【特集】大塚竜太氏【日経平均急上昇、衆院選通過でどうなる11月相場】(1) <相場観特集>
大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)
―週明けはリスクオン鮮明、2万9000円台を大きく回復―
週明け1日の東京株式市場は日経平均株価が急伸し2万9000円台を大きく回復した。注目された衆院選は自民党が単独で絶対安定多数の261議席を確保、これを受けて目先的には政局不安が後退、市場のセンチメントが大きく改善している。今週はFOMCや米雇用統計など重要日程が重なるほか、本格化する企業の決算発表などへの関心が一段と高まる。11月相場の展望について、第一線で活躍する市場関係者2人に意見を聞いた。
●「3万円大台乗せから一段の上値追いへ」
大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)
11月相場初日となったきょうは幸先良く日経平均は大きく上値を追った。700円を超える上昇となったが、先物主導の要素も強く、2万9000円台半ばは戻り売り圧力も意識されるだけに目先的には反動が出るかもしれない。しかし、基本的にトレンドは上を向いている。押し目は買いだ。
衆院選は自民党が予想以上に健闘したと思われる。これを受けて前週にヘッジ売りをしていた向きの買い戻しや、AIアルゴリズムによる機械的な買いも全体指数の押し上げ効果をもたらした。一方、5合目まで来た国内主要企業の決算発表は決して悪くない印象であり、ファンダメンタルズ面でも今後の上値余地に自信を持ってよいと考えている。
また、目先的にはあす、あさっての日程で行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されるが、波乱要因とはなりにくい。テーパリング開始については織り込みが進んでいるほか、利上げスケジュールについて何らかの言及があったとしても、これは経済正常化との見合いであって、一方的に恐れる必要はない。
日経平均は先物主導で上下にボラティリティが高い。11月相場は需給先行で2万8500円程度まで下値を試す局面もあると思うが、2万9000円台を下回る水準は基本的に買い下がっておきたい。上値については月後半にかけて水準を切り上げる展開を予想。日経平均は3万円大台を通過点に3万1000円台チャレンジが現実味を帯びそうだ。物色対象は半導体関連株の押し目狙いと、景気敏感セクターの海運・鉄鋼株などをマークしたい。
(聞き手・中村潤一)
<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。
株探ニュース