【市況】政策期待が高まりやすいなか押し目買い意欲は強い/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
27日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。26日の米国市場はNYダウが15ドル高だった。良好な企業決算を好感した買いが見られたほか、10月消費者信頼感指数の改善で、第4四半期の景気回復を期待した買いも入った。ただし、過熱感からの利益確定の動きのほか、主要ハイテク企業の決算を見極めたいムードもあって上値は抑えられていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円安の28975円。円相場は1ドル114円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まりそうだ。もっとも前日の500円を超える上昇に対する反動も意識されているとみられ、センチメントの悪化には繋がらないだろう。反対に25日線が位置する28900円水準での押し目買い意欲は強そうであり、売り一巡後は底堅い値動きが見込まれる。また、アルファベット、マイクロソフトは取引終了後に決算を発表しており、内容は概ね予想を上回ったことから、それぞれ時間外取引で上昇していることは安心感に繋がる。
もっとも、国内でも主要企業の決算発表が本格化しており、昨日取引終了後に決算を発表した日東電<6988>はADR(米国預託証券)市場で買われる一方で、キヤノン<7751>は売られている。決算発表を見極めたいとの模様眺めムードも強まりやすく、積極的な売買は手控えられやすい。また、昨日の東証1部の売買高は日経平均が500円を超える上昇ながらも11億株台にとどまっており、先物主導によるインデックス売買が中心のようである。決算シーズンで機関投資家は積極的に動けないこともあり、先物に振らされやすい需給状況に。
とはいえ、31日に投票日を迎える衆院選挙では、自民党が議席を減らすものの、単独で過半数を獲得するといった報道もある。政策期待が高まりやすいなか、テーマ性のある銘柄などへは個人主体の値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。また、先高期待から既に決算を発表した銘柄などへは見直し買いの動きも意識されそうである。
《AK》
提供:フィスコ