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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 中国市場の落ち着き次第では短期的にロング対応の動きが強まる可能性


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 28060 +240 (+0.86%)
TOPIX先物 1966.5 +17.0 (+0.87%)
シカゴ先物 28050 +230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 7日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。民主党のシューマー上院院内総務が、12月初めまで債務上限を暫定的に引き上げることで与野党が合意したことを明らかにし、当面は連邦政府のデフォルトが回避されるとの安心感が広がった。また、失業保険申請件数が予想以上に減少したため、雇用回復期待から幅広い銘柄が買われる展開となった。ただし、原油先物相場が朝安後に上昇に転じたことが、上値の重荷となっていた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、商業サービス・用品が上昇する一方で、電気通信サービス、公益事業、運輸が下落。

 シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比230円高の2万8050円で取引を終えている。日経225先物のナイトセッションは日中比50円安の2万7770円で始まり、その後早い段階で上昇に転じると2万7850円~2万7950円水準での推移が続いた。米国市場の取引開始後にレンジを切り上げると、取引終盤にかけて一時2万8160円まで上げ幅を拡大。引けにかけては高値圏での保ち合いから、2万8060円で取引を終えた。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まることになろう。昨日はリターンリバーサルの動きが一気に強まり、日経225先物は一時2万8000円を回復。ナイトセッションでは2万8000円を上回って取引を終えたこともあり、目先的には2万8000円水準を固めておきたいところである。日経225先物の75日移動平均線は2万8360円付近に位置しており、今後は同線の突破を試す展開に向かうかが注目されそうだ。

 もっとも、米連邦政府のデフォルトが当面回避されたことは安心感につながるものの、市場の関心は国慶節明けの中国市場の動向に集まっている。

 中国恒大など中国不動産大手の多くが数十億規模の簿外債務を抱えているとの報道もあり、積極的な売買を手控えさせる要因となる。オプションSQ通過で需給的には落ち着きを見せてくることが考えられるが、短期筋のショートの動きには注意したい。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。リターンリバーサルの動きが強まった影響が大きいが、一方でこれまでの急低下によって需給状況は大きく変化しているため、目先は方向性を探る展開となろう。

 なお、VIX指数は19.54に低下し、25日線を下回ってきた。不安心理は後退していることもあり、中国市場の落ち着き次第では短期的にロング対応の動きが強まる可能性はありそうだ。

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