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【市況】今週の【早わかり株式市況】4週続伸、2万8000円回復も週末の波乱展開で押し戻される

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント

 1.日経平均は4週連続で上昇、週末に大幅安も前半の貯金がきく展開に
 2.岸田政権の打ち出す景気刺激策への期待が消費関連株などに資金誘導
 3.為替の円安進行が輸出セクターに追い風、防衛関連株にも物色の矛先
 4.ECB理事会や米CPI発表などを控え、週後半は不安定な地合いに
 5.週末は欧米株全面安を受けリスクオフ一色、再び2万7000円台へ

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比62円(0.23%)高の2万7824円と週間でプラス圏を維持し、4週連続上昇となった。

 今週はECB理事会及びラガルド総裁の記者会見や、週末の米CPI発表などを控え神経質な展開が予想されたものの、前週の強い地合いを引き継ぎ週央まで強調相場が続いた。ただ、ECB理事会の結果を受け欧米株が全面安となったことで、週末はリスク回避の売りで日経平均は大幅安に。なお、メジャーSQ算出絡みで株式需給面の思惑も交錯した。

 週明け6日(月)は、日経平均は朝安後に切り返す展開。前週末の米国株市場は主要株価指数が大きく売られたものの、外国為替市場で円安が進行したことに加え、岸田政権内で「GoToトラベル」の再開が検討されていると伝わったことなども好感され、消費関連株に資金が流れ、全体相場が押し上げられる格好に。7日(火)は小幅ながら上昇し3日続伸。この日も朝方軟調場面があったが、切り返した。後場は利食いの動きが顕在化し値を消したもののプラス圏で着地。8日(水)はリスク選好ムードが鮮明となり、終値で2万8000円台を回復。前日の米国株が朝安後に高くなり、その流れを引き継いだ。外国為替市場で円安が進んだことも輸出セクターに追い風となり、岸田政権の骨太の方針の閣議決定を受け防衛関連株などに買いが目立った。9日(木)は強弱観対立のなか、日経平均はやや不安定な動きをみせたが、大引けではしぶとくプラスを維持。日本時間同日夜に予定されていたECB理事会を前に積極的な買いも入りにくかった。値下がり銘柄数が多く、TOPIXはわずかながら安く引けている。そして週末10日(金)は一転して波乱含みの展開となり、日経平均は大きく下値を探る展開に。ECB理事会とラガルド総裁の記者会見を受け、前日の欧米株市場が全面安展開となり、東京市場も目先利益確定の売りが噴出した。同日夜に開示される5月の米CPI発表を控え、買い向かう動きも限られた。日経平均は420円あまりの下げで、再び2万7000円台に押し戻された。

■来週のポイント
 来週は、14日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)に視線が集中するなか、国内市場は政策期待の買いが継続するかが焦点となるだろう。日経平均は再び2万8000円台に乗せられるか注目される。

 重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される4-6月期法人企業景気予測調査、15日朝発表の4月機械受注、16日朝に発表される5月貿易統計、16~17日の日銀金融政策決定会合が注目される。海外では14~15日に開催されるFOMC、15日に発表される中国5月の小売売上高と鉱工業生産、17日に発表される米国5月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月6日~6月10日)

【↑】   6月 6日(月)―― 朝安も円安やGoTo再開観測で買い優勢
 日経平均 27915.89( +154.32)  売買高10億0182万株 売買代金 2兆3223億円

【↑】   6月 7日(火)―― 3日続伸、一時2万8000円台回復も終盤伸び悩む
 日経平均 27943.95(  +28.06)  売買高11億7458万株 売買代金 2兆6762億円

【↑】   6月 8日(水)―― 4日続伸、米株高や円安進行で2万8000円台を回復
 日経平均 28234.29( +290.34)  売買高13億0038万株 売買代金 3兆0101億円

【↑】   6月 9日(木)―― 小幅に5日続伸、資源関連株や自動車株などが堅調
 日経平均 28246.53(  +12.24)  売買高12億8727万株 売買代金 3兆2139億円

【↓】   6月10日(金)―― 6日ぶり反落、米株急落を受け利益確定売り優勢
 日経平均 27824.29( -422.24)  売買高12億7253万株 売買代金 3兆1449億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、23業種が値上がり
 (2)値上がり率トップのINPEX <1605> など鉱業をはじめENEOS <5020> など石油、三井物 <8031> など大手商社といった資源株が大幅高
 (3)輸出株は日産自 <7201> など自動車、三菱重 <7011> など機械が買われるも、東エレク <8035> など電機、HOYA <7741> など精密機器は売られた
 (4)三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運、積水ハウス <1928> など建設といった内需株が総じて高い
 (5)金融株はT&D <8795> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行が堅調な一方、オリックス <8591> などその他金融、野村 <8604> など証券は軟調とまちまち
 (6)値下がり率トップは郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(1) インバウンド
  2(2) 防衛
  3(3) メタバース
  4(4) 半導体
  5(22) 円安メリット
  ※カッコは前週の順位

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