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【特集】新型コロナ克服へ急展開、注目必至の「コロナ薬」関連株を先取り <株探トップ特集>

新型コロナ感染拡大の恐怖がなお拭えない状況にあるが、そうしたなか待望のコロナ治療薬が日の目を見る可能性が出てきた。コロナ薬を巡る最前線と関連企業を紹介。

―経済活動正常化に向けた切り札、驚異の効果でテーマ買い対象となる8銘柄をマーク―

 新型コロナウイルス感染症に関するある発表が、世界の希望となる可能性がある。医療崩壊を防ぎつつ、経済活動を正常化させていくことが急務の中、この流れを加速させると期待される3種の神器に関連する銘柄を探った。

●3種類の薬ミックスで一気に視界が開ける

 少し前に報じられた、日本赤十字社医療センターのチームがまとめたという、新型コロナ感染症に関する発表が、世界に希望を与える可能性がある。研究結果の内容は、新型コロナ感染症の重症患者に対して、3種類の薬を同時投与した結果、死亡率が2%と従来の10分の1にまで激減したとするものだ。

 報道によると、同チームが投与したのは、「レムデシビル」「デキサメタゾン」「バリシチニブ」の3種類とされている。もともと、コロナ禍の初期段階で「イベルメクチンが効く」「アビガンが効く」など、さまざまなニュースフローが世界的に飛び交っていた。しかし、研究対象の患者数が少ない場合や患者の状態のバラツキが大きいといったように、データとして問題が多かった。イベルメクチンを例に挙げれば、同薬を製造する米製薬大手メルク<MRK>も「新型コロナへの治療効果について十分な科学的根拠はない」、世界保健機関(WHO)も同様に科学的根拠があるかどうかは「極めて不確実だ」といった声明を過去に出している。

 同チームでは、前述した3つの既存薬を、病院内の倫理委員会の承認と患者の同意を得た上で、2020年12月から2ヵ月間、重症患者44人にレムデシビルを最大10日間、デキサメタゾンとバリシチニブについては最大14日間投与。なお、レムデシビルは抗ウイルス薬、デキサメタゾンは抗炎症薬、バリシチニブは免疫調整薬の役割を果たす。その結果、投与から4週間後までに死亡したのはわずか1人(2%)という驚異的な成果をあげたようだ。入院期間も平均11日となったようで、従来に比べ約6日短縮という結果となっている。

●医療体制崩壊の回避が最重要課題に

 非投与の重症患者と比較していないため、今回の結果は厳密な意味で言えば評価しにくい面もあるとの指摘があるのは事実。だが、この3薬が「神器」となる可能性は十分にある。足もとの動向としては、政府は東京や大阪など19都道府県に関して、緊急事態宣言の期限を9月30日まで延長した。今回の期限延長にあたっては、「医療体制の状況」が今まで以上に重視された。宣言解除に際しても、医療体制の逼迫状況が判断に大きな影響を与えることになるのは言うまでもない。

 その一方、11月をメドとした行動制限の緩和策を政府はまとめているとも報じられている。ワクチンの接種証明などを活用し、飲食店では、酒類の提供なども認めることが検討されているようだ。医療崩壊を防ぎつつ、経済活動を正常化させていくことが急務である中、こうした動き自体は想定されていた。現在のところ、新規感染者数はピーク時からは落ち着きをみせているとはいえ、再び人流が活発化し同じ展開を繰り返すことは何としても避けたい。

●コロナ治療薬関連で思惑内包の8銘柄はこれだ

 治療薬さえ十分に揃っていれば、やや強気スタンスで経済活動の回復を進めるという選択肢も生まれてくることになる。そういった意味で、期待が一段と高まる3薬に関連する銘柄を中心に、コロナ治療薬関連株の物色局面が到来する可能性がある。思惑対象となる8銘柄に注目した。

●広栄化学 <4367> [東証2]~イオン液体、ピリジン塩基類、ピラジン類などさまざまな化学製品の製造販売を行う。20年6月から米ギリアド・サイエンシズ社向けに新型コロナ感染症の治療薬であるレムデシビルの骨格を形成する原材料である「ピロール」の生産を千葉工場で開始。同年7月からはファビピラビル(アビガン)の原材料「ピリジン」の生産を開始している。

●日医工 <4541> ~新型コロナ感染症対策においては、抗凝固薬に分類される注射用フサン(一般名:ナファモスタットメシル酸塩)及びステロイド系抗炎症薬の一つであるデカドロン錠(一般名:デキサメタゾン)の安定的供給、臨床研究への薬剤の提供や製剤開発を行っている。

●富士製薬工業 <4554> ~女性医療、急性期医療を中心に新薬とそのほか薬剤を組み合わせた製品や、開発難易度の高いバイオシミラーの開発などを行う。デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液(一般名:デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム)を手掛ける。

●アステナホールディングス <8095> ~グループの医薬品製造受託会社である岩城製薬佐倉工場では、注射剤、外皮用剤、固形剤、外用剤の受託製造において、治験薬製造から商用生産をカバーする。同社では副腎皮質ホルモン外用剤デキサメタゾン軟膏を手掛けている。

●日本化薬 <4272> ~「火薬」「染料」「医薬」「樹脂」の保有技術を基盤に事業を展開する。医薬事業では、バイオシミラー、ジェネリック抗がん薬、画像下治療(IVR)分野への取り組みも進めている。デキサメタゾン口腔用軟膏を手掛けている。

●日本新薬 <4516> ~創薬技術の高度化による研究開発力の向上や、新規創薬モダリティへの挑戦により、泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科の4事業に注力する。粉末鼻噴霧用ステロイド薬である、アレルギー性鼻炎治療剤「エリザスカプセル外用400μg」(一般名:デキサメタゾンシペシル酸エステル)を手掛けている。

●デンカ <4061> ~有機系素材や無機系素材、電子材料などを手掛けている。20年5月から新型コロナ感染症の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の原料となるマロン酸ジエチルの生産を開始し、原料供給を行っている。

●宇部興産 <4208> ~化学を中心に、建設資材、機械の各分野でも事業を展開しており、医薬事業においては、原薬・中間体を手掛ける。20年7月から宇部ケミカル工場内の医薬品工場において、富士フイルム富山化学が開発した「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の原薬主骨格を成す重要な中間体の製造及び供給を開始している。

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