【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─2022年、業績が劇的に好転する企業群!
経済評論家 杉村富生
「2022年、業績が劇的に好転する企業群!」
●古来、「虎は千里を走る」という!
ちょっと気が早いが、2022年寅(虎)相場の展望を行うことにする。古来、兜町では「虎は千里を走る」という。年明けとともに、一気に突っ走るのだろうか。確かに、外部環境は良好だ。その可能性は十分にある。日経平均株価の上値メドは1~6月中に3万4500円絡み(PBR1.5倍)の水準を想定している。
ちなみに、2021年の丑(牛)相場は基本的に、ボックスゾーンの動きに終始した。日経平均株価は「3万円のカベ」を突破し、一段高に進むことはなかった。いや、あと1カ月は残っているが…。ともあれ、現状は「牛はつまずく」とか、「牛は寝る」と形容される格言通りの展開である。
日経平均株価は2月16日に3万0714円、3月18日に3万0485円、9月14日に3万0795円のザラバ高値をつけている。3回にわたって「3万円のカベ」に跳ね返された格好になる。やはり、積極的な買い手不在の状況が大きい。すなわち、外国人の様子見姿勢だ。この背景には政治の迷走があったと思う。
しかし、先の総選挙では大方の予想に反し、自民党が261議席と、絶対安定多数を確保(公明党と合わせると、293議席)、来年7月の参院選を乗り切ると、岸田政権は4年間“無風”となる。新資本主義、分配(選挙目当て?)などと言わず、大胆な成長戦略、改革路線を打ち出せるのではないか。
●「一段と良くなる会社」を狙う!
外部環境ではコロナ禍をほぼ脱却、経済活動は正常に戻りつつある。サービス業の景況感の改善は著しい。もとより、製造業は好調だ。トヨタ自動車 <7203> は「挽回作戦」と称する増産を開始、ホンダ <7267> が追随する。 自動車の生産回復はサプライチェーンの混乱収束を物語る。10-12月期のGDP急拡大につながるだろう。
パウエルFRB議長の続投(今後4年間の任期延長)は金融市場の安定を通じ、日本市場の支援材料となる。さらに、企業業績は好調に推移している。日経平均株価の1株利益は2086円の予想だ。これは実績値比35%増だが、コロナショック前の2019年の1750円を大きく上回っている。これはコロナ禍克服を意味する。
好業績のセクターは半導体、EV(電気自動車)、5G(次世代通信網)、データセンター、ITコンサル、情報セキュリティ、リチウムイオン電池などだ。アメリカ市場ではネットセキュリティのフォーティネット<FTNT>、クラウドストライク・ホールディングス<CRWD>、データサービスのスノーフレイク<SNOW>などが人気を集めている。
日本企業では20代の若者の就職・転職をサポートする学情 <2301> 、IC回路検査(プローブカード)の日本マイクロニクス <6871> 、コンサルタントを大幅増員中のジェイエイシーリクルートメント <2124> 、アスコット <3264> [JQ]などが2022年以降、業績のV字型浮上が見込まれている。
このほか、一段と「良くなる会社」としてウエストホールディングス <1407> [JQ]、そーせいグループ <4565> [東証M]、アドベンチャー <6030> [東証M]、フルヤ金属 <7826> [JQ]、クリヤマホールディングス <3355> [東証2]、テラプローブ <6627> [東証2]などをピックアップできる。
2021年11月26日 記
株探ニュース