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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 日経225先物は2万7000円水準での底固め、浮動株比率変更は相対的にはTOPIXの重荷に


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27000 -40 (-0.14%)
TOPIX先物 1902.0 +4.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 26990 -50
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場はNYダウが上昇する一方で、 S&P500ナスダックは下落。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化するとの見方により、10年債利回りが2019年2月以来の高い水準に上昇するなか、金融株のほかディフェンシブ株の一角が買われた半面、エヌビディア<NVDA>など半導体は総じて弱い値動きだった。S&P500業種別指数はエネルギー、電気通信サービス、銀行が上昇した半面、半導体・同製造装置、自動車・同部品、消費者サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比50円安の2万6990円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比50円高の2万7090円で始まり、2万7180円まで上げ幅を広げる場面が見られた。ただし、その後は利食い優勢となり米国市場の取引開始後には下げに転じた。2万7000円辺りから、いったんは2万7160円と切り返す場面もあったが、終盤にかけて再び売り直されて2万6960円まで下落し、2万7000円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや売り先行で始まろう。5日、75日移動平均線水準が上値抵抗線として意識されるなか、2万7000円水準を固める動きになりそうだ。ただし、5日、75日線が抵抗線として強く機能する局面では、25日線が位置する2万6680円水準を試す動きには警戒しておきたい。一方で、2万7000円水準での底堅さが見られてくるようであれば、短期的にはリバウンドを想定したロングの動きが強まる可能性がありそうだ。

 また、8日の米国市場で半導体株が総じて売られたことから、日経平均型の重荷となると見られる。もっとも、先週はTOPIXの浮動株比率の変更が発表され、週末には浮動株比率の新方式によってウェートが低下するトヨタ自動車 <7203> [東証P]、伊藤忠商事 <8001> [東証P]、三菱商事 <8058> [東証P]が売られた半面、ウェート上昇が見込まれるNTT <9432> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]は買われていた。引き続きウェート差を狙ったトレードの動きが継続するようだと、相対的にはTOPIX型の弱さにつながりそうだ。

 また、8日のVIX指数は21.16に低下した。6日には一時24.78まで上昇する場面があったが、同水準に位置している75日線に上値を抑えられた形状だった。FRBの金融引き締め加速による景気への影響を警戒しつつもVIX指数は低位で推移しているため、現時点では過度にリスクオフムードは高まっていないとみられる。

 なお、先週のNT倍率は先物中心限月で、75日線を挟んで保ち合いを形成している。支持線として意識される25日線が緩やかながら切り上がりを見せているため、同線に接近する局面ではNTロングの組成も意識されよう。朝方は米ハイテク株の下落影響からNTの低下が見込まれるものの、その後の底堅さを見極めたいところだ。

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