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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井松島HD、フェローテク、INPEX

三井松島HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■キトー <6409>  2,080円  +400 円 (+23.8%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率2位
 キトー<6409>はストップ高。16日の取引終了後、米投資ファンドKKR系のLifting Holdings BidCoがキトーに対し、TOBを実施することを明らかにした。TOB価格を1株2725円としていることから、これにサヤ寄せする格好となっている。このTOBは、キトーとKKR系のCrosbyグループとの経営統合の一環として行われるもの。買い付け予定数は2072万6019株(下限1381万7400株、上限設定なし)で、10月下旬をメドにTOBを開始する見通し。なお、TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は16日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■三井松島HD <1518>  2,845円  +500 円 (+21.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 三井松島ホールディングス<1518>がストップ高。500円高の2845円まで駆け上がり連日のストップ高を演じるなど異色の上昇トレンドを形成している。前週末に発表した決算発表で前期の営業利益が4倍以上に急拡大しただけでなく、今期は7割増益の143億円予想を発表したことがマーケットの驚きを誘った。前日は1本値でストップ高となり大引けに買い物を残したが、きょうも物色意欲にかげりは見られない。市場では「株主還元姿勢も高く、増配によって配当利回りが5.7%台と高い。また、PERは3倍台で超割安圏。これは、ひところの海運株人気と買いの根拠は一緒だ」(中堅証券ストラテジスト)としている。同社株は小型でボラティリティが高いこともあって、個人投資家を中心とした短期資金の格好の物色対象となっている。

■フェローテク <6890>  2,947円  +500 円 (+20.4%) ストップ高   本日終値
 フェローテックホールディングス<6890>に物色人気集中、ストップ高に買われた。同社は半導体製造装置向け部品を製造し、特に半導体設備で必須となる真空シール世界シェア約6割という圧倒的競争力を持っており、半導体需給逼迫を受けて収益環境に吹く追い風が強い。同社が16日取引終了後に発表した22年3月期の決算は真空シールなどが牽引役となり、営業利益が前の期比2.3倍となる226億円と大変貌を果たした。続く23年3月期も前期比33%増の300億円と大幅増益見通しにあり、これがポジティブサプライズとなった。今期で3期連続の過去最高利益更新となる。前期の年間配当は50円(前の期実績は30円)を実施、今期は更に20円増配の70円を計画している。

■レオパレス21 <8848>  296円  +42 円 (+16.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 レオパレス21<8848>が前日のストップ高に続き急騰、一時25%高の318円に買われ、2020年3月以来約2年2カ月ぶりに300円台を回復した。低位株物色人気の波に乗り短期値幅取り狙いの買いが集中している。アパートの賃貸事業を主力展開するが、業績は大底を離脱し、法人需要の開拓で足もと回復局面にある。16日の朝に発表した23年3月期の業績予想は、売上高が前期比3%増の4108億円と増収を確保し、営業利益は同6.6倍の117億円を見込んでおり、これを好感して前日は値幅制限上限の50円高に買われていた。市場では「債務超過も当初計画から前倒しで解消される見通しにあり、株価が低位で流動性も高いことから、個人投資家など短期筋の参戦が活発化している」(中堅証券ストラテジスト)という。

■三菱HCキャピタル <8593>  610円  +37 円 (+6.5%)  本日終値
 三菱HCキャピタル<8593>が大幅高。16日の取引終了後に23年3月期業績予想を発表。純利益を前期比10.7%増の1100億円と前期に続き増益となる見通しを示したほか、配当予想も前期比3円増の31円としており、これが好感されたようだ。新型コロナウイルスとの共生に伴う経済活動の回復が期待されるなか、引き続き各事業が伸長すると想定している。また、前期に完全子会社化した米大手海上コンテナリース会社の連結貢献のほか、貸し倒れ関連費用や減損損失の減少などを見込んでいる。同時に発表した22年3月期決算は、売上高が前の期比86.3%増の1兆7655億円、純利益が同79.7%増の994億100万円だった。

■INPEX <1605>  1,555円  +83 円 (+5.6%)  本日終値
 石油関連株が高い。INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>などが値を上げた。16日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限が前日比3.71ドル高の1バレル=114.20ドルと約2カ月ぶりの高値に上昇した。中国・上海市が新型コロナウイルスの対策で続けてきた都市封鎖(ロックダウン)を6月に解除する方針を明らかにしたことから、中国での原油需要が回復するとの期待が膨らんだ。これを受け、INPEXなど石油関連株に買いが流入した。

■日本郵船 <9101>  10,070円  +360 円 (+3.7%)  本日終値
 日本郵船<9101>が3日続伸でフシ目の1万円大台を回復したほか、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>など大手海運株が揃って上昇。きょうは前日の米国株市場でハイテク株に売りが目立ったこともあり、東京市場でも半導体関連などグロース株(成長株)への風当たりがきつくなっているが、一方でPERや配当利回りなどに着目したバリュー株への資金シフトの傾向がみられる。海運大手は、今期減益見通しながら高配当を維持することで、インカムゲイン狙いの買いが断続的に入っている。きょうはハイテク株が買いにくい環境にあり、海運株はバリュー株の象徴として投資資金を誘導している。

■リコー <7752>  1,037円  +28 円 (+2.8%)  本日終値
 リコー<7752>が反発。この日、バイオテクノロジー企業の米エリクサジェン・サイエンティフィック社(eSci社、メリーランド州)の株式を追加取得し子会社化すると発表しており、これが好感された。eSci社は、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)をさまざまな細胞へ高速分化誘導する独自の「Quick-Tissue」技術を有しており、iPS細胞を用いた創薬研究や疾患研究の効率化に貢献。また、同技術における分化の過程でmRNAを用いることから、mRNAの設計や製造にも強みを有しているという。リコーは現在、eSci社株式の34.5%を所有しているが、子会社化によりワクチンをはじめとするmRNAを活用した創薬支援事業を強化するとしている。

■リクルート <6098>  4,787円  +95 円 (+2.0%)  本日終値
 リクルートホールディングス<6098>は3連騰、一時5%を超える上昇で4900円台まで買われ、4月21日以来となる5000円大台復帰を視野に捉えている。総合人材サービス企業として国内トップに位置し、海外展開も積極的に行うが、特に同社のHRテック事業でドル箱となっている求人情報検索エンジンの「インディード」は米国で急成長している。16日取引終了後に発表した22年3月期決算は営業利益が前の期比2.3倍の3789億2900万円と急拡大した。また、23年3月期については利益予想については開示していないが、売上高にあたる売上収益が前期比15%増の3兆3000億円と2ケタ成長を見込んでおり、これは事前の市場コンセンサスを上回る水準で株価にポジティブに働いている。

■コーテクHD <3635>  4,305円  +85 円 (+2.0%)  本日終値
 コーエーテクモホールディングス<3635>が反発。16日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。

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