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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、郵船、東エレク

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■JCRファーマ <4552>  2,225円  +77 円 (+3.6%)  本日終値
 JCRファーマ<4552>が大幅反発。28日の取引終了後、武田薬品工業<4502>とライソゾーム病に対してJCR独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」技術を用いた遺伝子治療に関する共同研究開発及びライセンス契約を締結したと発表しており、これが好感された。今回の契約締結により、両社はライソゾーム病を優先対象とした遺伝子治療の共同研究を開始する。武田は研究期間中に希少疾病もしくは非希少疾病領域における疾患をその対象として追加できるオプション権を保有し、共同研究で見出された新たな遺伝子治療の今後の開発及び事業化は武田が実施することになる。一方、JCRは武田から契約一時金を受領するほか、研究開発、販売に関するマイルストーンフィー及び製品化後の売上高に応じたロイヤルティーを受け取る権利を有することになる。

■トヨタ自動車 <7203>  2,261円  +59 円 (+2.7%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>は続伸。3月初旬に底入れを確認して戻り局面に移行、前週後半には75日移動平均線を上回るなど一貫して上値を追う展開にあった。国内製造業のなかでも為替感応度が図抜けて高く、ここ急速に進む円安が収益面の追い風要因として好感され株高を後押ししている。直近では一時1ドル=125円台まで円安が進むなど、一段とドル買い・円売りの動きが活発化しており、今期想定為替レートが1ドル=111円の同社とって、来期業績の押し上げ効果に期待が募るところ。ただ足もとでは、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が再び顕著となっており、ロックダウンに伴う工場の操業停止などサプライチェーンリスクが警戒され、時価近辺は強弱観が対立している。

■日本オラクル <4716>  8,900円  +210 円 (+2.4%)  本日終値
 日本オラクル<4716>は3日ぶりに反発。同社はきょう正午に、クラウドERP「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning」が、協和発酵バイオ(東京都千代田区)の海外拠点における基幹システムに採用されたと発表した。シンガポールと米国の販売拠点において導入され、在庫、注文及び販売状況をグループ全体で俯瞰的に把握できるようになり、最適な製品需給計画を策定することが可能になった。会計・受発注・在庫・生産管理などの情報がリアルタイムに可視化されるため、経営における迅速な意思決定にも活用されている。また、柔軟な権限設定やプロセス標準化による内部統制などのセキュリティーも強化されているとした。

■日本郵船 <9101>  11,110円  +250 円 (+2.3%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>など海運株が軒並み急反発に転じ、業種別騰落では東証1部33業種中2位となった。きょうは3月の実質最終売買日で、3月決算企業の配当権利を取るためにはきょうが最後のチャンスとなる。大手海運各社はコンテナ船市況の高騰などを背景に業績が急変貌、これを株主還元に反映させたことで、配当利回りが跳ね上がっている。郵船と商船三井の年間配当利回りは時価換算で10%を超えている。この配当を確保するために駆け込みの買いが流入した。

■光通信 <9435>  14,340円  +210 円 (+1.5%)  本日終値
 光通信<9435>がしっかり。28日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を45万株(発行済み株数の1.00%)、または50億円としており、取得期間は4月1日から5月15日まで。機動的な資本政策を遂行し、株主への一層の利益還元を推進することが目的という。

■タカラトミー <7867>  1,288円  +17 円 (+1.3%)  本日終値
 タカラトミー<7867>が5日続伸し昨年来高値を更新。SMBC日興証券が28日付で新規に投資評価「1」、目標株価2000円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、「トミカ」や「プラレール」「リカちゃん」などの強固なブランド群の着実なシェア拡大と新たなカテゴリーの創出、他社IPの活用で国内におけるシェア拡大が見込まれるうえ、北米・アジアを主とした海外事業の成長で今後5年の売上高成長率を年4.1%、連結営業利益は同10.6%と予想。また、短期カタリストとして国内定番製品の販売動向、国内の収益性が向上することと、中長期カタリストとしてトミーインターナショナルの収支改善による海外事業の成長などを挙げている。更に、「ベイブレード」のリブランディングなどで今後5年間のアクショントイカテゴリー売上高が年15%増で拡大すると仮定した場合、理論株価は2300円へ高まると試算している。

■キッセイ薬品工業 <4547>  2,634円  +34 円 (+1.3%)  本日終値
 キッセイ薬品工業<4547>は3日続伸。同社は28日取引終了後、EAファーマ(東京都中央区)と共同開発している潰瘍性大腸炎治療薬「カログラ錠(一般名はカロテグラストメチル)」について、EAファーマが製造販売承認を取得したと発表した。カログラ錠はEAファーマが独自に創製した低分子化合物であり、経口投与可能なα4インテグリン阻害剤として世界で初めて承認された薬剤となる。今回の承認は標準薬である5-アミノサリチル酸製剤を用いても効果不十分または不耐であった中等度活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象に行った第3相臨床試験などの結果に基づくとし、日本国内ではキッセイが販売を行い、EAファーマがコ・プロモーションを行うとした。

■富士ソフト <9749>  6,120円  +70 円 (+1.2%)  本日終値
 富士ソフト<9749>は反発。同社はきょう午前11時30分に、安藤・間<1719>と共同で、マイクロソフト<MSFT>が提供するヘッドマウントディスプレー端末「HoloLens2」を活用した室内環境可視化技術「環境ウォッチver.2」を開発し、安藤ハザマ技術研究所において運用を開始したと発表した。この技術では、「環境ウォッチ」で備えた事前実施のシミュレーション結果の表示機能に加え、センサーで計測した温度や湿度などのデータをリアルタイムで室内にAR(拡張現実)表示することが可能。利用者は事前のシミュレーションと現在の室内の状況を実スケールで確認でき、これまで見落としがちであった問題点を発見するツールとして活用できるとした。

■東京エレクトロン <8035>  62,940円  +280 円 (+0.5%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>が高い。前日は8日ぶりに安く引けたが、押し目は買い意欲が旺盛で、きょうは再び上値指向にある。前日の米国株市場では長期金利の上昇が一服したことを背景にハイテク株の一角に物色の矛先が向いた。半導体関連ではマイクロンテクノロジー<MU>、エヌビディア<NVDA>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>といった主力銘柄が買い直され、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も堅調だった。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、東エレクなどをはじめ半導体製造装置メーカーに投資資金が再流入した。外国為替市場で円安が進んでいることも追い風となっている。

■オロ <3983>  2,380円  -57 円 (-2.3%)  本日終値
 オロ<3983>は続落。同社は28日取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高61億8000万円(前期比11.8%増)、営業利益20億5000万円(同1.1%増)、純利益14億3500万円(同0.8%増)、年間配当予想15円(前期は15円)と開示したが、織り込み済みとの見方が優勢のようだ。21年12月期の連結営業利益は20億2700万円(前の期比28.3%増)だった。あわせて2024年までの3カ年を対象とした中期経営計画を公表し、最終年度である24年12月期の数値目標として、売上高87億5700万円(21年12月期実績は55億3000万円)、営業利益24億8600万円(同20億2700万円)、営業利益率28.4%(同36.7%)、ROE20%以上(同23.3%)を掲げた。積極的な投資で既存事業の成長を大きく加速させる方針であるとした。

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