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【市況】明日の株式相場に向けて=世界同時踏み上げ相場に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比890円高の2万6652円と急騰。週初から4連騰となり、4営業日合計で上げ幅は1500円近くに達した。きょうはアジア株もほぼ一斉に上昇しており、にわかに世界株高の様相を呈した。前日の欧州株市場は文字通りの全面高に買われ、しかもドイツのDAXが3.8%高、フランスのCAC40は3.7%高、オランダのAEXは4%強に買われるなど、軒並み目の覚めるような急騰を演じた。急騰の背景には中国の景気刺激策に対する期待があったとされる。しかし、その具体的な内容は見えておらず、「中国の劉鶴副首相が、景気下支え策の用意があることに言及した段階であり、これを欧州株全面高の背景とするには無理がある」(中堅証券マーケットアナリスト)。そもそも現在、中国は新型コロナウイルスの感染拡大を受け都市封鎖を行っている状況で、ゼロコロナ政策を撤回できるのかという問題もある。

 とするならば、あとは欧州全面高のトリガーとなり得るのはロシアとウクライナの停戦観測だが、実際のところ両国の主張の隔たりは大きく、ここまでこじれるとそう簡単に落としどころが見えてくるとも思えない。バイデン米大統領がプーチン露大統領に向けて放った「戦争犯罪人」発言で、むしろ米国とロシアの関係はかつてなく先鋭化している。とてもここでプーチン氏が手を引くとは考えにくい。「大方が思っている以上にショート(空売り)が溜まっていて、AIアルゴリズムが何に反応したかは不明だが、アンワインドのスイッチが入り、買い戻しが一気に進んだというよりない」(前出のマーケットアナリスト)とする。

 そして米国株市場にバトンが渡されたわけだが、こちらも極めて上下にボラタイルな値動きとなった。注目されたFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見であるが、実際は前者と後者では30分程度のタイムラグがあった。この2つのイベントの間に米国株市場はジェットコースターのように乱高下した。欧州時間の強烈なリスクオンを引き継いで、前日の米国株市場ではNYダウナスダック総合指数ともに大幅高で始まったが、FOMCの結果が発表されると、その内容がタカ派的と受け止められ、急速にバランスを崩した。NYダウは150ドルあまり下落する場面があったが、その後パウエル議長の会見中に再び戻り足に転じ、結局500ドルを超える上昇で着地した。

 FOMCでは3月の0.25%の利上げスタートは100%相場に織り込まれていたが、年内の利上げ回数7回(今回を含む)という予測はかなりタカ派に傾斜した感がある。ところが、これを嫌気していったんNYダウはマイナス圏に沈んだものの、「パウエル議長が米景気の見通しに楽観的な見方を示したことで、流れが変わった」(生保系エコノミスト)とする。果たしてそれが本当かどうかは分からないが、ひとつ言えるのは、直近の相場は空売り玉を抱えて全体相場の下げを待っている向きが多く、売り方の方が苦しかったということ。相場が崩れなければ、ここで買い戻すよりなかったというのが実情であろう。

 こうなると東京株式市場も止まらない。AIアルゴリズム売買に突き上げられた空売りのショートカバー、この威力は凄まじいものがある。目先の急激な戻り相場は、間違いなくどよめきを伴うサプライズな上昇といってよいが、その中に買い方の歓声はあまり含まれていなかったのではないか。市場関係者も「今回の下落局面では、今や有名なインドの占星術(アナンド予言)もあって今週(14~18日)の大崩れを予想する向きが多かった。これまでのヤラレを取り返そうと全力で売りを乗せてくる向きも少なくなかった」(国内証券ディーラー)という。今回は香港株の崩れ方が激しく、これはただ事ではないというムードも確かに漂っていた。しかし、そういう環境で得てして相場は逆に動くことがある。日経平均は前場後半にいったん緩んだものの、後場はAIアルゴリズムによるスライス買いで一本調子の上げとなり2万6600円台で着地した。直近4営業日でこれだけ上げても、約2週間ぶりの高値に過ぎないが、1月からの下げ相場で鉄壁の上値抵抗ラインとなっていた25日移動平均線を陽線で上抜いてきた。これは正直、当欄としても想定外だったが、中長期トレンドでみて今が夜明けを迎えているとは思えない。

 あすのスケジュールでは、2月の全国消費者物価指数(CPI)、1月の第3次産業活動指数のほか、日銀の金融政策決定会合の結果発表と黒田日銀総裁の記者会見に市場の注目度が高い。海外では、1月のユーロ圏貿易収支、ロシア中銀の政策金利発表、2月の米景気先行指標総合指数、2月の米中古住宅販売件数などが予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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