【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東電HD、カーブスHD、三菱UFJ
東電HD <日足> 「株探」多機能チャートより
東京電力ホールディングス<9501>や中部電力<9502>など電力株の上昇が目立つ一方、イーレックス<9517>やウエストホールディングス<1407>、レノバ<9519>など再生可能エネルギー関連株も買われた。岸田首相が前週末8日の記者会見でロシアからの石炭輸入禁止に伴い、夏や冬の電力需給逼迫を回避するために再生可能エネと原子力を最大限活用していく方針を示した。首相はこの2つの電源について「脱炭素の効果の高い電源」と発言しており、これを受けて再生可能エネ関連株とともに、原発再稼働への期待感から電力株にそれぞれ思惑的な物色が向かったようだ。
■サカタのタネ <1377> 4,045円 +345 円 (+9.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
サカタのタネ<1377>は急伸で年初来高値を更新。前週末8日の取引終了後、22年5月期の連結業績予想について、売上高を674億円から715億円へ、営業利益を90億円から100億円へ、純利益を98億円から110億円へ上方修正しており、これが好感された。海外連結子会社の決算日である3月末の為替レートが1ドル=122.41円(従来予想110円)、1ユーロ=136.77円(同130円)と想定より円安水準となったことが要因としている。第3四半期累計(21年6月~22年2月)決算は、売上高498億8300万円、営業利益88億6300万円、純利益67億6000万円だった。なお、会計基準の変更により、前期及び前年同期との比較はない。
■カーブスHD <7085> 777円 +64 円 (+9.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
カーブスホールディングス<7085>は急伸。前週末8日の取引終了後に発表した第2四半期累計(21年9月~22年2月)連結決算が、売上高134億4300万円(前年同期比13.0%増)、営業利益17億2900万円(同98.4%増)、純利益12憶700万円(同3.5倍)となり、従来予想の営業利益14億円を上回り、大幅増益となったことが好感された。第1四半期に実施した新規会員募集のための体験キャンペーンが功を奏し、入会数がコロナ禍前の水準を上回って四半期としては過去最高となったことに加えて、例年、季節的要因によって新規入会数が低調に推移し会員数が減少する第2四半期の退会率がコロナ禍前の水準に抑えることができ、その結果会員数はほぼ計画通りになったことが寄与した。また、会員への「食生活の相談」を通じたプロテインなどの提案による定期契約者数の増加や高機能新商品への切り替え購入が好調に推移し、物販売上高が予想を上回ったことも貢献した。なお、22年8月期通期業績予想は、売上高265億5000万円(前期比7.6%増)、営業利益25億円(同54.1%増)、純利益15億9800万円(同41.5%増)の従来見通しを据え置いている。
■大阪有機化学工業 <4187> 3,070円 +208 円 (+7.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
大阪有機化学工業<4187>が大幅高。同社は8日取引終了後に、22年11月期第1四半期(21年12月~22年2月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比8.7%増の16億6500万円となり、上半期計画の29億円に対する進捗率は57.4%に達した。売上高は81億2500万円(会計基準変更のため前年同期との比較なし)で着地。自動車塗料用や光学材料向け粘着剤用にアクリル酸エステルの売り上げが堅調だったほか、半導体材料でArFレジスト用原料の販売が好調だったことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来見通しを据え置いている。
■ワキタ <8125> 1,049円 +45 円 (+4.5%) 本日終値
ワキタ<8125>が大幅高で4日ぶりに反発。前週末8日の取引終了後に発表した23年2月期連結業績予想で、売上高790億円(前期比5.3%増)、営業利益60億円(同9.0%増)、純利益37億円(同3.5%増)と増収増益を見込み、年間配当予想を前期比2円増の35円を予定していることに加えて、25年2月期に営業利益80億円を目指す中期経営計画を発表したことが好感された。主力としている建機業界では民間設備投資に持ち直しの動きが見られるほか、公共投資も国土強靱化対策など引き続き堅調に推移するものとみられており、建機のレンタルや販売を行う中核事業である建機事業が引き続き堅調に推移する見通し。また、安定収益基盤である不動産事業やチャレンジ事業である商事事業の採算改善も見込む。なお、22年2月期決算は、売上高749億8900万円(前の期比1.3%増)、営業利益55億600万円(同1.5%増)、純利益35億7300万円(同12.0%増)だった。同時に、200万株(発行済み株数の3.85%)、または20億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されている。取得期間は22年4月11日から23年2月28日まで。成長投資と株主還元の両立を図り、株主への一層の利益還元を遂行できるようにすることが目的としている。
■ティーケーピー <3479> 1,371円 +51 円 (+3.9%) 本日終値
ティーケーピー<3479>が大幅続伸。この日の寄り前、集計中の22年2月期連結業績について、売上高が438億円から446億8500万円(前の期比3.6%増)へ、営業損益が19億円の赤字から8億8300万円の赤字(前の期24億9700万円の赤字)へ、最終損益が39億円の赤字から32億1100万円の赤字(同35億300万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。新型コロナウイルスの変異株による感染拡大に伴い、貸会議室事業の需要回復を保守的に見込んでいたが、社会経済活動の正常化が緩やかに進むなか、顧客企業のセミナーや研修などのイベントの再開が進んでいることが要因。また、日本リージャスや台湾リージャスの稼働率が好調に推移していることも寄与した。
■イオンファンタジー <4343> 2,001円 +73 円 (+3.8%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>が大幅続伸。前週末8日の取引終了後に発表した23年2月期連結業績予想で、売上高789億円(前期比31.1%増)、営業利益26億円(前期34億800万円の赤字)、最終利益4億円(同45億700万円の赤字)と最終損益が黒字転換する見通しであることが好感された。国内及び海外における新型コロナウイルス感染症の感染状況や、22年2月期下半期の売り上げ状況などを踏まえて、売上高が今期中に新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に回復すると予想。それに伴い収益性が改善されると見込んでいる。
■三菱UFJ <8306> 759.6円 +18.7 円 (+2.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが頑強な値動きをみせている。前週末の米国株市場では、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>など大手金融株が軒並み上昇しており、東京市場でもこれに追随する動きとなった。インフレ抑制を目的としたFRBによる金融引き締め策強化の思惑を背景に、米国債券市場では長期債を売る動きが活発化し米10年債利回りは2.7%台まで上昇した。これは約3年ぶりの高い水準で、米国事業を展開するメガバンクは運用環境改善を期待した買いを誘導している。
■日清製粉グループ本社 <2002> 1,757円 +29 円 (+1.7%) 本日終値
日清製粉グループ本社<2002>が3日続伸。子会社の日清製粉が8日、業務用小麦粉の特約店向け仕切り価格を6月20日納品分から値上げすると発表しており、これが好材料視された。輸入小麦の政府売り渡し価格が4月1日から5銘柄平均で17.3%引き上げられたことに伴い値上げする。値上げ幅は強力系小麦粉が25キログラム当たり370円、中力系・薄力系小麦粉が同325円、国内産小麦100%小麦粉が同385円。
■スギホールディングス <7649> 5,830円 +60 円 (+1.0%) 本日終値
スギホールディングス<7649>は続伸。前週末8日の取引終了後に発表した3月度の月次速報で、既存店売上高が前年同月比1.1%増と4カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。客単価が同1.9%減と前年割れが続いたものの、客数が同3.1%増となったことが寄与した。なお、全店売上高は同5.4%増だった。
株探ニュース