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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「SQ通過で上昇一服」

株式評論家 富田隆弥

◆9日の日経平均株価は5日続伸し、一時2万8389円の高値を付け、2万8246円で終えた。節目であった200日移動平均線や52週移動平均線、そして3月25日の高値2万8338円を一気に突破し、チャートは「好転」を示唆したと言える。

◆こうなると次に目指すのは、1月5日の年初来高値2万9388円となる。また、「3月9日の安値2万4681円→3月25日の高値2万8338円→5月12日の安値2万5688円」で計算される上昇N波の目標値は2万9345円である。

◆ただし、5月下旬からの上昇には、6月10日のメジャーSQ(先物・オプション清算日)に絡んだショートカバー(買い戻し)の加速があったと思われる。外国人投資家の売買動向を見ると、現物は5月第4週が▲368億円、6月第1週は▲410億円と売り越したが、先物は△2924億円、△6651億円と買い越している。3月第5週から5月第3週まで外国人の先物は、差し引き2兆1495億円売り越していた。6月第2週の先物はその前2週の流れを引き継ぎ大きく買い越したものと推測される。だが、その先物買いもメジャーSQ通過で一段落し、9月限が新たにスタートする。

◆日経平均株価の日足テクニカル(9日時点)は、RCI(順位相関指数)が9日線96%、13日線96%、25日線85%と高値圏にきている。サイコロジカルラインは8勝4敗で、10日か13日に上昇すると警戒ゾーンの9勝3敗になる。こうしたテクニカル指標の過熱もあり、日経平均株価はそろそろ一服し、もみ合いに転じることを想定しておく。

◆為替でドル円が20年ぶりの134円台に、ユーロ円は7年ぶりの144円台と円安が加速している。あらゆるモノが値上がりしており、「脱デフレ」「家計は許容している」などと呑気なこと言っていられるのか、株式市場を含めて真価が問われるのはこれからだろう。利食いを入れながら、小まめに対応していきたい。

(6月9日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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