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【通貨】為替週間見通し:ドルは底堅い動きか、米国金利の先高観強まる

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

【今週の概況】
■米利上げ継続方針でドル買い強まる

今週のドル・円は上昇。ウクライナ情勢を巡る懸念は払しょくされていないこと、米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、今後の引き締め加速警戒からドル買いが先行した。米国の2月生産者物価指数(PPI)は市場予想を下回ったこと、3月NY連銀製造業景気指数は予想外のマイナスを記録したことでドル買いは一時縮小した。

3月15-16日開催のFOMCで、政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.25ポイント引き上げ0.25-0.50%とし、バランスシート縮小を今後の会合で開始することも表明された。ただ、FOMCの金融・経済予測で年内合計7回の利上げが想定されていることが明らかになり、ドル買いが加速。ドル・円は119円台まで一段高となった。

18日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時119円40銭まで上昇した。セントルイス連銀のブラード総裁が政策金利を年末までに3%超まで引き上げるべきと主張したこと、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事も今後の会合で数回50ベーシスポイントの利上げの必要性を示唆したことから、利上げペース加速の思惑が広がり、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。ドル・円は119円11銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:117円28銭-119円40銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い動きか、米国金利の先高観強まる

来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化スタンスで金利先高観は継続し、ドルを押し上げる見通し。米FRBは15-16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で2018年12月以来の政策金利の引き上げに踏み切った。利上げの幅は今回0.25%と市場の想定通りとなったが、この後4月から12月まで年内6回、さらに来年の複数回を合わせ最終的に2.75%にする見通しが示されている。FRBは想定以上にタカ派的との見方を強めている。

ロシアとウクライナの停戦に向けた協議は継続中で、合意への道はなお険しい。ただ、ロシア側が望むウクライナの非武装化の可能性が浮上し、今後の交渉でさらに議論が進展すればリスクオンのムードが広がる可能性がある。安全逃避のドル買いは縮小するが、日米金利差の拡大を想定したドル買い・円売り塗が増える可能性がある。

ドル・円は、2016年末にかけての「トランプ・ラリー」高値の118円60銭レベルを突破した。119円台は目立った節目が乏しいことから、1ドル=120円台定着の可能性も一部で指摘されている。

【米・2月新築住宅販売戸数】(23日発表予定)
23日発表の米2月新築住宅販売戸数は、1月実績を上回る可能性がある。直近における住宅関連指標はまずまず良好であることから、2月の数字が景気拡大観測を後押しできればドル買い要因になりそうだ。

【米・2月耐久財受注】(24日発表予定)
24日発表の米2月耐久財受注は前月比-0.6%と、前回からの伸びは鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、金利安・株安・ドル安要因となりそうだ。

予想レンジ:117円80銭-120円80銭

《FA》

 提供:フィスコ

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