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、エネルギー、不動産の弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比465円安の2万6375円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万6860円で始まり、直後につけた2万6880円を高値に下げに転じると、断続的な売りによって下げ幅を拡大。終盤にかけて一時2万6310円まで売られ、2万6400円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、本日もギャップダウンで始まることになりそうだ。昨日はグローベックスの米株先物の弱い値動きから週明けの米国市場の下落が警戒され、これを織り込む格好で1000円を超える下げとなっていた。25日移動平均線を割り込み、75日線水準まで下げていたものの、ナイトセッションでは同線もサポートとして機能せず、あっさりと割り込んできた。米国の主要な株価指数が年初来安値を更新するなか、日経225先物はわずか3営業日で2000円の下落となり、ヘッジ対応の売りが強まりやすい。

 また、VIX指数は34.02と30.00を一気に上回ってきた。一時35.05まで上げており、5月2日につけた36.64に迫る勢いである。リスク回避姿勢が強まるなか、CTAによる仕掛け的なショートも入りやすいだろう。急ピッチの下落に対する自律反発のタイミングを探る動きも意識されてくるが、FOMC通過まではショート優勢の需給状況になりそうだ。

 なお、テクニカル面では3月9日の安値2万4340円と5月13日の安値2万5480円とをつないだトレンドラインの下限は2万6100円辺りとなる。この水準を下回ってくるようだと、5月安値が目先的なターゲットとして意識されるとともに、リバウンドのトレンドが転換する可能性も出てくる。ボリンジャーバンドではナイトセッションで-1σ水準であり、これを下回ると-2σが位置する5月安値水準まで調整する可能性が高まってこよう。

 昨日のNT倍率は14.20倍に低下し、一時75日線が位置する14.18倍まで下げてきた。5月半ば以降、支持線として機能していた75日線を割り込むようだと、5月10日につけた13.98倍を意識したNTショートの動きが入りやすい。一方で、FOMC通過後は日銀の金融政策決定会合に市場の関心が向かうことから、改めて日米金利差を狙った海外勢による資金流入の思惑も高まるだろう。日経225先物は5月安値を意識しつつ、リバウンドのタイミングを探る動きも見せてきそうだ。

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