【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):INPEX、東和薬品、レオン
INPEX <日足> 「株探」多機能チャートより
INPEX<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が軟調。前週末に原油市況が大幅安となり、WTI原油先物価格は1ドル52セント安の1バレル=70ドル86セントと急反落、前の日の上昇分を帳消しにした。これを受けて米国株市場ではシェブロン<CVX>やエクソン・モービル<XOM>などエネルギー関連株に売りがかさむ展開となり全体指数の下げを助長した。東京市場でもこの地合いを引き継ぎ、原油市況の動向と株価連動性の高い資源開発関連株に売りを誘導している。
■東和薬品 <4553> 2,680円 -106 円 (-3.8%) 本日終値
東和薬品<4553>は続落。同社は17日取引終了後、健康食品や医薬品の開発・受託製造などを行う三生医薬(静岡県富士市)の全株式を取得すると発表したが、全体相場の地合いが悪化するなか、市場の反応は限定的のようだ。投資業のCJP SP Holdings(ケイマン諸島)から22年2月28日と3月7日の2回に分けて取得するとし、取得価格は約477億円。子会社化によって、三生医薬が培ってきた高い技術力や広範な顧客基盤、健康食品関連のノウハウを活用できるとした。
■レオン自動機 <6272> 1,327円 -51 円 (-3.7%) 本日終値
レオン自動機<6272>が続落。17日の取引終了後、海外連結子会社において不適切経理の存在が判明したと発表しており、これが嫌気された。海外連結子会社オレンジベーカリーの在庫残高に異常値を発見し社内調査を実施したところ、期末在庫(製品及び材料)の過剰計上を行う不適切な処理を確認したという。これを受けて同社では、社内調査委員会を設置し調査を開始したという。なお、現時点で同件が業績に与える影響は限定的とみている。
■オープンハウス <3288> 5,870円 -220 円 (-3.6%) 本日終値
オープンハウス<3288>は3日続落。前週末17日の取引終了後、グループ会社みなかみ宝台樹リゾートでスキー場の運営を12月18日に開始すると発表したが、スキー事業への参入はすでに発表済みであったことから、今回の発表に対する反応は限定的となっている。今回運営を開始する「群馬みなかみほうだいぎスキー場」は、群馬県みなかみ町の宝台樹(ほうだいぎ)地区にあるスキー場。みなかみ町の中でも標高が高いスキー場であるため積雪量が豊富で、ワールドクラスのパウダースノーが特徴としている。
■三菱UFJ <8306> 617.4円 -19.7 円 (-3.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は続落。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>も含め、メガバンク各社の株価が再び下値を試す展開を強いられている。前週末の米国株市場では金融大手のゴールドマン・サックス<GS>が4%近い下げをみせるなど銀行セクターへの売りが顕著となり、全体指数の下げを助長した。インフレ警戒感が強まるなかも、米長期金利が1.4%近辺まで低下しており、運用利ザヤ縮小の思惑が逆風となっている。東京市場でもこれを受けてメガバンクへの売りが優勢となっている。なお、三菱UFJをはじめメガバンク各社とも足もとの信用買い残は減少傾向にあるが、依然として各銘柄とも大幅に買い長の状態で株式需給面の重さも意識されている。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,344円 -137 円 (-2.5%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は売り買い交錯、5000円台半ばで強弱観を対立させる展開となっている。同社の株価は11月下旬以降急速に水準を切り下げ、今月6日には5057円の年初来安値をつけたが、その後は買い戻しが入りリバウンドに転じていた。しかし、5500円近辺は戻り売りも厚く、上値が重くなっている。前週末の米国株市場ではNYダウが500ドルを超える急落をみせたが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数の下げは10ポイント安と小幅にとどまっており、米ハイテク株に積極投資する同社株にとって強く向かい風が意識される状況にはない。同社が出資する中国電子商取引最大手のアリババ<BABA>の株価も安値圏で下げ渋る動きをみせており、アリババ株を巡る含み益減少を売り材料とする動きも一巡している。足もとではブルームバーグ通信が、ソフトバンクGが、デジタル市場の需要を確信してインドへの投資を続けると伝えたことも株価の刺激材料となっているもようだ。
■ファーマフーズ <2929> 2,117円 -45 円 (-2.1%) 本日終値
ファーマフーズ<2929>は続落。同社はきょう正午に、音響機器の開発・販売を手がけるオンキヨー(大阪府東大阪市)とヘルスケア、食品及びアグリ事業などに関する包括的な業務提携を締結したと発表した。オンキヨーブランド補聴器の取り扱いを開始し、補聴器の販売事業に参入するとしているが、マーケットの反応は薄いようだ。両社間において、(1)オンキヨーブランド補聴器のファーマFの通信販売チャネルでの販売、(2)オンキヨーの振動制御技術を用いた発酵食品の研究開発及び販売、植物生育効果によるアグリ事業の研究開発、(3)オンキヨーの振動解析技術を用いた健康機器などの研究開発及び販売、(4)オンキヨーのシニア向け音声解析技術を用いたコールセンターシステムの研究開発及び販売について合意しており、提携の具体的方針及び内容は今後協議して決定するとした。
株探ニュース