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【市況】明日の株式相場に向けて=アフターコロナと総裁選が生むダイナミズム

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 週明け27日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比8円安の3万240円とわずかながら反落。端的に言えば前週の先物主導の急伸の反動で上値が重かったということになるが、前週末の欧米株市場が冴えない動きだったことを考慮すれば健闘したともいえる。中国不動産大手・恒大集団のデフォルトリスクはくすぶった状態のままであり、買い戻しが一巡すれば、東京市場も競って上値を買い進むような環境にはない。

 中国については、恒大破綻リスクというよりは不動産バブルの崩壊リスクであり、恒大をスケープゴートに幕引きというわけにはいきそうもない。ただし、1990年の日本に時計の針を戻して、短絡的に総量規制によるバブル崩壊という切り口で対比することにあまり意味はないようにも思われる。ひとつ言えるのは、リーマン・ショックのような連鎖的な金融システム不安には直結しないが、中国経済の減速を助長することは間違いがないということ。FRBによるテーパリングスイッチが入っても「利上げはまだ先の話だから」というパウエル発言の賞味期限がどの程度か定かではないが、少なくとも今後、スタグフレーション的な経済環境が米中で進むという事実は認識しておく必要がある。

 国内では29日に自民党総裁選の投開票を控え、思惑が錯綜している。党友票は圧倒的に河野氏だが、岸田・河野決選となれば、2位・3位連合で岸田氏逆転の目もある。株式市場的には高市氏がベストシナリオだが、現状は少々難しそうだ。ただ、総務大臣ポストなどで入閣すれば今回の総裁選で負けても株式市場には追い風が吹きそうだ。量子コンピューター関連のフィックスターズ<3687>が久々の出番待ちとなっている可能性がある。

 緊急事態宣言が予定通り9月末に解除される方向となったことで、アフターコロナ関連、あるいはリアル消費関連株に該当する銘柄群に投資マネーの流入が目立つ。日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>の空運2銘柄はもとより、旅行関連のKNT-CTホールディングス<9726>やエアトリ<6191>、エイチ・アイ・エス<9603>などがここにきて上値追い鮮明だ。

 一方、きょうは東証1部の売買代金上位3傑を海運大手3社が占めるという珍しいケースとなった。いずれも1000億円台を大きく上回り、3銘柄合計で4000億円を超えた。もっとも、株価の方は揃って大きく利食わる形になった。これは、アフターコロナ株が買われる一方で、先駆したグローバル景気敏感株が利益確定対象となる典型的な資金シフトの動き。実際問題、買い向かう勢力がいるからこそ、これだけの売買代金が積み上がったわけで、これは明日が今上期の最終売買日に当たることと関係している。高配当利回りに目をつけた、駆け込みの権利取り狙いの買いである。海運セクター周辺では東海運<9380>は良いチャートをしている。

 このほか、テーマ買いの流れから探ると水素関連や燃料電池関連株にも物色の流れが向きやすい。総裁選と同じ今週29日から10月1日にかけて東京ビッグサイトで水素・燃料電池展が開催される。直近取り上げた長野計器<7715>が業績上方修正発表を材料に急動意したが、これに合わせて水素とリチウムイオン電池双方に絡む新日本電工<5563>に改めて注目してみたい。また、トヨタ自動車<7203>との連携が深い安永<7271>は既に動兆著しいが、「MIRAI」向け外観検査ユニットで高評価を獲得していることがポイント。2次電池の加工技術開発にも継続的に取り組んでおり、依然として上値余地がありそうだ。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)周辺株ではAI分野の雄でここチャートの形が良くなってきたALBERT<3906>や、ITサイトを多角的に運営するイード<6038>が投資対象として存在感を示しつつある。

 あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月15~16日開催分)が開示される。また、IPOが4社予定されており、東証マザーズ市場にリベロ<9245>、デジタリフト<9244>、ROBOT PAYMENT<4374>、ジィ・シィ企画<4073>が新規上場する。海外では、8月の豪小売売上高、1~8月の中国工業企業利益、9月の米消費者信頼感指数、7月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数など。このほか、パウエルFRB議長の米上院銀行委員会での証言が注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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