【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):Sansan、ソフトバンクG、海運株
Sansan <日足> 「株探」多機能チャートより
Sansan<4443>が急騰。前週末8日の取引終了後、11月30日を基準日として1株を4株に株式分割すると発表。あわせて、22年5月期第1四半期(6~8月)の決算を発表。売上高は45億9700万円(前年同期比25.4%増)、営業損益は1億200万円の赤字(前年同期1億9300万円の黒字)だった。継続的な売上高の成長実現に向け、組織改編や人材採用の強化を図ったほか、自社サービスの広告宣伝活動や機能拡充などに取り組んだ。純利益については投資有価証券売却益の計上が寄与し、6億5200万円(前年同期比7.6倍)と大幅増で着地した。
■大紀アルミニウム工業所 <5702> 1,826円 +168 円 (+10.1%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
大紀アルミニウム工業所<5702>が続急伸。アルミニウム二次合金のトップメーカーであり、アルミ市況の高騰が株高思惑につながっている。中国やインドなどで電力不足問題が懸念されサプライチェーンリスクが浮き彫りとなっている。アルミニウム製造には大量の電力を必要とすることから、アルミの供給懸念にもリンクし価格の急上昇を招いている。そうしたなか、同社は22年3月期営業利益が前期比6割増の146億6000万円を予想。好調な業績を背景に株主還元も強化しており、年間配当は従来計画の36円から一気に50円に増額していることでマーケットでも注目度が高まっている。
■カーブスHD <7085> 977円 +89 円 (+10.0%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
カーブスホールディングス<7085>が大幅続伸。前週末8日の取引終了後に発表した22年8月期の連結業績予想で、売上高265億5000万円(前期比7.6%増)、営業利益25億円(同54.1%増)、純利益15億9800万円(同41.5%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想で前期比2円増の7円を予定していることが好感された。今期は25店舗の新規出店を予定している一方、コロナショックの影響が大きいFC店の閉店・統合を50店舗予定しており、店舗数は25店舗純減の期末1933店舗となる予定。また、20年2月末83万2000人だった会員数は、コロナショックの影響により20年5月末に54万5000人(休会を除く実質会員数)まで減少したが、21年8月末69万3000人まで回復し、今期末には79万8000人(オンライン会員を含む)を予想しており、会員数増に応じた会員向け物販の契約数、販売数の増加を見込むという。なお、21年8月期決算は、売上高246億8100万円(前の期比1.6%減)、営業利益16億2200万円(同39.0%増)、純利益11億2900万円(同47.7%増)だった。
■エンビプロ <5698> 2,247円 +155 円 (+7.4%) 本日終値
エンビプロ・ホールディングス<5698>が急速に水準を切り上げ新高値に買われた。建築廃材や廃車などを回収して鉄スクラップなどに分別加工する事業を展開する金属リサイクル大手。足もとの業績は絶好調で、21年6月期営業利益は前の期比2.7倍の21億3000万円と高変化をみせ過去最高利益を更新した。更に22年6月期も2ケタの利益成長が見込まれている。電気自動車(EV)向けなどで需給が逼迫しているリチウムイオン電池だが、同社は同電池の再資源化への研究開発で業界を先駆していることでもテーマ買いを呼び込んでいる。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,416円 +298 円 (+4.9%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は3日続伸と戻り歩調を強めている。株価は米長期金利上昇を背景とした米ナスダック安や中国当局の規制強化懸念、中国不動産バブル崩壊懸念などが足かせとなり、上値の重い展開を強いられてきたが、目先不透明材料を織り込み押し目買いが優勢となっている。ただ、信用買い残は膨らんだままで、直近10月1日現在でも売り残が減少する一方、買い残は再び増加傾向を示しており需給悪への警戒は拭えない。日経平均寄与度の大きい銘柄で、きょうは全体相場が先物主導で急速に上げ足を強めるなか、インデックス買いによる株価浮揚効果も働いている。
■日本郵船 <9101> 7,700円 +310 円 (+4.2%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み上昇。海運市況の高騰を背景に今期業績が様変わりとなったことで、株価も大きく居どころを変える銘柄が相次いだが、その反動で9月下旬以降は大幅反落する形を余儀なくされていた。しかし、低PERと高配当利回りが際立っていることで、目先は押し目買いの動きが優勢となっている。大手海運3社はいずれも75日移動平均線をサポートラインに戻りに転じる状況にある。
■ウイングアーク1st <4432> 2,317円 +90 円 (+4.0%) 本日終値
ウイングアーク1st<4432>は反発。午後1時ごろ、データプレパレーションを統合したデータ分析基盤の新サービス「Dataring(データリング)」の提供を開始したと発表。「Dataring」は、Excelデータをはじめとする業務システムでは集約しきれないデータを収集し、変換して加工することで、ダッシュボードやグラフなどで用途に合わせて閲覧でき、データの可視化までを提供する。経営から現場まで全社横断でデータを集約・蓄積するデータパイプラインを構築することで、業務スピードや生産性を高め、データ分析前に必要とされる、データ収集と整備にかかるコストや工数と期間が削減でき、データ分析の品質が向上するという。
■パンパシHD <7532> 2,486円 +90 円 (+3.8%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が3日続伸。前週末8日の取引終了後に発表した9月度の月別販売高状況(速報)で、既存店売上高が前年同月比0.1%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。上旬は、8月に続き天候不順や低気温の影響による夏の季節商品の販売不振、新型コロナウイルスの感染拡大による人流抑制が影響したものの、中旬以降は新型コロナの新規感染者数が全国的に大きく減少したことで、人流及びそれに伴う売り上げが改善した。特にシルバーウィークは、全てのエリア、駅前・郊外、時間売り上げが改善し上旬の不振をカバーした。
■トヨタ自動車 <7203> 1,987円 +64 円 (+3.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、ホンダ<7267>など自動車株に買いが集まった。テーパリング前倒しの思惑などを背景に米長期金利の上昇が顕著となっている。前週末時点で米10年債利回りは1.6%台を上回ってきたが、これに伴う日米金利差拡大がドル買い・円売りの動きを誘発し、足もとでは1ドル=112円台前半まで円安が進んでいる。これを受けて輸出採算向上が見込まれる自動車セクターの株価には追い風となっている。一方、半導体不足などによるサプライチェーンリスクや中国景気の減速懸念が重荷となっており、上値では戻り売り圧力も観測される。
■INPEX <1605> 965円 +31 円 (+3.3%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が続伸。8日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の11月限が前日比1.05ドル高の1バレル=79.35ドルに上昇。一時、80.11ドルにまで値を上げ、2014年11月以来、約7年ぶりに80ドル台へ買われた。経済再開に伴う原油需要の増加に加え、液化天然ガス(LNG)価格の急騰で発電燃料として原油に代替需要も出ている様子だ。両社は来月上旬に決算発表を予定しているが、足もとの原油高は業績面での追い風になるとの期待が出ている。
株探ニュース