【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 36社選出 <成長株特集>
住友倉 <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、本決算月にかかわらず、21年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%超上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している36社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、住友倉庫 <9303> 。21年10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比2.2倍の101億円に膨らみ、3四半期連続となる最高益更新を遂げた。コンテナの運賃上昇や北米向け輸送数量の回復を背景に海運事業の収益が好転したほか、主力の物流事業では航空貨物を中心に国際輸送の取扱量が大きく増えた。併せて、22年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正している。
選出リストには、住友倉を筆頭に世界的な景気回復に伴う物流ニーズを追い風に業績を伸ばす企業が上位に目立つ。2位の近鉄エクスプレス <9375> は国際輸送需要が大きく増加に転じたことに加え、前期から続く航空・海上貨物輸送スペースの供給不足を背景とした運賃の上昇も寄与し、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに5四半期連続で過去最高を更新した。
続く3位のSGホールディングス <9143> はコンテナ需給が逼迫するなか、子会社エクスポランカが安定的に海上・航空コンテナスペースを確保し、既存・新規顧客の旺盛な需要を取り込んだ。また、主力の宅配便は通信販売の利用者拡大で取扱個数が堅調に推移し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を55.3%上回る577億円に伸びて着地。好決算を受けて、今期3回目となる通期業績予想の上方修正に踏み切った。
9位の川崎汽船 <9107> 、12位の商船三井 <9104> 、13位の日本郵船 <9101> の海運大手3社は、コンテナ船事業で3社が共同出資する持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)の業績が大幅に改善し持ち分法投資利益が急拡大したほか、ばら積み船の市況高騰なども追い風となり、川崎汽と郵船は4四半期連続、商船三井は3四半期連続の過去最高益を果たした。いずれも配当利回りが高水準で3月期末を前に株価は強調展開を続けている。
同じく高配当バリュー株では、14位の日本特殊陶業 <5334> (予想PER6.6倍、配当利回り5.20%)と16位の住友金属鉱山 <5713> (予想PER6.4倍、配当利回り4.48%)がある。特殊陶の10-12月期(第3四半期)は、主力の自動車エンジン向け点火プラグが欧州や北米を中心に補修用製品の販売が増勢だったほか、半導体製造装置用部品の引き合いも強かった。
一方の住友鉱の10-12月期(第3四半期)は、銅・ニッケル価格の上昇を背景に資源部門と製錬部門の収益が大きく伸びたほか、材料部門では車載向け電池材料が好調だった。また、持ち分法投資損益が好転したことも利益拡大に貢献した。ウクライナ情勢の悪化で非鉄市況の高騰が相次ぐなか、市況高の恩恵を受ける関連銘柄として注目され、株価は7日に約14年8ヵ月ぶりの高値6420円まで上値を伸ばす場面があった。
製造業に目を移すと、引き続き半導体関連の好調が目立つ。半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するレーザーテック <6920> 、半導体パッケージメーカーの新光電気工業 <6967> 、半導体試験装置を主力とするアドバンテスト <6857> 、半導体製造装置大手の東京エレクトロン <8035> 、シリコンウエハー世界トップの信越化学工業 <4063> 、半導体製造用フォトレジストで世界大手の東京応化工業 <4186> 、半導体ウエハー用研磨材トップのフジミインコーポレーテッド <5384> などがリスト入りしている。
このほか、5位にリスト入りしたロート製薬 <4527> の10-12月期(第3四半期)は、国内でスキンケアシリーズ「肌ラボ」や高価格帯の目薬などが大きく伸びたほか、海外では中国、香港、インドネシアを中心に主力ブランドの販売が好調だった。また、原価率の改善や販管費の効率的活用も大幅増益につながった。好決算を受けて、22年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも好感され、株価は1日に約3年5ヵ月ぶりの高値3885円をつけている。
28位のMonotaRO <3064> は決算発表後に株価が上昇基調に転じている。10-12月期(第4四半期)は検索連動型広告の強化や検索エンジン最適化を継続し、間接資材の通販サイト「モノタロウ」の新規顧客獲得が進んだ。併せて発表した22年12月期の経常利益は前期比0.4%増の243億円と13期連続で最高益を更新する見通しだ。また、直近1月と2月の売上高が20%前後の増収と2ケタ成長を維持したことも評価材料となっている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<9303> 住友倉 85.4 10105 5449 117 29500 13596 10.0
<9375> 近鉄エクス 59.1 21197 13320 70.9 59000 34529 6.4
<9143> SGHD 55.3 57785 37212 36.0 141000 103666 15.4
<6920> レーザーテク 46.8 10978 7477 2.1 27000 26438 82.0
<4527> ロート 42.2 10226 7189 17.1 28000 23910 22.0
<3397> トリドール 38.7 6230 4491 20.5 10200 8466 38.4
<6967> 新光電工 37.0 23278 16990 101 70000 34887 14.7
<3774> IIJ 33.9 7165 5350 53.2 21500 14035 24.4
<9107> 川崎汽 30.8 195612 149573 329 540000 125867 1.6
<4483> JMDC 29.2 1686 1305 30.6 4750 3636 93.2
<6857> アドテスト 28.8 34075 26450 33.9 115000 85859 19.5
<9104> 商船三井 28.8 215848 167575 115 650000 302219 2.2
<9101> 郵船 23.6 301081 243626 332 930000 215336 2.2
<5334> 特殊陶 23.0 24700 20074 20.1 83000 69094 6.6
<3088> マツキヨココ 20.0 13480 11237 4.3 41700 39985 17.6
<5713> 住友鉱 19.4 73706 61727 44.1 314000 217866 6.4
<3288> オープンH 18.0 35418 30021 11.6 108900 97590 9.3
<5344> MARUWA 16.8 5701 4882 73.3 17900 10330 16.2
<9759> NSD 14.6 3188 2782 14.5 11400 9955 21.4
<2317> システナ 13.9 2441 2144 8.0 8500 7871 29.5
<7780> メニコン 13.6 3033 2671 13.8 9500 8348 35.9
<4980> デクセリ 12.8 7858 6965 107 22400 10844 12.6
<5463> 丸一管 11.8 11667 10432 41.3 37000 26192 8.6
<7532> パンパシHD 10.6 28076 25386 1.8 83000 81526 18.6
<3769> GMO-PG 10.6 4299 3888 17.0 15538 13285 85.7
<4403> 日油 9.4 10795 9863 14.6 34500 30099 18.1
<8035> 東エレク 9.1 155618 142630 77.9 573000 322103 21.7
<3064> モノタロウ 9.1 6634 6083 0.4 24392 24302 75.1
<4063> 信越化 8.2 186782 172691 65.0 690000 418242 15.1
<3092> ZOZO 7.6 14997 13934 7.7 47800 44386 29.1
<6273> SMC 7.5 69577 64708 21.6 241000 198201 25.1
<7564> ワークマン 7.0 10162 9495 7.0 27200 25409 23.2
<4684> オービック 6.2 15575 14669 6.5 56000 52600 39.2
<4186> 東応化 5.7 5968 5644 15.9 25100 21664 17.6
<2267> ヤクルト 5.5 22758 21570 8.6 63500 58478 23.6
<5384> フジミインコ 5.2 3392 3225 58.3 12200 7709 18.2
※ 2021年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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