【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万7000円水準での底堅さが見られる局面では、ショートカバーを強める流れに
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27120 +70 (+0.25%)
TOPIX先物 1901.0 +2.5 (+0.13%)
シカゴ日経平均先物 27085 +35
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは前週まで8週連続で下落していたこともあり、ハイテク株などの割安感に着目した買いが入った。また、バイデン大統領が日米首脳会談の記者会見で、中国製品に課している制裁関税の引き下げを「検討している」と述べたことも、インフレ抑制につながるとの見方に向かわせた。先週末にオプションの満期期日が通過した一方で、足元の下落によって月末には年金のリバランスに伴う買いが入るといった見方もセンチメント改善につながったようだ。S&P500業種別指数は銀行、テクノロジー・ハード・機器、食品・生活必需品小売、エネルギーが上昇する一方で、耐久消費財・アパレルの1セクターが下落した。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比35円高の2万7085円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万7030円で始まり、2万6850円まで売られる場面もあった。ただし、売り一巡後は2万6900円~2万7030円辺りで底堅い値動きを継続。米国市場の取引開始後に上昇に転じると、一時2万7140円まで買われる場面が見られた。終盤にかけては2万7000円~2万7120円辺りで保ち合い、2万7120円で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、買い先行で始まることになりそうだ。バイデン大統領の発言などは前日の段階である程度は織り込まれていると見られ、市場の反応は限られそうではあるが、2万7000円を固める動きに向かわせよう。また、一時2万6850円まで売られる場面も見られたものの、同水準に位置する5日、25日移動平均線が支持線として機能する格好だった。下値の堅さが意識されるなか、5月13日につけた2万5540円をボトムにリバウンド基調を継続するチャート形状を見せているため、押し目狙いのロングも徐々に水準を切り上げてくることになろう。
また、その他のチャート形状としては3月30日の高値2万8410円をピークに調整トレンドを継続しているものの、下降トレンドラインの上限まで戻してきており、トレンド転換を意識させてきた。そのため、2万7000円水準での底堅さが見られる局面では、ショートカバーを強めてくる流れにも向かいやすい。昨日の東証プライムの売買高は4月26日以来の11億株を下回る薄商いであり、積極的に上値を追う動きは限られるが、ロングからの短期的な値幅取りを狙ったトレードになりそうだ。
VIX指数は28.48に低下し、25日線を下回ってきている。センチメントが改善傾向にあるなか、75日線が位置する26.80辺りまでの調整が意識されやすい。これを下回り直近のボトム水準である25.00を割り込んでくるようだと、4月下旬の20.00水準までの低下を想定したリスク選好の動きに向かう可能性も見えてくることになろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇。一時14.20倍に低下したものの、同水準に位置する25日線が支持線として機能していた。目先的にはNT倍率の上昇を想定したNTロングが入りやすいと考えられ、NT倍率の25日線水準などへの低下局面においては、その後のスプレッドを狙ったNTロングの組成を想定しておきたい。
株探ニュース