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【市況】今週の【早わかり株式市況】反落、週後半に中国・恒大懸念再燃で波乱

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週ぶりの下落、週後半に波乱もやや体勢立て直す
 2.週初は前週末の欧米株高引き継げず小幅ながら反落でスタート
 3.その後は海運や半導体株などが買われ週央までは上昇基調堅持
 4.週後半500円超の急落、中国恒大集団絡みで先物主導の下げ
 5.週末は恒大リスクの後退でセントメント改善し切り返すも上値重い

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比263円(0.91%)安の2万8804円と2週ぶりの下落となった。

 今週は月末31日の衆院選投開票に向けた政策期待や、国内で収束傾向を強める新型コロナウイルスなどが相場にプラスに作用するとみられる一方、主要企業の決算発表を控え、積極的な買いは入りにくい環境だった。中国不動産大手・恒大集団の経営リスクなども重荷となり、日経平均は週後半に波乱含みの下げに見舞われた。

 週明け18日(月)は前週末の欧米株高を受けて日経平均はやや高く始まったもののその後すぐにマイナス圏に沈む展開となった。前週後半の大幅高の反動もあり上値が重かった。19日(火)は買い優勢の展開で、後場も高値圏で売り物を吸収し190円あまり上昇した。半導体などハイテク株や海運株などへの買いが目立った。20日(水)も根強い買いが入り、日経平均は小幅ながら続伸。一時200円超の上昇をみせていたが伸び悩み、上げ幅は40円にとどまった。ところが21日(木)は後場に入りにわかに反乱含みの展開となり、日経平均は540円あまりの大幅安に見舞われた。この日に香港株市場で取引が再開された中国不動産大手・恒大集団が急落し、同社の資金繰り懸念が改めて警戒され、先物主導の売り仕掛けを誘発する形に。業種別では33業種すべてがマイナスで個別株も全体の8割強の銘柄が値を下げた。そして、週末22日(金)は朝方に日経平均は安く始まったものの、その後切り返す動きをみせた。恒大集団による利払い報道を受け市場のセンチメントが改善した。ただ、来週から本格化する企業の決算発表を前に、上値では戻り売りが出て大引けの上げ幅は100円未満にとどまっている。

■来週のポイント
 恒大リスクが引き続き意識されるほか、本格化する決算を見極めたいとの様子見姿勢から、来週は上値が重く方向感に欠ける展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では27日-28日に開催される日銀金融政策決定会合や29日朝に発表される9月の有効求人倍率と鉱工業生産が注目される。海外では26日発表の米国9月新築住宅販売件数や28日発表の米国7-9月期GDP、29日に発表されるユーロ圏7-9月期GDPと米国9月の個人所得・個人消費支出に注視が必要だろう。

■日々の動き(10月18日~10月22日)

【↓】  10月18日(月)―― 3日ぶり小反落、前週急騰の反動で利益確定売り優勢
 日経平均 29025.46(  -43.17)  売買高10億8498万株 売買代金 2兆5295億円

【↑】  10月19日(火)―― 反発、米ハイテク株高受けリスク選好の買い優勢
 日経平均 29215.52( +190.06)  売買高 9億9279万株 売買代金 2兆4409億円

【↑】  10月20日(水)―― 小幅続伸、円安進行で朝高も買い一巡後は伸び悩む
 日経平均 29255.55(  +40.03)  売買高11億1780万株 売買代金 2兆7099億円

【↓】  10月21日(木)―― 3日ぶり急反落、中国恒大の株価急落受け売り優勢
 日経平均 28708.58( -546.97)  売買高10億4191万株 売買代金 2兆4488億円

【↑】  10月22日(金)―― 反発、朝安も半導体関連に買いが流入
 日経平均 28804.85(  +96.27)  売買高10億5124万株 売買代金 2兆4303億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、27業種が下落
 (2)浜ゴム <5101> 、ブリヂストン <5108> などゴム製品が値下がり率トップ
 (3)日水 <1332> など水産・農林、日清粉G <2002> など食品、日本郵政 <6178> などサービスといった内需株が売られた
 (4)ホンダ <7267> など自動車、村田製 <6981> など電機といった輸出株も総じて低調
 (5)オリックス <8591> などその他金融、T&D <8795> など保険、みずほFG <8411> など銀行といった金融株も軟調
 (6)郵船 <9101> 、川崎汽 <9107> など海運が値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(1) 半導体 ──── グロース株への物色資金還流で出番到来
 2(5) 半導体製造装置
 3(4) デジタルトランスフォーメーション
 4(3) パワー半導体
 5(9) 再生可能エネルギー
  ※カッコは前週の順位

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